【マツダ 開発者 徹底インタビュー】アクセラ 編…“人間中心”から始まるマツダ精神を体現

新車 レスポンス

「SKYACTIV技術」とデザインテーマ「魂動」に基くマツダの新世代商品群。2012年の『CX-5』から、『アテンザ』『アクセラ』『デミオ』『CX-3』、そして先日発表となった『ロードスター』で一つの節目を迎えたことになる。

Cセグメントハッチバックのアクセラはその中間期にデビューした。同車の存在は、今、どう定義されるのか。そしてその先は…。児玉眞也 開発主査と田端孝司チーフデザイナーに聞いた。

◆グローバルな中核車種としての存在

----:アクセラの発売は2013年11月。発売から1年半が経ち、後からデミオやCX-3もデビューしました。新世代商品が6車種となったことで、アクセラの位置づけや役割は変わったのでしょうか?

児玉眞也 主査(以下敬称略):中核車種という位置づけは変わっていません。乗用車で、大人4人が不自由なく乗れて、マツダらしいスポーティなコンパクトカーというキャラクターも変わらないですね。

今後もこの「スポーティでコンパクトな乗用車」ということを、さらにしっかりと訴求して行きたいと考えています。マツダの収益の柱となっている車種ですから、これからも着実に、会社に貢献できるものでありたい。

田端孝司チーフデザイナー(以下敬称略):トレンドの変化で『CX-5』の存在感が大きくなってはいますが、アクセラは土台を支える車種としてどんな市場、どんな顧客からも支持を得るという役割は変わらないんです。実際にどの国でも評価がぶれず、まんべんなく高い評価を得ているというのは嬉しいですね。

「Be a driver. Celebration」で6台並んだところを見ても、シリーズ全体の群としていいなあと思いました。デビューが先か後かというのは関係なく、統一感がありながらそれぞれキャラクターがはっきりしている。その中でアクセラも上手くいっていると感じました。

◆熱烈なファンをもっと育てたい

----:国内でも、アクセラのユーザーは幅広い層にわたっていますよね。ロードスター発表会後に行われたファンイベント「Be a driver. Celebration」では、ユーザーからどんな反応があったんでしょうか?

児玉:みなさん、世代やグレードにかかわらず、自分が乗っているものが一番だと思っています。これはすごくありがたいことですが、そうした人たちからも「買い替えたい」と言ってもらえるように、さらに魅力的に進化させなくてはいけないと再認識しました。ユーザーの期待に応えられているか? ということは常に自問自答を繰り返しています。

田端:アクセラは熱心なファンが多く、『ロードスター』の次ぐらいにユーザーとの絆が強い。初代に乗り続けている人も少なくありません。だから新型に乗り替えるだけじゃなくて「新型が欲しいけれども、いま乗っている車両も手放したくない」と思ってもらえる車種に育てていきたい。

----:日常的に使う乗用車だけれども、ある種のスペシャリティな感覚を備えているということでしょうか?

田端:マツダというブランド全体でそうなりたいと考えています。ユーザーとの結びつきを大切にする姿勢はどの車種でも変わりません。ゆくゆくはアクセラユーザーのお子さんたちが大きくなったら「デミオに乗ろうかな」と自然に考える、そんなブランドにしたいですね。

◆CX-5、アテンザから進化した魂動デザイン

----:現行モデルは、新世代商品の第3弾として発売されました。開発時の状況はどんなものだったのでしょうか?

田端:スタイリングの面では『靭(シナリ)』で表現されたものを、いかに現実的なものにするかという試行錯誤の連続でした。アテンザと比べて主婦の方やクルマに興味を持たないユーザーが非常に多い。ですから誰が見ても新しく、けれども熟成されているように感じられ、いいねと言ってもらえるものを目指しました。

ローンチしたときにはシナリやアテンザで見せていたダイナミックさを凝縮して、動きのある形にしたんですよ、とお伝えしました。これは今になって振り返ると、後のさらにコンパクトな車種を展開するにあたって役に立ったのではと思っています。

児玉:サイズの大きな車種で表現していた魂動デザインを、コンパクトクラスではどう表現するか? ということは前田(育男デザイン本部長)との間ですごく議論していましたし、インテリアの表現は先にデビューした2車種から革新しています。

ですから、魂動デザインを進化させたパイオニア的存在として、後に続く車種を先導したという自負はありますね。

----:具体的には、魂動デザインをどのようにコンパクトサイズに当てはめたのですか?

田端:発想の転換です。アテンザでは伸びやかでダイナミックな線で表現していました。この「動きを表現する」という目標は同じなんですけれども、ギュッと凝縮されたものが内側から押し出されているような表現ならば、コンパクトなハッチバックでも実現できるだろうと考えたんです。

◆新技術を搭載する車種はタイミングで決まる

----:技術面では、ハイブリッドの設定がトピックでしたね。ですが特別な装いというのは施していません。「エコカーは、そうとわかる見た目のほうがいい」という話もありますが…。

児玉:バッジを追加しただけで、あとはハイブリッドだとわかるようにしようとは考えませんでした。あくまでアクセラらしくあることが重要なんです。

田端:ハイブリッドだディーゼルだ、というのはユーザーのライフスタイルに合わせて選んでもらうものであって、アクセラとしての表現はひとつということですね。

----:ちなみに、アクセラが最初にハイブリッドを設定した車種というのは、なにか理由があるのですか?

児玉:理由は2つあります。技術的な面ではラインナップ全体で「ビルディングブロック戦略」を進める中、ハイブリッドを盛り込むタイミングがアクセラのデビュー時期と合致したこと。もうひとつはボリュームの大きいクラスにハイブリッドを投入することで、ビジネスを強化しようとしたことです。

マツダ車は車格に関係なく、常に最新の車種が最高のものであるという考えを持っています。ですからモデルライフ途中の改良でも、フルモデルチェンジなみのクオリティアップをすることがあります。

◆目指すのは人間中心のクルマ作り

----:たしかにCX-5とアテンザは、アップデートで驚くほどの進化を遂げました。となるとアクセラのアップデートもどんなものになるのか、気になります。

田端:マツダブランドを確立させようと一生懸命やっていて、その中でさまざまな選択肢があります。ただ、表面的な意匠だけを変えて新鮮さを出すということはやりません。アクセラに新しい技術やブランドの訴求力を高めるための要素を盛り込むタイミングが来たら、アップデートを実施します。

児玉:先のことは言えませんが、確実なのは「進化」と「深化」をする、ということです。アクセラの属するCセグメントというのはコモディティ化しています。また日本では軽とSUV、世界的にもSUVへのシフトが鮮明で、ハッチバックとセダンの市場は縮小傾向です。

こうなるとスモールプレイヤーのマツダとしては、単なる移動手段に留まらない価値を提供しなければ存在理由がありません。具体的にどんなアップデートになるのかは、楽しみにしていてください。

----:移動手段に留まらない価値とは、どんなものでしょう?

児玉:「人間中心である」、ということですね。快適だとか気持ちいいとかいうのは、安心できていなければそう感じられません。安全装備が充実しているから安心ということではなく、人間の感覚に合った動きをするから安心感を得られる。マツダはそういうクルマを目指していて、アクセラでもそれは変わらないのです。

  • 古庄 速人
  • マツダ・アクセラ 1.5L MT《撮影 平野敬久》
  • マツダ アクセラを担当する、児玉眞也 開発主査(左)と田端孝司チーフデザイナー(右)《撮影 稲葉九》
  • 田端孝司チーフデザイナー《撮影 稲葉九》
  • 児玉眞也 開発主査《撮影 稲葉九》
  • マツダの新世代商品群6モデル《撮影 稲葉九》
  • マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》
  • マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》
  • マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》
  • マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》
  • マツダ・アクセラ 1.5L MT《撮影 平野敬久》
  • マツダ・アクセラ 1.5L MT《撮影 平野敬久》
  • マツダ・アクセラ 1.5L MT《撮影 平野敬久》
  • マツダ アクセラ ハイブリッド S《撮影 太宰吉崇》
  • マツダ・アクセラ ハイブリッド《撮影 平野敬久》
  • マツダ・アクセラ ハイブリッド《撮影 平野敬久》
  • マツダ・アクセラ ハイブリッド《撮影 平野敬久》
  • マツダ・アクセラ 2.0L AT《撮影 平野敬久》
  • 児玉眞也 開発主査《撮影 稲葉九》
  • 田端孝司チーフデザイナー《撮影 稲葉九》
  • マツダ・アクセラ 1.5リットル MT《撮影 平野敬久》
  • ダッシュボード中央に配置された7インチディスプレイ《撮影 平野敬久》
  • メーターカウル上のADD(アクティブ・ドライビング・ディスプレイ)《撮影 平野敬久》
  • マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》
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