来年度も0円回答、自動車ユーザーの支払った保険料運用益6072億円返済なし

社会 レスポンス

来年度の予算案が国会で話し合われている。財務省は自動車事故の被害者救済を目的とした「自動車賠償責任保険」(自賠責)の保険料運用益6072億円の返済について、来年度予算でも0円回答を通した。

財務省は返済できない理由を、今年度と同様に「厳しい財政状況にある」と説明した。

この6072億円は税金を集めたものではない。強制加入が義務付けられている自賠責保険の保険料の運用益だ。財務省も保険料運用益が税金と同じ扱いにならないことは認識している。

自賠責保険料の運用益は、1994年度と95年度の2度にわたって自動車安全特別会計から一般会計に貸し付けられた。総額は1兆1200億円。そのうち元本6352億円と利息の一部569億円が返済されたものの、残り6072億円(元本4848億円+利子相当分1224億円)が、いまだに返済されていない。

借入金は大きすぎて返済できなくなっているのだ。

当時の大臣だった藤井裕久蔵相と伊藤茂運輸相は、大臣間の覚書で2000年までに完済すると決めた。その期限の前年、99年に今度は宮沢喜一蔵相と二階俊博運輸相が同様の覚書を交わして2004年まで返済を延ばした。

さらに現自民党幹事長である谷垣禎一財相と石原伸晃国交相間、民主党政権下で野田佳彦財相と馬淵澄夫国交相間、計4回の返済期限繰り延べが取り交わされて現在に至っている。

4回目の返済期限は18年度までだが、この先も厳しい状況は変わらない。16年度は0円回答だったため、返済を織り込んだ予算が編成できるのは残り2回しかない。馬淵澄夫元国交相は取材に対して「当時は仕方なかった」と振り返るが、それではすまない状況も生じている。

交通事故被害者救済のための予算は、財務省に貸し付けた保険料運用益を元手に利子相当分を使って恒久的に手当てされるはずだった。しかし、覚書は計算上の利子相当分を膨張させ続けるが1円も被害者救済のためには使えない。

こうした費用は後遺障害を持つ寝たきりの被害者にも使われているが、これからも手当し続けられるのか、その将来が見通せない状況にある。

今月21日には自賠責保険の保険料を決める「自動車損害賠償保険審議会」が金融庁の主催で開催される。委員の中からは、毎年この返済が提起されているが、検討される気配はない。

  • 中島みなみ
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