【新聞ウォッチ】燃費データ不正を指摘した日産と三菱自の”微妙な関係”

モータースポーツ レスポンス

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2016年4月21日付

●三菱自、燃費データ偽装、供給先・日産が指摘、軽4車種62万台(読売・1面)

●トヨタ25日工場再開(読売・2面)

●熊本地震1週間、景気下押し懸念、部品供給網が混乱(毎日・7面)

●訪日観光客2000万人突破、15年度45%増(毎日・7面)

●報道の自由度急落、日本61位から72位に(東京・6面)

●伝統技術の職人ら支援、レクサス・ブランドなど(東京・9面)

●アイシン、海外調達、車ドア部品、中国・メキシコから(日経・14面)

●バスで「常にベルト着用」43%ツアーや高速便利用者(日経・34面)

ひとくちコメント

東京・霞が関の合同庁舎内にある国土交通省5階の記者会見室。午後5時から始まった三菱自動車の燃費データ不正についての緊急”謝罪”会見は2時間にも及んだが、会見室に入り切れずに隣の控室や通路で立ったままメモをとる記者もいたほど報道陣で溢れかえっていた。

きょうの各紙も、毎日、日経が「三菱自、燃費データ不正、5〜10%上乗せ、対象軽62万台」などと1面トップで熊本地震関連よりも大きく報じたほか、読売、朝日、産経なども1面以外に総合面、経済面、社会面などに書き分けて取り上げている。

記事では深々と頭を下げる相川哲郎社長らの写真とともに、「意図的にデータ操作、また消費者へ裏切り」(読売)、「ダメージ必至、三菱自また背信」(朝日)、「経営責任避けられず、自序作用働かず」(産経)、「不正『また裏切られた』、過去の教訓生かせず」(日経)などと厳しい見出しで伝えている。

相川社長も会見で「意図的だと考えている」と不正を認め、「無念」「忸怩(じくじ)たる思いがある」などと述べた。今後の業績の影響でも「かなりダメージは大きい」とみており、2000年以降の度重なるリコール隠ぺい事件の時のように再び存亡の危機に直面したことになる。

それにしても、謎が多過ぎる。なぜ、燃費データの不正に手を染めてしまったのか。会見では「詳細は外部有識者による委員会を設置して調査する」ことで明らかにしていないが、背景には「軽自動車に出遅れた焦り」(読売など)との見方があることも事実。

ただ、今回の対象車種は、三菱自動車主導で開発を担当したとはいえ、日産自動車も企画段階から加わった共同開発車である。その提携先の日産から発売後3年近くも過ぎてから、このタイミングで「カタログ上の性能に達していない」と指摘を受けたのも腑に落ちない。

また、国土交通省にはメーカー側が実施した走行抵抗値のデータを提出することになっており、いわば性善説による「自主申告」である。今回も提携先の日産が”内部告発”で改ざんを指摘しなければ、不正のまま販売を続けていた可能性もある。

昨夜は、三菱自動車に引き継いて、国交省の担当者も会見したが「三菱自以外に、他の自動車メーカーにも、不正がないか5月18日までに調査するよう求める」という。

激戦の軽市場では「低燃費」がセールスポイントになっているが、カタログと実際に走行する時の実燃費との乖離が大きい車種も指摘されている。データの不正まで発覚すれば「燃費競争」のあげくの果てには、軽自動車離れを加速させることにもなりかねない。

  • 福田俊之
  • 燃費データに不正があったとして謝罪する三菱自動車相川哲郎社長(20日)《写真 Getty Images》
  • 三菱自動車本社《写真 Getty Images》
  • 三菱eKスペースとeKワゴン
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