2016年4月21日 更新

未来は全て自動運転?その仕組みってどうなってるの?

グーグルが自動運転車の実用化に向け実証テストを始める中、アップル社も開発を進めていると言われています。ソフトウェアメーカーが相次いで自動運転車に参入する中、自動車メーカーも開発を始め、2020年の実用化に向け動き出しています。自動運転車の仕組みから見ていきましょう。

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自動運転車とは何?

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2013年の閣議決定に基づく「世界最先端IT国家創造宣言」により、2020年までに交通安全社会を実現するために、自動走行システムを開始するとされました。そのための事業として、次のような項目が挙げられています。
・地図情報を高度化しカーナビなどに表示させる。
・ITSによる情報を先取りし車にそれらの情報を表示させる。
ITSとは国土交通省が設置を進めているITSスポットサービス(2016年現在の呼び名はETC2.0)のことです。
・車に付属する障害物検知などのセンサーの能力を向上させる。
・運転者と自動車運行システム間のインターフェイス機能を強化する。
・自動走行はセキュリティを高めたシステムとして運用する。

この政府が進めるシステムを利用して、車メーカーが取り組んでいるのが、運転者が介在せず自動車自身が運行できる自動運転車の開発です。

自動運転車が公道を走るために必要な技術が次の3つの技術で、各メーカーが独自の技術の開発と実証走行を行っています。
・車の周囲を検出する技術
・車をどう動かすかの判断技術
・動かすと決めた方向に車を動かす制御技術

車の周囲を検出する技術

Intelligent transportation system - Wikipedia, the free encyclopedia (22647)

自動運転車を走行させるには、まず車の周囲の交通状況、道路事情などの環境と、前を走る車や後続車、さらに歩行者との距離などを知る必要があります。

周囲の交通状況、道路事情を知るシステムがローカライゼーションというシステムです。このシステムには自動車の位置を認識するGPS情報、交通情報を送信するITSシステムにより、必要な情報が集められてきます。

次に車や歩行者との距離を計測するセンサーが車の周囲を見渡すことができるカメラで、車や人や建物などの障害物の形状や動きの方向と速度を検知でき、それを避ける運転を行います。

障害物との距離を精密に診断できるセンサーが、赤外線レーザーやミリ波レーダーセンサーです。ミリ波レーダーセンサーは現在の車の緊急ブレーキングシステム用に搭載されているセンサーで、車間距離と2つの車の相対速度を検知し、衝突予測を行い緊急ブレーキを効かせます。

さらにはITSの専用通信を使った技術により車の間で情報が通信でき、これは車の情報をとらえるセンサーというべきものです。

車をどう動かすかの判断技術

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広域カメラやセンサーで周囲の状況を捉えた後、車をどうしたら安全に動かすかという行動を判断するのが人工知能(AI)です。人口知能は車に搭載されたコンピュータのプログラムの一つです。人工知能の能力は最近ではチェスや将棋のプロでさえ打ち負かすほどの性能を誇っています。人工知能はあらゆるケースを想定した上で、最も確率の高い安全な行動を判断し、事故を避けるために一番良いルートを選択します。

人工知能は学習する能力を持っていますので、いろいろな交通事情を経験することでその時々の対応を学習します。例えば車が対抗車線を走ってきたとき、最も安全な走行は何かを判断しその走り方を実行します。交通事故の判断は素早く判断し行動に移さないと大事故に発展しますが、人工知能の計算は数ミリ秒間隔の計算速度です。そのため、ちょっとした状況変化にも対応が可能です。

動かすと決めた方向に車を動かす制御技術

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人工知能で今の状況でどのように動かしたときには一番安全であると判断した後、車の動きが託されるのがメカトロニクス制御機構です。

たとえば、車を白線に沿って動かしていたときに、道路の凸凹で白線から少しずれたとします。制御機構はもとに戻そうとしますが、ずれの修正を大きく戻すと車は蛇行してしまい、事故の原因になります。そのため、白線から大きくずれず、また即座に戻す制御がプログラミングされているのがこの制御機構です。

このような制御機構には、走る、曲がる、急停車、駐車など普段は人が操作している運転動作が自動化され、それを動かす機械も対応できるように組み込まれます。

車メーカーの自動運転に対する取組み

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これまで説明してきた自動運転車の仕組みを実用化のため、設計・開発・実験が各メーカーで進められています。自動車メーカーは従来から車の安全システムなど独自に開発し、車に実装してきました。それらの技術をもとに、GPSやITSのような共通の技術を組み合わせ、メーカーごとの自動運転車を作り始めているのが現状です。国内メーカーのトヨタ、ホンダ、日産はどう取り組んでいるでしょうか。

■トヨタ
人とクルマは気持ちが通ったパートナーとしての関係を築く、というトヨタ独自の自動運転を「Mobility Teammate Concept」と称しています。この考え方に基づいて自動車専用道路を走行する車が「Highway Teammate」です。Highway Teammateは2020年までに実用化することを目指しています。

■ホンダ
「ぶつからない車で事故ゼロ」をスローガンとし、予防安全・衝突回避・衝突安全の安全運転支援システムの実現を目指しています。これらの技術を総称し「AcuraWatch」と名付け、2020年までに安全運転システム実現のロードマップを作成しています。

■日産
「NISSAN AUTONOMOUS DRIVE」と自動運転技術を命名し、2020年までに自動運転技術を搭載した車を実用化する計画です。日産の考えは、車の事故の9割以上が人為ミスであるため、これを自動運転技術でカバーし、交通事故ゼロを目標としています。
自動運転車は夢物語ではなく、現実のものになってきています。技術的な問題は開発が進むにつれ解決していく一方、これから考えることがソフト面です。法律をどう変えるか、事故が起きたときの責任は誰かなどの問題はありますが、自動車の安全と交通事故の減少は確実に進んでいると言ってよいでしょう。

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