2018年9月11日 更新

空冷バイクから離れられない方へ!おすすめ中古バイク4選【中型編】

排ガス規制の影響もあり、年々その数を減らしている空冷エンジンのバイクですが根強い支持があるのも確かです。当記事では、空冷エンジンとその400ccクラスのバイクの魅力、おすすめ中古車情報をお届けします。

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空冷エンジンと水冷エンジンの違いは?メリット・デメリットは?

排気量の大小を問わずバイクに興味がある方は、「空冷エンジン」、「水冷エンジン」、場合によっては「油冷エンジン」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
この「空冷エンジン」や「水冷エンジン」は、その名の通り「空気で冷却するエンジン」「水(液)で冷却するエンジン」というように、エンジンの冷却方法を示しています。
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「空冷エンジン」は、エンジン本体(主にシリンダー周辺)に「放熱フィン」を付け、そこに走行風を当てることで冷却する「自然空冷」と、走行風ではなく「冷却ファン」を常時動作させて冷却する「強制空冷」があります。
そんな「空冷エンジン」の対義語的なポジションに「水冷エンジン」が存在し、こちらはエンジン内部を循環する冷却水を「ラジエーター」等で冷却する冷却方法が一般的で、「空冷エンジン」よりも圧倒的に効率良くエンジンを冷却することが可能です。そもそも熱容量で見ると「空気」と「水」では決定的な差があり、勝負になりません。

エンジンオイルの温度も冷却性能で大幅に変わります。一般的に「水冷エンジン=よく冷える」、「空冷エンジン=あまり冷えない」と言われますし、その通りなのですが、それは「エンジンの温度」だけではなく「エンジンオイルの劣化速度」や「必要なエンジンオイルの硬さ(粘度)」、更には「オイル粘度によるエンジンレスポンスの差」にまで影響を及ぼします。
「水冷エンジン」と比較して、安定した冷却性能を得ることが難しい「空冷エンジン」はエンジン内部各パーツのクリアランスにも余裕を持たせる必要があり、出力やレスポンスを追求することが非常に難しいため、結果的に「ラフ」な「パンチのない」エンジン出力特性になります。

また、「空冷エンジンは水冷エンジンと比較すると静音性でも不利」と言わざるを得ません。水冷エンジンでは冷却水はラジエーターに集まりますのでラジエーターをピンポイントで冷却すれば良いだけです。冷やす場所が決まっているため「最低限の風で最大限の冷却効率」を求めることができます。
しかし、空冷エンジンは放熱フィン全体に風を当てる必要があるため、どうしても冷却効率が悪く、その分多くの風を当てる必要があります。つまり、「風音」が多く発生するということになります。
更に、水冷エンジンではエンジン自体をカウル等で囲い、エンジン音を”隔離”することができますが、空冷エンジンでは、そうはいきません。「エンジン音がダイレクトに聞こえてしまう」のも空冷エンジンの特徴と言えます。
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「自然空冷エンジン」を搭載する場合、走行風だけが頼りですので、できるだけ多くの走行風を放熱フィンに当てなければならず、走行速度が遅い物のエンジンに自然空冷エンジンを採用することはほぼあり得ません。自然空冷エンジンの場合、アイドリングや低速走行が続くと、オーバーヒートが待ち受けています。猛暑日のアイドリングや渋滞は大敵です。
なおバイクでは、カウルの無い「ネイキッドバイク」に「自然空冷エンジン」を採用したモデルが多く見られます。

「強制空冷エンジン」の場合、風は冷却ファンにより発生させますので、「如何に効率良く放熱フィンに当てるか」がポイントになります。シュラウドの形状や風量次第で大きく冷却性能に差が出るのが「強制空冷エンジン」です。
バイクでは原付スクーターなど、エンジン全体を覆いやすい構造のバイクに多く見られるエンジンです。

ここまでの内容を見ると、全くメリットが無いように思える空冷エンジンですが、「空冷エンジンのフィーリングが好き」というような”感情論以外”のメリットもあります。
まず、「構造がシンプル」だということです。シンプルな構造で冷却が可能ですので、部品点数が少なくて済み、自然空冷エンジンの場合は冷却用部品がほとんどありません。部品点数が少ないということは「故障する可能性がある箇所が少ない」ということであり、メンテナンス性や維持性に優れていると言えます。
そして、水冷エンジンのバイクの場合、転倒してラジエーターやホース等の水周りを損傷すると、その後の走行は困難です。しかし、空冷エンジン、特に自然空冷エンジンの場合、「エンジンそのものが巨大な冷却部品」で可動部も無いため、「余程派手に転倒しない限り走行することができる可能性が高い」のです。これも大きなメリットと言えるでしょう。

もう一つは部品点数が少ないため「軽量である」ということです。

バイクのようにコーナリングでバンクさせる必要がある乗り物では「軽さは正義」です。
基本的にバイクの部品は「マスの集中化」と言われるように、エンジン周辺にある「バイクの重心」に密集させることで姿勢制御のしやすさやコーナリング性能が向上します。
ラジエーターや冷却用部品は、1つ1つは大きな部品ではありませんが、まとめるとそれなりの重量物になります。余計な重量を無くした結果、「マスの集中化」がもたらされるということになります。
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また、これは感情論というより好みの問題ですが、上で少し触れた「エンジン音」が良く聞こえるのも、人によってはメリットです。水冷エンジンの場合、バイクが発する音のほとんどは排気音とチェーン等の駆動音です。それが、エンジン剥き出しの自然空冷エンジンの場合、エンジン自体が発するエンジン音が大きく、排気音やその他の音と共鳴し、独特の音になります。この音に”はまって”しまった人は空冷エンジンでなければ面白くないでしょう。

更に、放熱フィンの形状が「如何にもエンジン」という形状でカッコいいというのも挙げることができます。空気に接する面積を稼ぐため、複雑に幾つも設置された放熱フィンが密集するエンジンは、バイク好きなら誰でも目を奪われる形状をしています。
エンジンの出力特性も「水冷エンジンと比較するとレスポンス、パワー共に劣る」と言えますが、言い換えれば「どこか有機的」で「愛嬌のある」エンジン特性です。あ、これは完全に感情論でしたね…。

大出力や高レスポンスには向かない分シンプルで、シンプル故に故障が少なく、メカメカしい個性的魅力がある空冷エンジンですが、ここからは「普通自動二輪車免許(中免)」で乗れる400ccクラスの中型バイクで「空冷エンジンを搭載しているバイク」をいくつかご紹介したいと思います。
なお、現在、空冷エンジンを搭載した新車バイクは大型バイクに僅かに1~2車種を残すのみで、中型バイクでは空冷エンジン搭載車は無くなってしまいました。「中型バイクの空冷エンジン車は新車で買いたくても買えない」のが現状です。
そのため、ここからご紹介するのは中古で購入することを前提としたオススメ車種です。

空冷バイク おすすめ車種1・ヤマハ SR400

ヤマハSR400は、ヤマハを代表する空冷単気筒(単発)バイクで、誰が見ても「これぞバイク!」というスタンダードで美しいスタイルのバイクです。
SR400の歴史は、今年で既に発売40周年を迎えるほど古く、しかも最初期モデルからほとんどスタイリングや基本設計が変化していないのが特徴です。
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排ガス規制強化により一度は現役を退いたSR400ですが、排ガス規制に対応できるように「インジェクション」を採用するなど改良が施されラインナップへ返り咲いたという「ヤマハ屈指の人気車種」らしい経緯もあります。

開発当初からほとんど基本設計が変わっていないため、「エンジンスタートはキックスタートのみ」で、「キックスタートのネイキッドと言えばSR」と言われるほどです。今となってはワンタッチで簡単にエンジンスタートができる「セル」の方が歓迎されますが、それでもクラシカルなキックスタートに「バイク感」を感じるファンも多く居ます。400ccクラスでキックスタートのみという割り切った仕様を継続しているのは紛れもないSR400の魅力です。

エンジンは「単気筒」エンジンのため、単気筒特有のエンジン音が楽しく、圧縮率の関係からか「トコトコ」という愛嬌のあるエンジン音がします。

SR400を中古で購入する際にオススメしたいモデルは、「フロントディスクブレーキ」のSR400です。SR400は、何故か途中で一度「フロントドラムブレーキ」を採用していますが、制動力に優れた「ディスクブレーキ」のモデルを選択することをオススメします。
また、SR400には「キャブレター」モデルと「インジェクション」モデルが存在しますが、「懐かしいバイクを楽しみたいならキャブ車」、「懐かしいスタイルのみを楽しみたくて、始動性に優れるバイクが良ければインジェクション車」を選ぶのが良いと思います。

中古でSR400を購入する際は、特にキャブ車の場合、出来る限り「オリジナルコンディションを保っている車体」を選ぶようにしてください。キャブのセッティングは本当にドツボにはまることがありますので、弄り回されたキャブだと不調の原因を探すのも大変です。

ヤマハ SR400
中古車平均価格 37万円(1,073台)
中古車価格 9万円~216万円

空冷バイク おすすめ車種2・カワサキ ゼファー400

カワサキ ゼファー400(Kawasaki ZEPHYR 400)は、カワサキを代表する空冷4気筒400ccエンジンを搭載するバイクです。ゼファーとは「ギリシャ神話の西風神の名前」で、そのまま英語で「西風」を意味する単語です。
ゼファー400も「ヤマハSR400」同様、スタンダードなネイキッドバイクスタイルが魅力で、どこか懐かしい普遍的な見た目のバイクです。
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ゼファーがリリースされた当時、バイク市場は「レーサーレプリカ」全盛期で、速さが全てで、どのメーカーも主力車は「レーサーレプリカ」でした。
そんな中、古い設計のまま、出力も自主規制値に足りない(カワサキもそこにこだわらなかった)「いい意味でゆるい」ネイキッドとして登場したのが、ゼファー400でした。
決して速いバイクではなく、燃費に優れているわけでもありませんが、見た目通りの「奇をてらわない」、「基本に忠実なスタンダードネイキッドバイク」で、その扱いやすさから750ccのゼファーは教習所の教習車として触れたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

ゼファーのラインナップは当初、ZEPHYR 400のみの予定でしたが、余りの反響の大きさと要望に応える形でZEPHYR Χ(カイ)、ZEPHYR 550、ZEPHYR 750/750RS、ZEPHYR 1100/1100RSの5ラインナップとなり、その全てがそれぞれ人気を博しました。しかし、やはり最も売れた、経営不振だったカワサキのバイク部門を救ったのは400ccのZEPHYRでした。

タマ数が多く、様々な程度の車体が流通しているゼファー400を中古で探す場合、特に注意点はありませんが、もし選べるのであれば、「93年式以降のゼファー400」を選ぶようにすると後々のトラブルは少ないかも知れません。通称C5型という93年式以降のゼファー400には様々な改良が施され、旧車らしいトラブルは緩和されています。

そして、「フロント、リアのショックアブソーバーがしっかりと動作する」もの、「排気に煙が少ない」もの、「アイドリングの安定している」ものを選ぶようにしたいです。
空冷エンジンですのでチェックポイントも少なく、エンジンを掛ければある程度状態が分かりますが、足廻りや給排気系のような簡単にチェックできる箇所のチェックは欠かさずに行うようにしてください。



カワサキ ゼファー400(Kawasaki ZEPHYR 400)
中古車平均価格 44万円(161台)
中古車価格 22万円~158.8万円

空冷バイク おすすめ車種3・ホンダ CB400SS

ホンダCB400SSは、ホンダの人気車「CBシリーズ」のネイキッド400ccモデルです。
本記事でご紹介している「ヤマハSR400」や「カワサキ ゼファー400」と比較すると”かなり”新しいバイクで、発売開始は2001年です。空冷4スト単気筒400ccエンジンを搭載し、「空冷単気筒エンジンを楽しんでもらいたい」というコンセプトの元、市街地走行やツーリングを前提としてホンダの伝統的なバイクのデザインを踏襲し開発・生産されました。
CB400SSのSSは「Standard Single」の略で、シンプルな美しさと単気筒の「シングル」を掛けて付けられました。
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大き目に見える車体は予想以上に軽く扱いやすく、スタイリングはまさに「ホンダスタンダードスタイル」。エンジンパワーやトルクは必要十分で、パワフルというわけではありませんが、空冷エンジンを搭載するネイキッドバイクらしい乗り味が魅力です。

そして、あまり大声では言えないもう一つの魅力が、「中古車価格の安さ」です。実はホンダCB400SSは人気車種ではなく、その結果、他のバイクと比較すると「新しく程度が良いのに安い」中古車価格になっています。
決して目立つタイプのバイクではありませんが、「空冷ネイキッドで2000年以降の年式ながら安い」というのは、「中古車としては非常に優れた点」と言えます。

CB400SSを中古で探す場合は、他の2台と比較して新しいバイクですので、故障やトラブルは少な目です。が、中古となると前オーナーがどのような扱いをしたのか分かりにくいことが多いので、「基本的な中古バイク購入時に必要なチェック」は行うようにしたいところです。
それと、CB400SSは「バッテリー関係のトラブル」がチラホラ見受けられます。バッテリーが劣化して動作不良になると、燃料制御等ができなくなり走行不能に陥る可能性が高いので、念の為に確認または交換をすると良いでしょう。
更に、「CB400SSのキーシリンダーはハンドルロックと連動」していますので、ハンドルロック状態のまま駐車時に転倒する等でキーシリンダーが破損している車体もあります。
「スムーズにハンドルロックが解除されるか」の確認もオススメします。

ホンダ CB400SS
中古車平均価格 28万円(146台)
中古車価格 11.8万円~48.5万円

最後に。

絶対的な速さや最新装備が無くても、伝統的なネイキッドデザインの空冷エンジン搭載バイクは独特の魅力があります。
有機的、動物的なエンジン特性やエンジン音は水冷エンジンでは味わうことができません。

時代の流れと共に、空冷エンジンを搭載するバイクは既に少数派となっており、中古車という選択肢しかありませんが、「ちょうど良く気取らずに等身大で乗れる貴重なバイク」だと思いますので、未体験という方はぜひ一度体験していただきたいと思います。

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