2016年10月22日 更新

いまさら聞けない…V型・水平対向・直列エンジンはどう違う?

車のエンジンレイアウトのV型と水平対向型、直列型の構造の違いと、特徴、そしてどんな車種に採用されているのかを解説します。

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エンジンのシリンダーレイアウトは3種類

自動車を購入しようとするとき、カタログを見るとエンジンの形式にはV型6気筒とか直列4気筒とかの記載があります。6気筒とか4気筒というはシリンダーの数で、どうやら高級車になるほど多くなるようです。しかし直列とかV型というのは何を示しているのでしょう。
実はこれはエンジンのシリンダーレイアウトを表しています。現在の自動車ではこのシリンダーレイアウトにはV型、水平対向、直列型3種類があります。そしてそれぞれに良い点、悪い点があって、車種によってあるいは設計思想に基づいて使い分けられています。
gettyimages (54563)

直列型エンジン

直列型は、シリンダーをまっすぐに並べた形のエンジンです。構造的にはV型や水平対向よりも簡単なので最も多く用いられ、いわゆる大衆車と言われる自動車はほとんどこの形式のエンジンになっています。軽自動車などの小排気量の3気筒から、一般的な4気筒そしてより高級な6気筒のエンジンがあります。
直列エンジンはシリンダーブロックが1つでよいため、軽量コンパクトにできる特徴があり、特に直列4気筒エンジンはエンジンを横置きにして前輪駆動車に搭載する構造で多くの車種に採用されています。直列6気筒エンジンは、高回転域までスムーズに吹き上がるということから、縦置きにしてミドルクラスの後輪駆動車に搭載されて人気がありましたが、ミドルクラスも前輪駆動への移行が進む中で搭載車種が徐々に減ってきました。

BMW 740iのL6エンジン

File:BMW 740i L6 engine.jpg - Wikimedia Commons (54568)

V型エンジン

V型エンジンは、シリンダーを左右に傾けて配置したエンジンです。4気筒以上のエンジンで使われ、最近では採用される車種が増えています。直列レイアウトに比べて全長が短くできるため、6気筒エンジンであっても横置きして前輪駆動車に搭載できることから、現在ではミドルクラス前輪駆動車の標準的なエンジンになりつつあります。
後輪駆動で縦置きにしても全長が短いため、衝突安全対策のためのスペースを確保しやすいということで、後輪駆動車でも普及がすすんでいます。一方でシリンダーブロックが2つ必要で排気系も2系統になるなど機構が複雑になるため、直列型に比べると、コスト、重量、メンテナンス性では不利になります。
8気筒以上の多気筒エンジンでは直列型ではエンジンの全長が長くなりすぎるため、後輪駆動であってもV型エンジンとするのが一般的です。またミッドシップレイアウトでもエンジンの全長を抑えることと高さを抑えるためにV型エンジンが採用されます。

トヨタ 4GR-FSE V6エンジン

File:2004 Toyota 4GR-FSE Type engine front.jpg - Wikimedia Commons (54571)

水平対向型エンジン

V型エンジンのシリンダーを水平になるまで倒したのが水平対向エンジンです。シリンダーが向き合っているためピストンの振動が打ち消し合うことによって振動の少ないエンジンになります。またエンジンの高さが低いので重心を低くできること、さらに縦置きにすると左右均等な重量バランスを得られるというメリットがあります。
その一方で、シリンダーが左右に振り分けられるので幅が広くなり、またシリンダーが左右に振り分けられるためメンテナンスが難しいというデメリットがあります。このエンジンを現在でも量産しているのはドイツのポルシェと日本のスバルの2社くらいです。

スバル インプレッサの水平対向型エンジン

File:5th gen Subaru Impreza FB20 engine in Automobile Council 2016.jpg - Wikimedia Commons (54573)

搭載車種から見るエンジンの使い分け

自動車に搭載するエンジンの種類は、駆動機構の変遷に影響されています。初期の自動車は、エンジンありきで駆動機構がつくられていたので、直列エンジンを縦置きして後輪駆動というのが一般的でした。しかし、駆動機構とエンジンが一体化できる前輪駆動が量産化されると、コンパクトで量産性もよい前輪駆動にマッチしたエンジン形式が選択されるようになりました。
高回転域までスムーズな特性や振動の少なさから、後輪駆動が全盛であった頃にはミドルクラスでもてはやされた直列6気筒エンジンは、現在ではBMW以外ではほとんど見られなくなりました。現在大衆車からミドルクラスまで多くの車種では前輪駆動の駆動系を採用していて、それに伴って搭載されるエンジンも、直列3気筒、直列4気筒そしてV型6気筒が主流になっています。
直列3気筒エンジンは、軽自動車からMINIやSmart、ヴィッツやノートなどの1500ccクラスのコンパクトカーに搭載され、直列4気筒エンジンは同じく軽自動車クラスからメルセデスAクラス、ボルボ、GOLFなどの2000ccクラスまでの幅広い車種に搭載されています。
V型6気筒は、1500ccクラスから3000ccクラスまでのミドルクラスに搭載されることが多いようです。前輪駆動車のエンジンとしては大衆車クラスでは直列4気筒、ミドルクラスではV型6気筒という使い分けが一般化しつつあるようです。
さらに大型のエンジンでは後輪駆動でV型8気筒以上の多気筒エンジンを搭載しています。最大級のV12気筒エンジンを搭載した市販車は、いわゆるスーパーカーや、メルセデスのSクラス、ロールスロイスなどといった最高級車になります。
水平対向エンジンはスバルが、水平対向4気筒エンジンを、軽自動車を除くほぼ全乗用車に搭載しており、ポルシェが「911」をはじめとするほぼ全体の車種に水平対向6気筒エンジンを搭載していますが、最新の「718ボクスター」では水平対向4気筒の2500ccのエンジンを搭載しています。
File:BMW i8 in Berlin trimmed.jpg - Wikimedia Commons (54591)

エンジンのシリンダーレイアウトも技術の進歩によって変化しています。前輪駆動全盛の現在では直列4気筒とV型6気筒が全盛です。しかしダウンサイジングターボが隆盛を迎えPHEVの開発競争が激化する中で、シリンダーレイアウトにも変化の時が来るのかもしれません。

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