ブーンは軽自動車メーカーのダイハツが開発する、1リッタークラスのコンパクトカーです。軽自動車が主力のダイハツにおいて長年普通車としてモデルラインナップされてきたブーンは、異色の存在だと言えるかもしれません。そんなブーンが新型にモデルチェンジし、よりいっそう関心を集めています。そこで、旧型ブーンと比べて、モデルチェンジ後の新型ブーンはどう変わったのかチェックしてみましょう。
軽自動車で培った技術を普通小型車へフィードバック
軽自動車を作る際は、限られたスペースの中で、より広く空間を確保するにはどうすればいいか、より使い勝手のいい空間効率を追求するためにはどうすればいいかということを徹底追求した、独特な車作りの技術が必要とされます。それに対して、コンパクトカーという規格は、普通車の中では小さな部類に入りますが、車幅などに制限のある軽自動車よりも大きな空間が確保されています。ブーンは限られた室内空間など、軽自動車というパッケージング上生じてしまうネガティブな要素を解消するためにダイハツがで長年培ってきたノウハウを普通車にもフィードバックして開発されたため、コンパクトカーと軽自動車のいいとこ取りをしたモデルだといえます。
![ブーン X Gパッケージ SAII(ダイハツ)2016年4月モデルのカタログ[10103292] | goo自動車&バイク (31576)](/clipkit_uploads/item_images/images/000/031/576/medium/7a66486b-644f-4de0-9b47-f4c4e7411033.jpg?1468337550)
via autos.goo.ne.jp
ガソリンエンジン車としてトップクラスの低燃費
燃費という分野に限って言うと、ガソリン車の中で従来のコンパクトカーは軽さに勝る軽自動車や、ハイブリッドシステムを積んだ車両と比べて見劣りしがちでした。そのため、燃料代や給油の手間暇、スタンドの場所などを考えながら長距離移動をする必要があるため、旅行や車での移動そのものを楽しむことができなくなる恐れもあります。対して、ガソリン車の中でトップクラスの燃費を誇るモデルチェンジ後の新型ブーンは、それらの心配事をあまり抱えることなく長距離移動ができるのではないでしょうか。そのため新型ブーンは街乗りから長距離まで、幅広い移動手段として活躍してくれるに違いありません。
進化した乗り心地
新型ブーンでは同社のムーヴなどで培ってきた技術を進化させることで走行性能の引き上げに成功しました。まずは乗り心地の向上。ボディ剛性を上げつつサスペンションには改良が加えられ、コーナリング時の左右への揺れやふらつき、路面での上下動が抑制されました。さらにボディになるべく音がこもらないよう開孔面積を縮小したり、吸音材や遮音材を効率的に配置することでエンジンノイズやロードノイズが大幅に低減。走り出しから一般道の走行において高い静粛性が実現されています。
コンパクトなサイズとゆとりある車内空間
そもそも、コンパクトカーは、普通車の中でもサイズが小さいことが売りになっています。そのため、駐車スペースの確保や最小回転半径などの取り回しはよくても、室内の頭上や後部座席の膝前スペースのゆとりなどはあまり確保されていないことが多く、使い勝手にすぐれていると言えるものは多くありません。それに対してブーンという車は、軽自動車よりも大きなサイズが約束されたコンパクトカーという寸法に、軽自動車作りで培ったスペース効率確保の技術を盛り込んでいます。4.6mという最小回転半径によって軽自動車並みの取り回しのよさを持ちながら、コンパクトカーの中でもゆとりのあるスペースの確保と使い勝手の良さを実現しています。このことからもブーンがコンパクトカーと軽自動車の良いとこ取りの車であることがお分かりいただけるでしょう。
まるで別モデル!? イメージの違う2フェイス
![ブーン シルク Gパッケージ SAII(ダイハツ)2016年4月モデルのカタログ[10103297] | goo自動車&バイク (31564)](/clipkit_uploads/item_images/images/000/031/564/medium/3d7be7b2-24e9-469a-b9e5-4ce6b4202f3a.jpg?1468348522)
via autos.goo.ne.jp
新型ブーンはより幅広い顧客層をターゲットにするために、「ブーン」「ブーンシルク」という「2フェイス戦略」を導入しています。ブーンは旧モデルのブーン同様、マイルドで万人受けしそうなデザインテイストなため、旧型ブーンの愛用者から新しい顧客まで幅広く受け入れられるエントリーモデルとしての立ち位置を確保しています。それに対してブーンシルクは、伸びやかなボディラインと丸目を強調したヘッドライトのクラシカルなデザイン、シルバー基調のパーツを追加することで上質感をうまく演出しています。そのため、ちょっと高級感や上質感を求めるこだわり派のユーザーにウケがよさそうなモデルといえます。このように今回のモデルチェンジでブーンは、技術的な改良だけでなく、商品ラインナップもより魅力的になって選択をする楽しみがある車であると言えるでしょう。
いかがでしたか。旧型ブーンは、コンパクトカーとしての魅力をユーザーに訴えかけることで、新たな市場を切り開いた車であると言えます。それに対して、今回のモデルチェンジで誕生した新型ブーンは、新たな魅力をもったコンパクトカーを提案することで、市場をより拡大させることを期待させるモデルであると感じさせてくれます。キャストで大成功したクラシカルとアウトドアを融合したような独特なデザインを、ブーンシルクでもしっかり取り入れています。こういった点を見ても、ダイハツの並々ならぬ意気込みが感じられるモデルであると言えますね。