進化よりも深化…マツダ デミオ がわずか一年で商品改良した理由

新車 レスポンス

マツダ『デミオ』に、デビューから一年あまりという早いタイミングで、単なる年次改良ではなく、比較的明確な商品改良が実施された。どういった経緯、また戦略の元の商品改良なのだろうか。

日本車の場合、モデルライフサイクルの中で、適度な外観のリフレッシュを伴ったマイナーチェンジのタイミングで、テクノロジーのアップデートを実施するケースがまだまだ多いのではないだろうか。今回の改良、(オプション設定されていた、シャークフィンアンテナを標準採用するグレードがあるものの)外観上の刷新は全くない。すべて見えない部分での改良だ。

デミオは、『CX-5』に始まった"SKYACTIV TECHNOLOGY"で企画された新世代のマツダの車種ラインナップの第4弾としてデビューした。低価格帯で、マツダ車の、そして自動車の入門として選ぶ人の多いクルマである。このクルマの成功はマツダのブランドにとって重要な命題だ。そして2015年末の段階で、国内実績9万6000台、総生産台数としては、そのおよそ倍の台数がマツダの工場をラインオフしている。メーカーの規模に対しては好調なセールスを維持して来ていると言ってよいだろう。

そんなデミオだが、実は完全に個別に企画・開発されたわけではなく、CX-5以降の新世代車種は、デミオの後に登場した『CX-3』、『ロードスター』に至るまで、一括企画で開発されて来た。「人間中心のクルマ造り」という思想は共通ながら、様々なサイズ、様々なシーンにわけてバラエティを充実させて来た。そしてそれぞれのクルマで盛り込める最善のテクノロジーとクオリティを盛り込んでリリースする。そうすると、ラインナップの拡充に合わせて、マツダ車の質的、技術的水準が向上して行くことになる。

そして昨年末、ロードスターのリリースで、ひとまず「役者が揃った」マツダの新世代車種。「最新のモデルが持つ水準と、デビューしてからやや時間のたった既存モデルの水準を合わせて行くことで、細かくアップデートして行きながら育てて行くことが今後の仕事なです」と柏木主査は語った。

しかし一方で、登場から一年あまりでの改良には「早いのではないか」と思うユーザーも少なくないだろう。改良前に購入したユーザーに失望を与えるのではないかと心配になるが「私たちもその点は危惧しました」とした上で「それでもお客様がディーラーに来店されてそこで触れるクルマには、常に最新の技術が用意されているべき」というのが今のマツダのスタンスなのだという。

モデルライフサイクルの間は常に新鮮で、魅力の褪せないモデルであり続けること。それがショールームをもっと魅力的な場所にする。そして「つねに進化し続ける魅力的なクルマであり続けること。それが中古車市場での値崩れも最小限にとどめることに繋がり、商品改良の前後といった違い以上に、同一モデル、現行デミオといった、モデル全体の流通相場を下支えする、というかたちで既納ユーザーへも還元していきたいと思っているのです」と語った。

「マツダくらいの規模のメーカーでは」というフレーズが、この日のプレゼンテーションでもたびたび聞かれた、しかし、それは、デミオにおいても大切にしている「人馬一体」という設計思想。それがクルマの設計のみならず、最新技術をいち早く既存モデルにもフィードバックしていくことができる、メーカーとしての「回頭性の高さ」にまで及んでいる。ひいては既納ユーザーとメーカーの関係にも影響する、比較的小さな規模であることをアドバンテージにしている、と感じずにはいられない。

  • 中込健太郎
  • 外観上の唯一といっていい今回の商品改良での特徴はシャークフィンアンテナ。《撮影 中込健太郎》
  • この商品改良は「進化」か「深化」か。《撮影 中込健太郎》
  • 早朝の横浜でマイナーチェンジしたデミオに試乗。《撮影 中込健太郎》
  • 5ナンバーに納まるボディサイズはむしろアドバンテージであると感じさせる場面も多い。《撮影 中込健太郎》
  • 近所でも、遠い街でも。デミオなら目的地は選ばない。《撮影 中込健太郎》
  • 取材当日「改良前」のモデルと「改良後」のモデルに比較試乗できる機会が用意された。《撮影 中込健太郎》
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