【新聞ウォッチ】豊田名誉会長の「修さんと会ったよ」で動き出したトヨタ・スズキ提携

モータースポーツ レスポンス

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2016年10月13日付

●トヨタ・スズキ提携へ、検討発表、自動運転や環境対策(読売・1面)

●自動ブレーキ車保険料安く、平均1割損保各社、2018年から(朝日・1面)

●首都断線、11区停電、58万軒新座の東電施設火災(東京・1面)

●中国新車販売26%増、9月減税終了前で駆け込み(日経・11面)

●東芝、自動運転に参入、システムを一括提供(日経・13面)

●日産・富士重など日本車メーカー、米で販売奨励金積み増す(日経・17面)

●トヨタプリウス21万台リコール、駐車ブレーキ不具合(日経・38面)

ひとくちコメント

2016年もあと2カ月半。少し気が早いようだが、自動車業界の「今年の10大ニュース」では、「燃費データの不正問題」や「三菱自動車の日産傘下入り」などのビッグニュースとともに上位に食い込むことは間違いないだろう。

トヨタ自動車とスズキが、業務提携に向けた検討に入ると発表した。きょうの各紙も「トヨタ、スズキ提携へ」との大見出しで、毎日、日経が1面トップ。恐らく、夕方になってから「東京大規模停電」というまさかの衝撃的なニュースが飛び込んでこなければ、読売や朝日なども1面のトップ記事として報じたとみられる。

各紙とも1面以外にも総合面や経済面に書き分けて「トヨタ、スズキ提携」についての解説記事を詳しく取り上げている。例えば、読売は経済面の見開きで「スズキ存続かけ打診、トヨタ世界標準狙う」として、「単独での生き残りが難しいスズキが最大手のトヨタを頼った側面が強い。トヨタにとっても、自社の技術を他社にも利用してもらうことで、『世界標準化』を進める狙いがある」と伝えている。

記者会見にはスズキの鈴木修会長とトヨタの豊田章男社長が出席したこともあり、毎日は「生き残り創業家連合」との見出し。東京も「過去のスズキ危機、トヨタが2度救う」として「トヨタグループの始祖、豊田佐吉は静岡県湖西出身。市内には織機の改良や発明に打ち込んだ生家が保存されている。スズキも、鈴木道雄が浜松市で創業した織機製作会社が起源」。「創業家同士の信頼関係は深く、トヨタは過去にも2回にわたって、経営危機に陥ったスズキを救ってきた」と解説している。

さらに、日経の紙面に目を向けると「スズキ、待望の後ろ盾」として「距離をぐっと縮めたのは、単独では生き残れないとのスズキの危機感だった。環境の強化などに向け、待望の後ろ盾を得る」と取り上げた。

記者会見でも、鈴木修会長は「9月初めに豊田章一郎名誉会長にまず相談させていただいた」と打ち明けると、豊田社長も「修さんに会ったよ」と父親でもある章一郎氏から伝えられたと話した。

また、豊田社長は「鈴木会長とは先週お会いしたばかりで、お見合いをした段階であり、これから考える」と述べ、具体的な提携内容は何も決っていないという。それでも、このタイミングで共同会見を行ったことは、スズキにとっては大きな意義がある。共同会見の会場がホテルなどの宴会場ではなく、トヨタ東京本社の大会議室だからだ。ちなみに、マツダとの包括提携やダイハツの完全子会社化の共同会見は都内のホテルの宴会場だった。

つまり、相手がスズキだけに会場費を節約したという見方もあるが、それよりも、豊田社長も「大先輩」と仰ぐほどの鈴木会長が、わざわざトヨタの東京本社に出向き、トヨタの経営トップと固く握手を交わすというパフォーマンスこそが大きな意義がある。そのシーンが、世界中のメディアに流れることで、独VWとの提携解消後、将来への危機感を抱きながらく現場で汗を流すスズキマンにとっては、その不安を払拭するための絶大の効果だったようにも思えるからだ。

  • 福田俊之
  • トヨタ自動車の豊田章男社長(向かって左)とスズキの鈴木修会長 《撮影 池原照雄》
  • トヨタ プリウス
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