フォーミュラEの14-15シーズン、最終局面へ…ロンドン連戦には山本左近も参戦

モータースポーツ レスポンス

電気自動車のフォーミュラレースシリーズ「FIA フォーミュラE 選手権」の最初のシーズンが、6月末のロンドン連戦でクライマックスを迎える。山本左近の参戦も決まるなど盛り上がりを見せつつある周辺と、初年度のここまでを振り返る。

◆特徴多きシリーズ…「市街地1デー開催が原則」「レース中にマシン交換」

昨年9月に北京で記念すべき最初のシーズン開幕を迎えたフォーミュラEは、いろいろな意味で特徴多きシリーズだ。電気フォーミュラカー(現状はワンメイク)によるレースというだけでも充分に特徴的だが、加えて「原則土曜の1デー開催で、全戦市街地コース」である。

電気自動車ならではの音や排出ガス等の問題が生じにくいメリットを活かしたシリーズ環境設定がなされており、モナコや米ロングビーチのような伝統的市街地コースはもちろん、ベルリンやモスクワといった歴史的背景の深い町並みのなかでのレースも実現するなど、新たな世界転戦シリーズのかたちを提唱してもいる。都市内開催はモータースポーツのファン層拡大にも大きく貢献する要素だろう。

それ以外の代表的特徴を挙げれば、下記のようなところとなる。

「現状のワンメイクマシンの航続距離が1レース分はないため、決勝途中で選手はピットイン、もう1台の同じマシンに乗り換える」

「ピットイン時には最低経過時間が規則で設けられており、これより短い時間でコース復帰してしまうとペナルティ」

「ドライバー人気投票により、3名だけがファンブーストと呼ばれるオーバーテイクシステムの一種を使用できる」

なかでも“マシン交換”はフォーミュラEの名物シーンとなりつつある。技術の進歩次第で、早ければ次のシーズンにもなくなるシーンだと思うが、初期の最大の特徴として長く記憶されていくことになるだろう。

◆ドライバーはF1やWECから多数参戦…チーム首脳には伝説の名手も

参戦ドライバーはF1やWEC、あるいは日本のトップレースシーンでも名を知られた一線級ドライバーばかりだ。ヤルノ・トゥルーリ、ニック・ハイドフェルド、セバスチャン・ブエミ、ジャン-エリック・ベルニュ、ロイック・デュバル、ヴィタントニオ・リウッツィなど錚々たる面々にフォーミュラE参戦経験がある。ネルソン・ピケJr.、ニコラス・プロスト、ブルーノ・セナと、かつてのF1王者たちの血縁ドライバーが戦う構図も再現されるなどして話題性もアップ。

参戦チーム(チーム母体)も米国のインディカーで活躍するアンドレッティや、欧州GP2の強豪DAMSなど、バラエティ豊かにしてハイレベル。いくつかのチームは自動車メーカーともリンクしつつの活動を展開しており、DAMSなどは「e.dams ルノー」として参戦している。また、同チームのドライバーであるニコラス・プロストの父で、F1世界王座を4度獲得したアラン・プロストがチーム首脳として参画するなど、ビッグネームの臨戦も華やかさを増す要素となっている(米国の英雄マイケル・アンドレッティの姿がピットで見られることも)。

日本関係では、かつてF1に参戦していたスーパーアグリの主要テクニカルスタッフだった海外のメンバーがチームを結成、鈴木亜久里をチェアマンに招き、「アムリン・アグリ」チームとして参戦している。開幕戦では“チームOB”の佐藤琢磨もステアリングを握った(アムリン・アグリ勢では、第4戦ブエノスアイレスでアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが優勝)。

なお、日本ではテレビ朝日系が主にBS、CSを使った生放送展開を実施しており、昨今の状況のなかではとてもTVフレンドリーなレースシリーズとなっていることも大きな特徴といえよう(FOX SPORTS & ENTERTAINMENTも全戦放送中)。今後、ワンメイクではなくなった際に自動車をはじめとする日本の技術産業の参入があれば、もっと盛り上がる余地はあると考えていいシリーズかもしれないし、その先には日本ラウンド開催の可能性も、ないわけではないだろう(市街地レース開催へのハードルは低くないが)。

◆ロンドン連戦で初代王者決定…山本左近も初参戦

さて、欧州サッカーや米バスケットボールNBAに近い、北半球の夏〜秋に開幕、翌年の夏本番を前に閉幕するという年跨ぎのシーズン形態もモータースポーツでは異色だが、初年度の「2014-15シーズン」は6月上旬までに世界9都市で9戦を実施してきた。残すは6月最終週末に土〜日の連戦で行なわれる英国ロンドン大会(第10 & 11戦)、ここで初年度チャンピオンの行方が決まる。

最近はレース後に表彰台圏内から失格や順位降格になるケースが続けて出るなど、いよいよ競技事情がヒートアップしてきている感も強いフォーミュラEだが、9戦終了時点のドライバーズランク上位は以下の通り。

1 N.ピケJr.(NEXTEV TCR)128点

2 L.ディ・グラッシ(Audi Sport ABT)111点

3 S.ブエミ(e.dams Renault)105点

4 N.プロスト(e.dams Renault)82点

5 J.ダンブロジオ(Dragon Racing)77点

6 S.バード(Virgin Racing)68点

優勝〜10位に25-18-15-12-10-8-6-4-2-1点、他にポールポジション3点、決勝ファステストラップ2点というフォーマットが最終連戦も変わらない前提で考えれば、実質的に可能性があるのは現在ランク3位のブエミまでだろう(有効得点制によって10戦分の集計が対象となる見込みだが、上位3人は既に無得点レースが各自最低1回はあるので、最終連戦は単純加算になるはず)。

そして、このチャンピオン争い最終局面が注目されるロンドン連戦に、開幕戦の琢磨以来となる日本人選手の参戦が15日、正式に決まった。F1参戦経験もある山本左近が、やはり古巣ともいえるアムリン・アグリから出走する。

山本左近選手のコメント

「参戦が決まり、とても興奮しています。『またレースに参戦してほしい』と応援してくれた、僕のファンにも感謝したい。このレースは将来、間違いなくモータースポーツの世界で大きな役割を果たすもの。ロンドンでのレースが楽しみです」

また、インディカーでの活躍で知られる女性ドライバー、シモーナ・デ・シルベストロもロンドン連戦への参戦が決まっており、こちらも楽しみな存在となるだろう(アンドレッティからの参戦)。

歴史に残るフォーミュラE初代チャンピオンの称号をかけたロンドン連戦は、6月27〜28日に開催される。

  • 遠藤俊幸
  • フォーミュラEは全戦市街地開催が原則(モナコ大会でのレースシーン)。写真:Formula E
  • 最大の特徴、レース中のマシン交換。写真:Formula E
  • 印象的な都市の風景のなかで戦われるのもフォーミュラEの特徴(モスクワ大会)。写真:Formula E
  • ファン投票で選ばれたドライバー3名が「ファンブースト」を使用できる。写真:Formula E
  • アラン・プロスト(左)はe.damsのチーム首脳のひとり。写真:Formula E
  • 現在ポイント首位のネルソン・ピケJr.。写真:Formula E
  • 山本左近は既にテストでフォーミュラEのマシンに搭乗経験があるという。写真:TOYOTA(2006年)
  • 現在のフォーミュラEはマシンワンメイク(パワーユニットはルノー製)。写真:Formula E
  • F1さながらの、モナコでの激戦。写真:Formula E
  • モスクワ戦のレースシーン。写真:Formula E
  • このモスクワ戦もそうだったが、風光明媚な場所での開催が多い。写真:Formula E
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