メディアの収益創造は、「仕組み」と「コンテンツ」の二軸で取り組むべし

業界 レスポンス

2月23日、博報堂メディア環境研究所の研究員らを講師に、Consulactionセミナーが開催された。今回のテーマは「Media Extension スマホ時代のマーケティング計画に抑えておきたい、<メディア行動>最前線!」。スマートフォン時代の新しいメディア行動の調査分析が発表された。

「海外事例に見るメディア行動のひろがり」と題して講演したのは研究員の矢木野桂一郎氏。矢木野氏は、これからの新しいメディア行動の広がりをとらえるためのフレームワークとして、生活者との接点を変えるような「仕組み軸」と、提供するものの中身を変える「コンテンツ軸」という二軸を提案。この分析枠組みにおいて、コンテンツを拡張することをパターン1、仕組みを拡張することをパターン2、これらの融合拡張をパターン3と分類し海外での事例を挙げながらMedia Extensionの具体例を説明した。

◆自社ブランドの価値を見極めMedia Extensionに先進的な米国

コンテンツ拡張を主眼とするパターン1では、もともと雑誌で生活者をつながっていた雑誌ブランド(コンデナスト社)がその雑誌ブランドに関連する動画を配信するデジタルサイトを媒体ごとに展開した例などが挙げられた。また、もともと発行していた雑誌のトピックから、スポーツや芸能など“ライブ向き”のものを動画で特化したタイム社の事例もが挙げられた。

動画配信は、新たな広告収入を得られるだけでなく、過去には取引のなかった新規のクライアントがついた事例もあるという。また現在米国では、1社の巨大スポンサーがつくことがトレンドとのことで、この場合動画配信中に常にロゴを掲載するなどのスタイルがみられるという。

矢木野氏は、米国雑誌出版社のこのような動画コンテンツ拡張の背景を「私たちのビジネスはもはや雑誌を販売するだけでなく雑誌を軸としたメディアビジネスに変わりました」と述べた全米雑誌協会CEOの言葉を引用しつつ、次のように説明する。

「広告予算が紙媒体からデジタルにシフトしたことをうけて、米国では出版社自らが雑誌が“雑誌ブランド”のコンテンツを配信する1つのメディアに過ぎないと割り切った認識が浸透している」。

◆Amazonもメディアの拡張 生活者との新しい接点が重要

仕組みを拡張するパターン2では、最近の米国放送サービス系事業者に顕著な動きとしてアマゾンの例が挙げられた。生活者の“日常生活”に入り込めむことがパターン2での拡張であるため、アマゾンの「Amazon Prime Air」や「Amazon Echo」「Amazon Dash」のように、従来にない消費者との寄り添いかたにも目を向ける必要があるのだという。

人々との接点拡張、そしてコンテンツ拡張の融合型であるパターン3には、もともとはビデオレンタルが事業だった「Netflix」が挙げられた。1997年に創業しDVDレンタル事業を展開していた同社はユーザの視聴データを蓄積し、蓄積したデータからユーザの好みにあうコンテンツを作成するようになる。

具体的には、1年間にわたり人気のジャンル、視聴が離脱されてしまうシーンを分析。例えば、動画再生を途中で終了したシーンを分析して「つまらなくなった瞬間」を抽出してその傾向を解析。その結果、ユーザーの好む傾向(デビット・フィンチャー監督/ケビン・スペイシー主演)を導き出し、そのキャスティングでドラマを制作したところ、その動画は大ヒットし、テレビ版のアカデミー賞ともいえる全米エミー賞を受賞している。

◆メディアの拡張は効率的な収益創造をもたらす

Netflixのリード・ヘイスティングスCEOは「これまでは視聴者がいつ・どの番組を見るかを放送局が決めてきたが、今後そうした主導権は視聴者がもつことになる」と述べる。矢木野氏のフレームワークでいえばこのような展開は、既存の仕組みで得たデータを活用したコンテンツ拡張の例にあたる。

「挙げた事例ではそれぞれに手順、条件、市場環境があるわけで、必勝法のようなものは導き出せない。しかしながらビジネス視点ではブランド価値や既存、既に所有している価値を活用しながら本業ビジネスへ還元するという流れがみえてくる」(矢木野氏)。

「仕組みとコンテンツを二軸にしたフレームワークで捉えられるMedia Extensionを通じて、自社の仕組みやサービス、コンテンツを用いてさらに効率的な収益創造を図るエコシステムが構築できる」と矢木野氏。生活者にとってのバリューとは何かを考え、そのバリューをいかに生み出していくかが重要、と注意を喚起して講演を終えた。

《まとめ・構成 北島友和》

  • 北原 梨津子
  • 博報堂メディア環境研究所 矢木野桂一郎氏
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