データサイズを1/10にコンパクト化、ジオ技術研究所の3Dマップ「WAREM Light」

テクノロジー レスポンス

ドライバー視点でリアルな風景をカーナビ上に描き出す3Dマップ。その開発の最前線にいるのが3次元地図データを手掛けるジオ技術研究所だ。東京ビックサイトで開催された「3D&バーチャルリアリティ展」においてその最新技術が紹介された。

そのひとつが「WAREM Light(ワレム・ライト)」だ。ベースとなっているのは2次元(2D)地図を3次元(3D)地図化して描画するデジタル地図レンダリングミドルウェア「WAREM(Wide Rendering Engine Map)」で、基本機能をそのままにデータサイズを約10分の1にまでコンパクトにしたというものだ。

一般に3D地図は2D版をベースに表示を傾けただけのものがほとんどで、その場合、遠方まで俯瞰して見通すことはできない。遠くまで詳細な情報を映し出すにはカーナビ側のメモリや処理能力から対応が難しいというのがその理由で、結果として3D地図でも2D地図と同じように地図のスケールを広域/詳細で切り換えて対応するしかなかった。

一方、WAREMでは自車周辺を詳細に表現しながら広域まで一度に表現できる。まさに俯瞰した状態で遠くを見渡す自然な3D地図を表現可能としているのだ。ただ、この表現を行うのに地図データのサイズは約13GBと大きめとなってしまう。HDDを使ったカーナビ向けとしてはこれでも良かったが、急速に普及するスマートフォン向けにはデータサイズが大き過ぎる。そこで同社はWAREMの機能をそのままに、データサイズを従来の13GB相当から約10分の1相当にまでコンパクト化するWAREM Lightの開発に至ったというわけだ。

驚くのはその豊かな表現力だ。河川では水面が揺らぎし、空には雲が浮かんで流れる。よく見ると鉄道路線上には電車が走り、駅に到達すると一旦停車するアニメーション表現も取り入れている。ジオ技術研究所管理部の三毛陽一郎氏によれば、「季節に応じた風景の変化をはじめ、天気情報をや列車時刻表を反映させることも可能」だという。

また、WAREM Lightは、テクスチャーを貼り込んで街並みをリアルに表現する「Walk eye Map」との連携も可能にしている。3D地図はカーナビ向けとして交差点や高速道路の分岐点・出入口などを3D画像として提供することを目的に準備されたが、これを静止画を連続させた“動画”で表現可能としたのがWalk eye Mapだ。

Walk eye Mapで使用する3D画像は、ゼンリンが全国に配備する専用の調査車両「タイガー・アイ」で撮影した360度全方位の写真を活用。政令指定都市の主要交差点を中心として撮影し、その画像より生成していく。基本的には店舗や広告の看板、街路樹、路面ペインなどの交通施設を含めてそのままの情報が反映されるが、垂れ幕などの季節モノは省かれる。しかもこれらが年1回のペースで更新されると言うから驚きだ。

さらにWAREM Lightは今後「スマホ向けを含め、将来的にはGIS(地理空間情報システム)の分野で建築関連分野や気象分やでの活用も検討中(三毛氏)」だという。カーナビだけにとどまらず、3D地図への期待は今後ますます高まっていきそうだ。

  • 会田肇
  • 新旧「WAREM」の比較。左が最新版で、河川の水面が揺れたり、紅葉が空から舞うなど季節感も演出
  • 3D&バーチャル リアリティ展に出展したジオ技術研究所のブース
  • 3D&バーチャル リアリティ展
  • 自社開発3Dマップのメリットをアピール
  • WAREMに組み込み可能な「Walk eye Map」。建物一つひとつにテクスチャーを貼り込んでリアル感を作り出す
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