【池原照雄の単眼複眼】クルマ産業もっと知って…トヨタ会館が小中学生向け「職業体験」プログラム

業界 レスポンス

◆クルマや自動車産業への関心高めたい

夏休みのぶらり旅で、トヨタ自動車の展示施設であり、交通安全教室などさまざまな地域向け活動も行っているトヨタ会館(豊田市)を取材した。そこで、同会館が子ども向けに立ち上げた新しいイベントの存在を知った。クルマそのものや仕事としての自動車産業への関心を高める試みとして、自動車各社での“横展開”も期待しながら紹介したい。

このイベントは小学5年生から中学生までを対象とした「職業体験プログラム」で、トヨタ会館を運営する社会貢献推進部とトヨタのエンジニアを中心とした親睦会であるトヨタ技術会が昨年秋に初開催した。64人の募集枠に対して約1.5倍の応募があり、愛知県外から参加する人も出るなど好評だったため、内容や規模を拡大、今年も10月10日にトヨタ会館で開催し定着させることとした。

◆品質の造り込みを鋳造で実体験

プログラムは文字通り「職業」を体験してもらうことであり、子どもたちが仕事や社会の仕組みを学び体験する施設として人気のある「キッザニア」の自動車産業版ともいえる。コースは大別して(1)車両・技術展示場の説明や売店の運営などのトヨタ会館の実務、(2)開発や生産技術といった自動車メーカーでのモノづくり――の2つを用意している。

中学生のみを対象とするモノづくりコースでは昨年、ドアの閉まり音の改善など車両の評価技術と鋳造での鋳型の形状と品質の関係といった本格的な体験の場を用意した。鋳造は低温でも溶けるスズを用いて、実際に溶融や鋳込み作業も行ったという。

◆定員1.5倍に拡大し、燃料電池もコースに

今年は募集定員を93人と1.5倍に増員し、モノづくり体験では昨年の2コースに加えて、「燃料電池の開発」と、燃料電池車『MIRAI(ミライ)』のミニチュア金型を使った「樹脂の真空成型」を新設する。大人も参加したくなるようなコースだ。参加者には、このプログラムの専用通貨である「トペ」が労働の報酬として支給される仕組みもある。小学生の参加者が運営するトヨタ会館の売店にならった模擬店で、文房具やクルマのオリジナルグッズなどを購入してもらう。

このプログラムを企画した社会貢献推進部企業PR室の中村菜知佳さん(28)は「キッザニアさんを体験した際、子どもたちが将来の仕事に夢をはせる重要性を痛感した。継続させながら体験できるコンテンツも工夫していきたい」と、クルマとその関連業務を子どもたちに広くアピールしたい考えだ。

プログラムへの参加は無料であり、今年の募集はトヨタ会館のホームページなどで告知し、9月に開始する。このイベントの趣旨とは違うかもしれないが、若年層のクルマ離れに対処する草の根的な活動としても定着・拡大に期待したい。

  • 池原照雄
  • 展示場の説明(トヨタ会館の職業体験プログラム)《トヨタ自動車提供》
  • ドアの閉まり音の改善体験(トヨタ会館の職業体験プログラム)《トヨタ自動車提供》
  • 社会貢献推進部 企業PR室の中村菜知佳さん《撮影 池原照雄》
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