【池原照雄の単眼複眼】ソウルレッドの次はこれだ…マツダの新ボディカラー

業界 レスポンス

◆新型CX-9で初登場の「マシングレー」

「ソウルレッド」といえばマツダを代表するボディカラーだが、これに匹敵する力を注いで開発した新色が登場する。近く北米で発売するミッドサイズSUVの新型『CX-9』のシンボルカラーとなる「マシングレー(Machine Gray)」だ。

本社工場(広島市)の生産ラインやデザインスタジオで見る機会があったが、マシン(機械)を連想させる「黒光り」の美しさという印象が残った。国内向けモデルでの採用計画は明らかにしていないものの、早晩投入されるだろう。ソウルレッドと並ぶ2枚看板となる予感がする。

2012年秋から『アテンザ』、『CX-5』と展開が始まったソウルレッド(正式呼称は「ソウルレッドプレミアムメタリック」)は、マツダの新技術群であるSKYACTIVおよびデザインコンセプトの「魂動」と相乗効果を発揮しながら人気を獲得してきた。初期受注のデータによるとソウルレッドの比率は12年に全面改良したアテンザでは22%、13年に全面改良した『アクセラ』は24%、15年に新モデルとして登場の『CX-3』は19%となっている。国内では「赤」系は、まず1割には到達しないという、それまでのボディカラーの定説をくつがえした。

◆塗装というより金属を削り出したような

ソウルレッドでは「鮮やかさと陰影の両立」が開発の狙いだったが、新色のマシングレーについては「金属質感と黒光りを併せもつ」をテーマにした。品質や生産などを担当する菖蒲田清孝専務執行役員は「塗装というより金属を削り出したようなカラーを目指した」と説明する。

ソウルレッドもマシングレーも、世界の自動車塗装方式で環境負荷が最小というマツダ独自の水性塗装技術「アクアテック」を採用している。塗膜はともに3層だが、塗料にアルミフレークを混ぜた「反射層」の配置が異なる。いわゆるメタリックと呼ばれる層であり、ソウルレッドでは1層目に置いたのを、マシングレーではひとつ上の2層目に変更した(別掲写真参照)。塗装の色はソウルレッドが1層目(反射層)も2層目(透過層)も赤としているのに対し、マシングレーの場合は1層目(吸収層)には黒、2層目の反射層にはシルバーを配している。

◆“面で光らせる”ことで、より立体感あるフォルムに

このシルバーの反射層のアルミフレークに当たって反射する光は、金属のような質感を表現する。また、等間隔に配置されたアルミフレークのすき間から見える1層目の塗装が、「黒光り」を演出するようにした。金属のように光を反射させる研究では、金属製品の街である新潟県燕市のベテラン職人の協力を得たという。

通常は向きや間隔がバラバラになってしまうアルミフレークを等間隔に整列させるのも、この塗装技術のポイントだ。吹き付け後に塗面が徐々に薄くなる「体積収縮」という現象を利用している。複数件の特許も出願しているそうだ。

開発を担当したデザイン本部の岡本圭一・クリエイティブデザインエキスパートは「立体感を際立たせるために、“面で光らせる”ことにこだわった」と強調した。確かにそう意識して見ると、かたまりとしての独特の輝きに気づく。まさに「異彩を放つ」グレーなのだ。

米国の大手塗装会社であるアクサルタによる世界の車体カラー調査(14年)では、グレーは白、黒、シルバーに次いで4番目の人気だという(ちなみに赤は5番手)。もともと支持基盤のあるカラーであり、少なくともマツダ車のなかでは上位の黒やシルバーをしのぐ存在となるのではないか。

  • 池原照雄
  • マツダ CX-9 新型(参考画像)
  • マツダ ソウルレッドとマシングレーの塗装面《撮影 池原照雄》
  • マツダ マシングレーの塗装面《撮影 池原照雄》
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