今最も環境にやさしい自動車用燃料は天然ガス? その魅力と課題とは

社会 レスポンス

あまり知られていないが、今最も環境にやさしい自動車用燃料は“天然ガス”である。

天然ガス(CNG)はガソリンより安価で、私たちの家計にもやさしい。CNGがガソリン並みに課税され、価格競争力に劣ることも想定されるが、ガソリンの値上がりを考慮すると、CNGに優位性があるといえる。

価格のみならず環境性でみても、CO2排出量については、なんとガソリンよりも24%も低いのである。

◆電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)と比較しても環境に優しい

ではガソリン車より環境に優しいと思われているEVやと比較するとどうだろうか。「Well to Wheel」(燃料の採掘から消費まで)で考えると、CNGエンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッド車のCO2排出量はEVやFCVに比べ低くなることが分かっている。

そもそもEVのCO2排出量は車そのものよりも、電気の発電形態により大きく異なってくる。2030年に、再生可能エネルギーの導入が進んだ東日本でEVが248万台(全国600万台)普及した場合の発電構成を検討した試算がある。この試算では、EVが普及するほどに揚水発電や石炭火力からの発電が増加し、かえってCO2の排出量が増加すると結論づけられている。結局EV充電のために安価な石炭火力などで電力を賄おうとすれば、その過程でCO2が排出され、結果的にはガソリン車と変わらないのが現実だ。

「Well to Wheel」の考え方に立脚すれば、電池製造時のCO2排出量も考慮せねばならず、極論すれば、私たちの税金をわざわざ使って、EVを普及させても、かえってCO2総排出量が増える結果となるのだ。

一方のFCVは、太陽光発電で水素を作り、それを燃料として走らせると最もCO2排出量が少なくなる。ただし、効率は40%以下とロスが大きいため、太陽光発電の電気は系統に投入し、火力発電を止めてCNG車を走らせた方がCO2は減る。

◆環境に優しいCNG車・・・ただし課題は少なくない

各メーカーもCNG車の開発を進めており、アウディはe-gasプロジェクトを進めている。CO2と再生可能エネルギー由来の水素からメタンを合成。生成されたメタンをCNG車で利用することで、CO2排出を限り無くゼロにして走行可能にするというものだ。同プロジェクトでは、再生可能エネルギーの電力を使うEVと比較しても、e-gasを使用したCNG車の方がライフサイクルでのCO2排出量が少ないという試算が出ている。

また、日本の部品メーカーHKSの試作車は、ガソリン車に比べ62%、ガソリンハイブリッド車と比較すると24%もCO2を削減できている。

とはいえ、CNG車は技術的なまだまだ改良余地が大きい。そしてユーザーにとってもライフサイクルコスト以外の魅力が乏しいという問題もある。普及のためにも低CO2性をもっと訴求する必要がある。

※本記事はガスエネルギー新聞 8月8日号に掲載された、畑村耕一氏(畑村エンジン研究事務所代表)の寄稿「天然ガス自動車に関する最新情報〜自動車用燃料としての天然ガス〜」を再構成したものです。

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