【今井武のテレマ革命】震災の経験が生んだ、ドライバーを空から見守る新情報サービス「アマネク」

テクノロジー レスポンス

3月1日、新しい放送メディア「i-dio」(アイディオ)のプレ放送がスタートした。今回はこの放送と通信を融合した「i-dio」を活用して、どのようにアマネク創業の想いをカタチにして行こうとしているかを綴る。

◆「i-dio」とは

前回、放送×通信×GPS×ビッグデータを融合させた革新的なメディア、V-Lowマルチメディア放送について紹介した。2011年に地上アナログ放送終了後に空いた周波数帯(99〜108MHz)を利用し創設されたV-Low、マルチメディア放送は「i-dio」という名称で、3月1日よりプレ放送を開始した。

「i-dio」は、ラジオでもテレビでも無い、新しい“第3の放送”だ。端的に言うと「ラジオ」(AM/FM)、「i-dio」、「テレビ」というと解りやすいかもしれない。「i-dio」では、ラジオが扱う音楽・音声、そしてテレビが扱う映像、それに文字情報など、デジタルデータならば、何でも放送波に乗せてユーザーに届ける事が可能だ。前回も書いた様に、データは通信と同じIPDCで送る事が出来るので、車で放送を受けるだけで、画期的なテレマティクスサービスの提供が実現できる。

◆ドライバーを空から見守る

アマネクは東京池袋のサンシャインビルにある日本気象協会の中に専用のスタジオを作り、「i-dio」からアマネクチャンネルを配信していく。3月1日から、本スタジオからプレ放送を開始した。今回、専用スタジオを作った背景、またそこで使われる業界初のシステムの特徴を説明させていただく。

まず、その前にアマネクの社名の由来をご紹介したい。アマネクは「遍く」という日本語から来ていて『広く遍く、モビリティの”安全・安心”、そして快適の提供を目指したい』という想いをこめた社名である。この想いを全国のドライバーにお届けするための、日本初のドライバー向け専用チャンネルとして創業した。

今回、アマネクで私がどうしてもやりたかった事がある。それは、ドライバーのための適切な情報伝達だ。東日本大震災から節目の5年が経とうとしているが、震災の経験を踏まえ、これまでずっと災害時の情報伝達のあるべき姿を考えてきた。

その答えの結晶として、今回ドライブに必要なビッグデータを可視化できるスタジオモニターを開発した。このモニターは、日本地図の上に、現在の天気や風雨だけでなく、これからの天候の変化を読むための雨雲レーダ、降水予測、気象予測といった気象に関わるビッグデータを表示することが可能だ。更にドライブスポット情報や車両プローブから生成される道路混雑情報、大規模災害時の道路通行実績情報などを表示し、これらの情報はナビゲータを通じてドライバーに提供される。

「◯◯遊園地周辺は4月上旬の穏やかな天気が終日続きます。行楽を楽しんでくださいね」「ここにいるドライバーの皆さんは、後30分すると豪雨は過ぎ去るので安全な場所に留まっていてください!」…など、このモニターを通じて、ナビゲーターがリスナーに語りかける情報は、ドライバーの安全安心のためにかなり寄り添った内容となっている。専用スタジオをつくり、番組を大きく支えるモニターシステムを導入した理由は、放送の確実性と一人ひとりに寄り添った情報配信を実現するためだった。

そして、アマネクチャンネルは、ラジオの良さである「リスナーとの距離の近さ」を大切にしている。放送局側からの一方的通行の番組編成ではなく、リスナーと共に番組を作り上げたいと考えている。そのために、リスナーから位置情報付きツイートをハッシュタグ(#Amanek)でSNSに投稿してもらうことで、リアルタイム体験をナビゲーターを通してシェアされる仕組みを採用している。

「目黒川の桜が今日から咲き始めましたよ」「この周辺でイベントをやっていますよ」など、リスナーから寄せられた情報がモニターに表示され、その時の旬の情報もマッシュアップされる。本機能は、災害時の道路や現場の状況を把握・共有する上で、ドライバーに有効な手段になってくれると想定している。実際、東日本大震災発生直後、役立ったのはSNSのタイムライン上に流れた、リアルタイムの情報だったからだ。

モニターに映し出されるのは、地上で今起こっている情報だ。まるで空からドライバーを見守るような(それは「神の視点」と例えても良いかもしれない)、ラジオ放送局として業界初の新しい試みだ。

◆アマネクチャンネルの特徴

アマネクチャンネルの大きな番組構成の柱は3点あるので、ここでご紹介しよう。

(1)走行位置に連動した、およそ15分先の気象予測情報

ドライバーの走行エリアと連動し、全国およそ2000箇所の天気予報や気象警報をTTS(TEXT TO SPEECH=自動音声読み上げ)が教えてくれる。

7月から本放送が始まるが、全国を1kmメッシュに分割して、放送することができるので、警戒度や被害状況に応じて防災情報を5段階にレベル化してメッシュごとに配信できる。そして、ドライバーがいるエリアで最高アラートが予測された場合は、音楽やトーク、CMを放送していても、すぐさま割り込んでその情報を伝える。

(2)高音質ドライブミュージック

最新J-POPヒットからクラシックまで、幅広いラインナップを取りそろえ、様々なドライブシーンで楽しめる高音質な音楽を提供する。

(3)便利で役立つ、楽しいドライブ情報

旬なドライブスポットや、走行中の道にまつわる物語などを、ナビゲータが紹介しながら、エリア別にTTSで紹介を行う。また、その場所で使えるお得なクーポンなどを配信し、そのドライブを更に盛り上げる。

◆アマネクチャンネルを聴く方法(i-dio視聴方法)

アマネクチャンネルは、i-dioアプリと、i-dio専用Wi-Fiチューナで体験していただける。(i-dio専用Wi-Fiチューナは、i-dioサイトから応募していただき、無償で手に入れることができる)

i-dioアプリを通じての体験は、プレ放送開始の現時点では音声コンテンツと音楽のみだが、3月中旬にリリース予定の「Amanekアプリ」をお手元のスマートフォンにダウンロードしていただければ、位置連動機能やお気に入り情報のメモ機能など、アマネクチャンネルのフルサービスを楽しんでいただくことができる予定だ。どうぞこちらも楽しみにしていただきたい。その他、アマネクチャンネル以外にもi-dioを通じて、デジタル地上波最高音質の音楽やカルチャーを発信する「TS ONE」や音楽専用チャンネルなど、多彩なチャンネル体験ができるので、その点も楽しんでいただけたら幸いだ。

また、現在モニター配布しているチューナは家庭視聴専用だが、車載対応チューナも4月から、窓ガラスに貼り付け可能なフィルムアンテナと共に発売開始予定だ。最近のクルマは、Bluetoothで車載ナビやオーディオシステムとスマートフォンリンクできるので、是非番組を車内で体感して欲しい。既に私自身のクルマで使い始めたが、誰でもわかるほど音質や車内の音の広がりがあり、豊かになった気持ちになる。電波受信可能エリアであればパケット代もかからない。

◆自動車への標準装備に向けて

「アマネク」という名前は「広く遍く」から来ていると先ほど書いた。この名前はホンダ時代に一緒に苦楽を共にしたメンバーが私の想いを聞いて、命名してくれた。新しい放送メディア「i-dio」と、モビリティの安全・安心・快適を提供する「アマネクチャンネル」の標準装備。私はドライバーに向けた適切な情報提供を目指して、自動車メーカやナビ・オーディオ各社に対応をお願いして歩いている。

視聴に必要なハードは、一部のカーナビや自動車メーカが既に適用済みのチューナLSIの搭載。そして、ソフトは各社が適用展開し易いように、Amanek共通ソフトモジュール開発し、既にSDK(Software Development Kit)で提供できる状況に整えている。これを各社のカーナビ/カーオーディオにインプリメントすれば安く早く適用ができる。関連各社の皆さま、どうぞよろしくお願いします!

私ごとで恐縮だが、ホンダを卒業して1年が経った。私の人生を大きく変えた大震災からちょうど5年。多くの方々に支えていただき、ここまで進むことができた。ちょうど震災のあったこの3月から再びスタートし、震災のことを決して忘れることなく、支えて下さった皆様に感謝しながら、アマネクチャンネルを通して、丁寧にこの社会に想いを届けていきたいと思っている。業界関係者をはじめ、リスナーの皆さんと創り、育てていくことで、モビリティの未来に貢献していくことができる新しいメディアでもあると考えているので、是非、屈託のないご意見や応援をいただきたい。

尚、3月16日から18日まで東京ビッグサイトで開催される、ATTT(国際自動車車通信技術展)にて、Ananekチャンネルとその技術、可能性を実際に体感できるブースを用意したので是非お越しいただきたい。

http://www.attt.jp

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