【からくり改善くふう展16】多段AT用精密ギア部品のバリ取りを素早く…アイシンAW

業界 レスポンス

アイシンAWは、トヨタグループで変速機などを作っているサプライヤーだ。最近の多段ATの緻密さを実感させるからくりが、そのブースに展示されていた。「バリ取り君」は、AT内部のプラネタリーギアに使われるWピニオンギアのバリを素早く除去できるからくりだ。

「全数のギアにバリ取りの工程が必要な訳ではないんです。そのため元々は手作業でバリ取りをしていました。しかし手作業では1つ100秒かかる上に、完全ではない。1つのギアが規格外となってしまうと、そのロットはすべて点検する必要があるので、2000、3000と規格外品が出てしまいます。そうなると、一気に作業が大変になってしまうんですよ」と説明員。

そう言われて規格外となったギアのバリ部分を拝見したが、言われればギアの内側にホンのわずか、0.1~0.2mmほどのバリを見つけることができた。こんな小さなバリでも万が一、走行中にはがれたバリがATのバルブボディに侵入してしまったらATの作動不良を起こす可能性もある。それだけに、各部品の精度や品質はエンジン以上にシビアとも言えるのだ。

作業効率を高めるために専用の機械「バリ取り君」を開発したのだが、従来のバリ取り君は、1つ1つギアを置いて、レバーを倒して挟み込み、ハンドルを回してバリ取りをして、レバーを起こして手で取り出していた。その場合、1つのギアを仕上げるために要した時間は12秒。今回出品した改良型のバリ取り君は、ギアの脱着作業をレバーに連動して自動で行えるようにしたため、5秒で作業できるようになったと言う。「手作業では1か月かかっていたものが、3日間で完了できるようになりました」。

8速〜10速という多段ATを実現するためには、技術的な問題や精度をクリアするだけでなく、高い品質を確保するための、こうしたからくりが欠かせないのであった。

  • 高根英幸
  • レバーを持ち上げると、奥のレールから加工前のギアがセットされる。
  • レバーを倒すとギアが挟み込まれ、ハンドルを回すことでギア内側のバリを刃物が除去する。
  • ハンドルを持ち上げると、加工済みのギアを手前に排出し、さらにハンドルを持ち上げて、加工前のギアをセット。ハンドルを回すと手前のベルトコンベアで加工済みのギアが左のレールに送られる。
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