道路損傷1:0.0033、車種間料金1:0.8…高速道路二輪車料金の不合理

社会 レスポンス

「2020年までに国内新車販売100万台を掲げ、官民が一丸となって実現に向け総力をあげて取り組んでいるが、100万台達成どころか二輪車産業の衰退にもつながりかねない」

10月21日、公明党オートバイ議員懇話会の席上で、日本自動車工業会の池史彦会長は、居並ぶ国会議員を前に危機感を訴えた。

二輪車の国内販売は、消費税増税の影響を受け、昨年度は42万2000台。前年度比で88.3%と、ピークの327万台(1982年)から大幅な減少が続いている。

それだけではない。来年4月には軽自動車税の増税、同10月には排ガス規制の強化、再来年4月には消費税が10%に増税、さらに18年10月には安全装置であるABS、CBS搭載の義務化と、ユーザー負担と車両価格は増すばかり。池会長の訴えは、けして大げさではない。

そんな中で特に問題とされているのが、高速道路料金だ。来春には高速道路料金は都市高速も含めて全国一律で5車種区分に統合されていくが、それでも二輪車は依然として「軽自動車等」に含まれたままだ。

「受益者負担の原則」に沿って、高速道路料金は議論されている。例えば来春から都市高速の現金車料金は、今よりさらに高く設定される見込みだ。この理由は現金車は収受員に支払う人件費などのコストがETC車より余計にかかっている。利益を得ている人が応分の負担をすべきだという理由だ。

料金区分もこれと同じことで、大型車は普通車より道路損傷や空間占有面積が広いので高く設定されている。ならば二輪車はどうか。

自動車工業会が公明党懇話会に向けた要望書の中で、道路損傷度と車種別料金区分の矛盾を指摘する。

道路の損傷は、普通乗用車1に対して、二輪車は0.0033でしかないという。この比率を自工会は普通車194車種の平均値、小型二輪42車種の平均値をもとに算出した。すでに自工会は、このデータを12年7月に国土交通省道路局に提出しているが、その後も二輪車料金を独立させようという議論は行われていない。料金比率は普通車1に対して、二輪車0.8だ。

高速道路料金の議論に参加する関係者の一人は、動かない二輪車高速道路料金の独立について、こう解説する。

「道路損傷などいろんな理由をあげて、国交省は妥当性を主張するが、誰もが適正でないことはわかっている。ただ、二輪車区分を作って料金を下げれば、その減収分をどこかで埋め合わせなければならない。しかし、二輪車は「軽自動車等」となっているために、国交省も高速道路会社も、どれだけの二輪車が高速道路を利用しているか知らない。つまり、新たに料金区分を作ったら、道路建設費の返済が遅れるという感情論で、合理的な議論ができない」

公団から高速道路会社へ。民営化10年を経ても、顧客がどう高速道路を使っているかという分析すらできずに、料金を議論していたのだった。

  • 中島みなみ
  • 公明党オートバイ議員懇話会でユーザー負担の軽減を訴える池史彦自工会会長(10月21日・永田町)《撮影 中島みなみ》
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