マツダのモータースポーツ支援…草の根から世界戦までのラダーシステム

モータースポーツ レスポンス

北カリフォルニア、サンフランシスコ近郊にある風光明媚なリゾート地モントレーにある「マツダ・レースウェイ・ラグナ・セカ」。米国はもちろん世界でも自動車メーカー名の冠が付いているサーキットは、ここラグナ・セカだけだ。

自然の丘陵を利用したコースは高低差に富んだレイアウトで、ラグナ・セカの代名詞といえる、ブラインドの進入部から山頂を一気に駆け下る通称「コークスクリュー」をはじめ、それぞれすべてが異なるテクニカルな11のターンが配されている。その長い歴史の中で幾多の名勝負が繰り広げられてきたサーキットにマツダの名前が冠されたのは2001年のこと。

9月9日から11日の3日間、このマツダの聖地とも言えるサーキットで、マツダ・グローバルMX-5カップ「グローバル・ファイナル・エキシビション・マッチ」の記念すべき第1回大会が開催された。5カテゴリーのレースを3日間で行うこのイベントに出走したのはすべてがマツダ車もしくはマツダエンジン搭載車。まさにオールマツダ・イベントだ。

会場で北米マツダのモータースポーツ活動について北米マツダのモータースポーツ部長ジョン・ドゥーナン氏に話を聞いた。

「ピラミッドの裾野の部分とも言えるグラスルーツカテゴリーは、北米マツダのモータースポーツでも重量な位置付けです。SCCA(スポーツカー・クラブ・オブ・アメリカ)やnasa(ナショナル・オートスポーツ・アソシエーション)の元でレースを行っている2万以上の参加者の内55%以上がマツダのクルマを使っています」

マツダがおそらく日本で認識されている以上に米国でのモータースポーツに大きく関与し、その土台を支えていることを伝えるドゥーナン氏の言葉に、北米マツダのモータースポーツ活動を身近に感じている在米の筆者ですら少なからぬ驚きを感じた。そして、続けて説明してくれたMX-5カップもその一環として組み込まれているという、ステップアッププログラムの概要を聞いた時には、その驚きは嬉しい興奮に変わっていた。

「マツダは、これらグラスルーツのレーサー達を次の段階にステップアップさせる取り組み、いわゆるラダーシステムを行っています。そのステップアッププログラムがスポーツカーの『マツダ・ロード・トゥ24』とフォーミュラの『マツダ・ロード・トゥINDY』です」

「マツダ・ロード・トゥ24の選抜戦で優勝したドライバーにはMX-5カップへの参戦資金として10万ドルが授与されます。MX-5カップのシリーズチャンピオンにはプロトタイプライトへの参戦資金20万ドルが授与され、最終的にはIMSAのトップシリーズでマツダプロトタイプマシンのドライバーに昇格することが出来ます」

「同様にマツダ・ロード・トゥINDYでは12月に行われる選抜戦に世界中から21人が招待され、トップの成績者には翌年のUSF2000への参加費用20万ドルが渡されます。USF2000のチャンピオンには32万5000ドルとプロマツダのシートが、プロマツダの勝者には50万ドルとINDYライツのシート、INDYライツのチャンピオンは100万ドルとINDY500を含めた3レースの出場権が与えられます。そして昨年のINDY500出走者33台のうち、実に23人がそのキャリアの中でマツダ・ロード・トゥINDYを経験しています。マツダはモータースポーツでドライバーの夢を叶えるサポートをしているのです。USF2000は2リッターMZR、プロマツダには『RX-8』と同じ13Bロータリー、インディ・ライツはレース用2リッター・ターボのMZR-Rを搭載しています」というのだ。

北米マツダのモータースポーツの歴史は、その成り立ちから他の自動車メーカーとはやや異なるところがあるようだ。アメリカで広く強く深く愛されている『ミアータ』(『ロードスター』)の登場を契機に、フリークたちがよりミアータを楽しむための誰でも気軽に参加できるレース活動が始まったことに端を発し、トップカテゴリーへのラダープログラムを構築するまでになっている。

「1970年にはシアトルのディーラーのメカニックがロータリー・エンジンを搭載した市販車の耐久性を実証するためにサーキット、ジムカーナやアイスレースに持ち込んだのが最初でした。80年代にミアータの発売に併せてモータースポーツのパーツ販売部門を立ち上げました。ミアータベースに手軽にレースに参加できることからグラスルーツのエントリーレベルのジムカーナや、タイムアタックから『スペック・ミアータ』というワンメイクレースも全米で行われるようになりました。現在マツダモータースポーツのウェブサイト内で登録、承認されると、直接レース用部品を購入することもできます」

「そして最新の『MX-5』では初めてレース用のコンプリートカーを製作、マツダから販売することになりました。このレース専用車両を使って行われる『マツダ・グローバルMX-5カップ』は、全世界共通スペックで競う北米仕様のマツダ・ロードスター(ND)のワンメークレースです」

「使用されるMX-5は、米国内のパーティーレースよりも本格的なサーキット専用で、左ハンドルの北米仕様2リッターNAエンジンを搭載。エンジンパワー、タイヤ、サスペンション、ブレーキからロールケージに至るまですべてがグローバルMX-5カップが設定する全世界同一スペックで、唯一シートだけがドライバー自身による選択が許される、ほぼ完全なイコールコンディションレースです。今年からアメリカでのシリーズ戦を開始し、来る2017年のシーズンからは日本、オーストラリア、ヨーロッパでのシリーズ戦展開が予定しています」

しっかりと米自動車社会に根を張ったグラスルーツからのステップアップシリーズのひとつが、その舞台を世界に広げようとしている。

  • ケニー中嶋
  • ラグナセカ 《撮影 ケニー中嶋》
  • MX-5カップ・インビテーショナル 《撮影 ケニー中嶋》
  • ラグナセカ名物の“コークスクリュー”を駆け下りる。 《撮影 ケニー中嶋》
  • MX-5カップ・インビテーショナル 《撮影 ケニー中嶋》
  • ラグナセカ 《撮影 ケニー中嶋》
  • ラグナセカ 《撮影 ケニー中嶋》
  • ラグナセカ 《撮影 ケニー中嶋》
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