【GARMIN HUD インプレ前編】視線移動の少なさがもたらす安全と利便を実感

テクノロジー レスポンス

古くて新しい技術であるヘッドアップディスプレイ(HUD)。人間の視線上にさまざまなデータを重ねて表示する技術だ。自動車の表示系としても採用例が増えてきており、その利便性が認知されつつある。このヘッドアップディスプレイをスマホカーナビに応用して話題となったのがGARMINの「HUD 日本版」。今回、専用アプリがバージョンアップして新たな機能が追加されたので、改めて紹介したい。

◆自動車分野で普及が進むHUD

ヘッドアップディスプレイは人間の視界、つまり、目に見えるものにデータ情報を重ねて表示する技術。略して「HUD」と呼ばれる(GARMINの「HUD 日本版」は、この略称をそのまま製品名としている)。戦闘機など軍事分野や医療分野で利用されているが、自動車でもかなり古くから採用例が多い。

日本では1980年代に日産『シルビア』(S13)がフロントウインドウにスピードを表示する「フロントウィンドウディスプレイ」をオプション設定して話題になった。ほぼ同じ時期にトヨタもクラウンマジェスタに同様の装備を採用。その後、大きな話題になることはないものの、高級車には定番の装備として普及が進んでいる。海外メーカーでもBMWなどはかなり積極的にHUDを採用しているので、見たことがある人も多いだろう。

最近では、マツダがアクティブ・ドライビング・ディスプレイという名称で、HUDを積極的に採用している。他メーカーと違い、高級車にかぎらず多くのモデルに採用しているのが特徴だ。例えば昨年発売されたデミオにも一部グレードに標準装備している。

◆カーナビこそヘッドアップディスプレイで

ヘッドアップディスプレイのメリットは、情報を読み取るための視線移動が少なくて済むため、安全性が高いこと。これはまさにカーナビに応用するには打って付けの特性といえる。そこに目をつけて開発、発売されたのがGARMINの「HUD 日本版」だ。

本機はスマートフォンと組み合わせての使用が必須の製品として開発されており、ハードウエアとしてはディスプレイ以外の機能を持たない。カーナビとしての機能は専用アプリである「マップルナビ for HUD」に依存する。このアプリはiOS用のみのリリースで、Android用がない。そのため、本機はiPhone(またはiPad)専用ということになる。Android端末を使用している人は間違えて購入しないように注意が必要だ。

本機の外観は、スマートフォンを分厚くしたような本体の下に、角度を調整できるスタンドが、上にはディスプレイとなる透明なプレートが取り付けられている。本体の上部に自発光タイプのディスプレイがあり、そこに表示されるデータがプレートに投影される仕組みだ。

ちなみに、透明なプレートは脱着できる。海外ではフロントウインドウに専用シールを貼ることで、プレートではなくフロントウインドウに直接データを投影することもできるようになっているのだ。しかし、日本ではフロントウインドウのドライバーの視線付近にシールを貼ることが禁止されているため、こうした使い方はできない。もちろん、専用シールも付属していない。

車両への取り付けは、ただぽんと置くだけ、という究極のイージーインストールとなっている。専用スタンドは裏面が粘着ゲルとなっており、また自在に変形する。ダッシュボードの形状にフィットするので、置いた場所からずれたりひっくり返ったりすることがないのだ。電源はシガーソケットから供給する。

◆専用アプリをインストールしてBluetoothで接続

使用するには、専用アプリの「マップルナビ for HUD」をインストールしたiPhoneでBluetooth接続する。操作は全てこのアプリで行うようになっており、本機にはスイッチのようなものは一切ない。つまり、本機は「マップルナビ for HUD」の外付け追加ディスプレイとして機能するのだ。なお、「マップルナビ for HUD」のUIは特に変わったところはなく、ごく普通のカーナビアプリそのもの。本機なしで通常のカーナビアプリとして使用することもできる。

さて、本機は以前にも試用したことがあるが、今回はより本格的に使ってみた。本格的、というのは設置場所のことで、前回はドライバー真正面より左よりに設置し、真正面を向いた時の視界の左下スミに表示が見えるようにしたが、今回はメータークラスターの真上に設置した。視界の中央の少し下に表示が見える。

使い始めてみると、やはり最初はかなり表示が気になってしまう。外を見るつもりでも、つい本機の表示データに目が行ってしまうのだ。しかし、試用した2日目にはもう慣れて、表示を便利だと感じるようになった。

ヘッドアップディスプレイにもいろいろあって、本格的なものは実際にデータが投影されている場所よりも、ずっと遠くに焦点を結ぶようになっている。表示データが遠くの空中に浮いているように見えるのだ。この場合、外の景色とデータを同時に見ることもできるが、本機はそのようになっていない。表示データを見ると、目が近くに焦点をあわせるため、遠景はピンぼけとなる。

簡易的なヘッドアップディスプレイであるためこうなるのだが、これはこれで、むしろ好都合ともいえる。遠景を見ているときは本機の表示データのほうがピンぼけとなるため、慣れるとそれを意識しなくなるのだ。この辺りの使用感は個人差も大きいと思われるが、筆者の場合は視界の中心近くにデータが表示されても普段はそれを意識せず、必要なときだけパッとデータを読み取るということができた。

  • 山田正昭
  • 本体はGARMINらしく落ち着いたデザイン。ハイテクっぽい演出は一切ない。そのためやぼったい印象もあるがヒンジ部分などはよく考えられていて機能的だ、機能的にはよく考えられている。《撮影 山田正昭》
  • 真上から見るとディスプレイの様子がよく分かる。当たり前だが、左右反転したディスプレイとなっている。《撮影 山田正昭》
  • 透明なプレートは取り外すこともできるが、角度の調整はできない。《撮影 山田正昭》
  • スタンドの裏側は粘着性の高いゲルがあり、また、簡単に曲げてダッシュボードの形状に合わせることができるようになっている。《撮影 山田正昭》
  • このように首が回るので、左右方向に傾斜した場所に取り付けても、本体を水平に調整することができる。《撮影 山田正昭》
  • 自発光するディスプレイを見ると、矢印部分に円形のセグメントがある。しかし日本仕様では使われないようだ。《撮影 山田正昭》
  • このように取り付ける。というか、ただポンと置くだけだ。強めの急ブレーキをかけてもひっくり返ったりすることはなかった。《撮影 山田正昭》
  • 運転席からはこのような視界になる。電源はシガーソケットから供給する。《撮影 山田正昭》
  • 車外から見るとこのようになっていて、意外と目立つ。しかし、表示されるデータは車外からは全く見えない。《撮影 山田正昭》
  • 使用するには、Bluetoothで接続する。パスキーなどは必要なく、簡単に接続できる。《撮影 山田正昭》
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