【人とくるまのテクノロジー展15】ヴァレオ、電動ターボを量産化

業界 レスポンス

大手パーツサプライヤーのヴァレオは、パワートレイン系の部品や電子制御関連製品を展示すると共に、次世代のクルマに搭載される新技術をブースに展示していた。

その1つが電動スーパーチャージャー。遠心式のコンプレッサーをモーターで駆動する過給機で、電動ターボとも呼ばれるデバイスである。

排気ガスの代わりにモーターでコンプレッサーホイールを回すという発想は、かなり前から存在している。

エンジンによってベルト駆動される遠心式では、ベルトの張力によるアンバランスが影響し、軸受け部のフリクションロスにより高回転化や耐久性に問題が起こりやすいが、モーターなら均衡するので高回転化も可能だ。排気熱による熱害の心配もないことから、ターボメーカーやベンチャーが、こうした電動ターボを研究開発しているが、ヴァレオも15年に渡って研究を続けてきたという。

ヴァレオの電動タービンは永久磁石を使わないSRモーターを採用。12Vから48Vに昇圧する電源部や回転数を検知して制御するコントロールユニットまで一体化されたもので、加速時に単独で過給する装置として、またターボの立ち上がり遅れをカバーする補助装置として利用できると言う。

電動ターボはレイアウトの自由度や熱害をクリアできる代わりに、消費電力が大きいことがネックだったイメージがある。しかしヴァレオのエンジニアによれば、駆動に用いる電力は減速時の回生充電によって賄えるので、実質的には電力はほとんど必要としないので問題ないと言う。

つまり回生エネルギーを直接駆動力に変換するハイブリッドや、電装品への供給に用いるのではなく、過給に使うことでエンジンのトルクアップに用いるのである。しかもアイドル状態から本格的なブースト圧を発揮するまで、わずか0.25秒というレスポンスを実現している。これならモーターでアシストするのに近いトルクアップを果たせる。

そしてこの電動ターボに注目すべき最大の理由が、今年度中の量産化が決定したことだ。つまりそれは、市販車への搭載を意味する。それはいつ、どんなクルマに採用されるのかが気になるところである。

今年度末から生産を開始し、アウディの新型モデルのパワーユニットに採用されることになると言う。それはターボラグを解消させる補助デバイスとしてだと言うから、果たしてアウディの新パワーユニットはどんな過給エンジンになるのか、その走りは…。想像するほどに、登場が楽しみである。

  • 高根英幸
  • モーターはSRモーターを採用。12Vから48Vに昇圧することで効率を高め、ブーストの立ち上がりを早めている
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