1.ガソリンにかかる税金の種類
自動車を運転する場合、ガソリンを入れる必要があります。ガソリンの価格は、高くなったり、低くなったりしますが、この価格はどのようにして決まっているのでしょうか?実は、ガソリン価格の大部分は税金です。計算してみると、ガソリン価格の5~6割以上が税金となっています。しかも、ガソリンにかかる税金は種類もたくさんありますし、内容も複雑です。ガソリンにかかる主な税金は、揮発油税及び地方道路税・軽油取引税・石油税です。揮発油税及び地方道路税は、通称「ガソリン税」と呼ばれています。これらの石油関係の税金の合計金額は、関税なども合わせると、年間5兆円を超えるとも言われています。
2.ガソリン税とは
ガソリンにかかる税金としては、ガソリン税が重要です。ガソリン税は、レギュラーやハイオクなどのガソリンに課される税金です。その税率は、1リットルあたり53.8円にもなっています。ガソリン価格が100円の場合には、ガソリン税だけで半額以上を占めていることになります。ただし、ガソリン税を支払っているのはガソリンの精製業者や元売り業者なので、一般の消費者が自分でガソリン税を支払う必要はありません。また、ガソリン税は国税なので、支払先は税務署になります。徴収されたガソリン税は、主に道路整備に使われています。そのほかに、省エネ対策や代替エネルギー対策などにも利用されます。
3.軽油引取税とは
ガソリン関係の税金としては、軽油引取税もあります。軽油引取税とは、軽油にかかる税金のことです。一般車両の場合には軽油を入れることはあまりないですが、ディーゼル車の燃料などに使われます。日本でも、ディーゼル車を利用する場合には軽油を入れるので、軽油引取税を一緒に払っていることになります。
軽油引取税の金額は、1リットルあたり32.1円です。軽油引取税は地方税なので、納付先は地方自治体になります。2009年までは特定の目的がある目的税でしたが、それ以降は一般の普通税になっています。また、軽油引取税を納付する人は軽油の精製業者や元売り業者なので、これについてもやはり自動車を運転している人が直接市町村に納付する必要はありません。軽油代金の支払いの際に、軽油引取税が含まれていると考えるとわかりやすいです。
4.石油税とは
ガソリンにかかる税金には、石油税もあります。石油税とは、原油・石炭・輸入した石油製品に対してかかる税金のことで、正式名称は石油石炭税です。ガソリンや原油を輸入する段階で、石油税が課税されています。
石油税の価格は、1リットルあたり2.8円です。これは、段階的に値上がりしてきており、平成15年は1リットルあたり2.4円でしたが、平成24年からは1リットルあたり2.29円になり、平成26年4月1日からは2.54円、平成28年4月1日からは2.8円になっています。ガソリンを購入する場合、ガソリン税と石油税の両方がかかるので、1リットルあたり合計55円以上の税金を支払う計算になります。石油税は国税ですので、納付先は国税庁です。
5.二重課税の問題
ガソリンにかかるガソリン税・軽油引取税・石油税には二重課税の問題があります。ガソリン代は、すでにガソリン税・石油税・軽油引取税の金額が足された金額になっています。ところが、そこにさらに消費税が足されてしまいます。すると、ガソリン関連の税金と消費税の二重課税になるということです。しかし、現状では、国や地方自治体において二重課税を解消する動きは起こっていません。ガソリン関連の税金については、今後の動向にも注目していきたいところです。
ガソリンには、ガソリン税と軽油引取税、石油税がかかります。ガソリン代を支払う場合、5割~6割程度がガソリン関係の税金の支払いになっています。消費税との二重課税の問題などもあるので、今後これらの税金制度がどのように変わっていくのか、注視していくと良いでしょう。