【北京モーターショー16】マツダ CX-4 は「クーペとSUVの完璧な融合めざした」…チーフエンジニア岡野氏インタビュー

新車 レスポンス

昨年のフランクフルトショーで『KOERU』デザインがデビューして約半年。その実像が『CX-4』としてついにベールを脱いだ。最初の投入地が中国となったのは?ボディサイズがクラスを超えた展開となっているのは何故?チーフエンジニアの岡野直樹氏に話を伺った。

◆中国の若い層が持つ志向はグローバルスタンダードに近い

----:去年のフランクフルトショーで「KOERU」デザインが発表されたとき、私はてっきり『CX-5』の後継車に採用されるものと推測してました。違いましたね。

岡野直樹チーフデザイナー(以下敬称略):はい、違いました(笑)今の主流となっているSUVと違えているという意図はまったくないんですが、SUVは世界的に盛り上がってますから、その中でこれからの方向性を築き上げるという意味で、(CX-4を)その最先端のスタイルに置いてみようと考えたのです。

----:CX-4はグローバル展開されるということですが、中国でそれを最初に発表したと言うことはそれなりの理由があったんでしょうか。

岡野:それについてはYes & Noですね。企画は4年ぐらい前に始めたんですが、実はその時既に中国にフォーカスして始めたんです。企画を立ち上げる際、中国の方、主にターゲットとしている若い層に様々な意見を伺ってきたんですが、その人達は献身的で一定の価値観を持って物事に臨んでいる。その方達の志向は結構グローバルスタンダードに近いんです。一方で中国はモータリゼーションが立ち上がって間もない国なので、ここで私たちがトライすれば世界的に通用する面白いものができるのではないか。そのモデルケースとして(CX-4を)やってみたんですね。

◆クーペとSUVを融合させたCX-4の完成度は世界のどのメーカーよりも上を行く

----:中国市場はもともとSUVが強く、各社からもSUVが数多く出ています。しかし、チーフデザイナーの小泉 巌さんからは昨年の東京モーターショーの時に、「SUVとしてデザインはしてはいない。クロスオーバー車なんです。SUVだったらもっと高くするでしょ」と言われました。

岡野:クロスオーバーを言葉通りに捉えたら「SUVではない」というのは正しいです。しかし、SUVにある根本的な価値を押さえるのは強く意識してます。ボディの形が、ということではなく、どこにでも(クルマで)行ける価値だと思います。それは走破性ですね。そういう部分はSUVとして完全に押さえて来たつもりです。クロスオーバーというのは、それを上回る車体側、私たちが目指したのは完璧なクーペだったわけで、そういう意味ではクロスオーバーが当てはまるでしょう。

たとえば「今のCX-5」を主流となっているSUVとします。元々SUVはフレームを持つクロカンが主流だった時代がありましたが、それと比較すればCX-5もクロスオーバーのカテゴリーに入ります。どんどんSUVの概念が変わる中、クーペとSUVの完璧な融合を目指した最先端のSUVに(CX-4を)置いてみたというわけです。世界のどのメーカーよりも完璧にそれを実現できたと自負しています。

----:CX-4のカーゴスペースはCX-5よりも広いという印象を持ちましたが。

岡野:リアシートを立たせていることもあり、カーゴルームの高さではCX-5の方が余裕があります。よって絶対容量としてはCX-5の方が大きいです。ただ、CX-4が長さを確保しているので平面的には広いのは確かです。リアゲートがファストバックしていることで、荷物の出し入れもしやすくなってもいます。使い勝手に集中させている部分もあり、たとえばスーツケースなどは二段重ねできる高さは確保しています。かつ出し入れもしやすいので、使い切りがしやすいカーゴスペースができたと思ってます。

----:車室内のスペースはどうなんでしょうか。

岡野:(ルーフが低いことで)CX-4ではCX-5よりも少し低く座らせて乗用車的な感じを意識して設計しました。立たせた方がスペースに余裕が出ますから、前後方向でCX-5よりも狭くなっていますね。CX-5とCX-4、『マツダ3(アクセラ)』のホイールベースは実は一緒なんですが、ホイールベースは同じでもは色々積み重ねを行う中で、マツダ3より広くすることができました。フロアはいろいろ違えていて、その中で人の座らせ方を変えることで差を生み出しているというわけです。

◆中国市場でガソリン車のみの投入となったのは?

----:中国はガソリンだけで出されましたが、環境を重視したのでしょうか?

岡野:それには二つの意味があります。ガソリンエンジンが親しみやすく、燃料の安定性という点で一番出しやすいということ。一方、ウチの大きな武器としてディーゼルエンジンがあるわけですが、そもそも値段の高いエンジンですから成熟市場向けのエンジンなのかな、とも思っているわけです。

中国ではまだまだカタログ上のパワーだけで評価される傾向もあって、トルクバンドの太さなど常用域での使い勝手の良さを評価されないと正直辛い。それに中国では軽油の安定性にまだ欠ける面もあるので、今回はガソリンだけにしたのです。とはいえ、中国も企業ごとの燃費規制が厳しくなっていますので、そのバランスを取りながらガソリンも進化させ、ディーゼルも勘案してやっていくつもりです。

----:2.5リットル車にはAWDの設定がありますね?

岡野 はい、AWDはトルクがある2.5リットル車のみに用意しました。一方で、2.0リットル車には走りを楽しんでいただくために、マニュアルミッション車(MT)もラインナップしました。

----:中国ではMTはまだ需要があるんですか?

岡野:いや少ないと思います。そこはマツダなんで、走りを楽しむ人にも対応しようと。長春で作った初代『マツダ6(アテンザ)』がありましたが、その頃は“King of Corner”とか、幅広くマニアックな走りを楽しむ方もいらっしゃったんで、そういう方は中国に少なからずいる。その声に対応したというわけです。

----:日本でCX-4が登場するのはいつなんでしょうか?

岡野:今、一所懸命調整しているところです。中国から輸出するということだと、今は仕上がりもかなり良くなっていると思いますが、品質イメージで日本での展開はまだ難しいと思うんです。グローバルで行けば、今や国によって作り分けが必要になっているのも確かです。となれば、それなりの投資が必要になってきます。今はその準備をしているところです。

----:日本向けにはディーゼルは欠かせないですよね? 関心事は1.5リットルなのか2.2リットルなのか、でしょうけど。

岡野:クラス分けによるヒエラルキーの下、エンジンを選ぶつもりはないんです。あくまでこのクルマに必要なパワートレーンは何なのかを考え、個人ベースで楽しむCX-4、ファミリーのためのCX-5。それぞれの志向を踏まえれば最適なパワートレーンは見えてきます。

◆欧州では標準のヒーターミラーやリアフォグの日本での展開は?

----:ところで、これまでのマツダ車の装備でずっと気になっていることがあります。それは海外で展開している車両にはヒーターミラーやリアフォグランプを装備しているのに、日本国内で展開するクルマでは省かれてしまっていることが少なくない。これはどうしてなんでしょうか。

岡野:実はそのことは謙虚に受け止めなければいけないと思ってます。“走るよろこび”とか“世界で一番美しい”としてガンガン売っているのに、日常使って欲しい装備を落としてしまっている部分があるんです。私個人でも、今やこの装備は欠かせないのになぁ、と思うこともいくつかあって、そう言ったことも対処する必要はありますね。

----:今回、CX-4にはリアフォグが付いてました。

岡野:中国ではヨーロッパでのレギュレーションをそのまま展開しているので、リアフォグは標準化されています。実はこの時期になると年次装備はすでに決まっていることも多いんですが、他社製品との比較をする中でライバル車がきちんと装備しているものでもうっかり見落としてしまう装備も少なからずあるんです。でも、その装備によってきちんとユーザーの心を掴んでいるという現実がある以上、その対応はしていく必要があると思っています。

  • 会田肇
  • 北京モーターショー16でデビューを飾ったCX-4《撮影  会田肇》
  • 座席位置を低めにすることで室内スペースに余裕を生み出した《撮影  会田肇》
  • 後席は十分な高さのバックシートを備え、長距離でも楽に移動できる《撮影  会田肇》
  • カーゴルームは高さこそCX-5より低いが、フロア面と開口部は使い勝手を重視して大きく取った《撮影  会田肇》
  • CX-5よりも低いシートポジションで、運転のしやすさを重視した《撮影  会田肇》
  • カーゴルームはスーツケースの2段重ねができるなど使い勝手を重視した《撮影  会田肇》
  • CX-4《撮影  会田肇》
  • CX-4の周りには大勢の報道陣でごった返した《撮影  会田肇》
  • SKYACTIVE-G2.5エンジン《撮影  会田肇》
  • 「KOERU」の基本デザイン《撮影  会田肇》
  • i-ACTIVによるAWDも採用《撮影  会田肇》
  • CX-4のプレスカンファレンス《撮影  会田肇》
  • クーペとSUVの融合で新たな分野を築き上げたと語る岡野氏《撮影  会田肇》
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