2017年1月28日 更新

スズキとトヨタが連携強化!業務提携の行方は?

2016年10月16日、スズキとトヨタが共同記者会見を行い、業務提携に向けた検討を開始するとの発表がありました。軽自動車の雄スズキと世界のトヨタとの提携ということで注目を集めています。具体的な内容についてはこれからということですが、今後のこの提携の行く末を占ってみましょう。

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スズキとトヨタによる発表の要旨

スズキは軽自動車を中心として、小型で低価格なクルマづくりに取り組んできましたが、環境や情報などといった先端技術に課題があります。一方でトヨタは環境、安全、情報といった技術開発に取り組んでいますが、標準化やアライアンスといった面で欧米に立ち遅れています。そういった両社が抱える課題を解決するために、どのようなことが両社でできるかという検討を開始することとしたのです。この検討は自由で公正な競争が行われるという前提で進められるものであるとともに、この両社以外にもオープンなものにしたいということです。
スズキとトヨタ、業務提携に向けた検討を開始 | トヨタグローバルニュースルーム (58958)

スズキの課題と提携のねらい

国内の軽自動車シェアトップのスズキは、新興国インドの自動車市場では圧倒的な強さを誇っています。早くからインドに進出して低価格ながら高品質の小型車づくりに優れたスズキはインドでは有名ブランドです。一方で先進技術開発では出遅れていて、競争が激化する世界の小型車市場での今後の競争に不安を抱えています。
スズキは昨年VWとの提携を解消していて、今回の提携によってトヨタから先進技術の提供を受けるねらいがあるものと思われます。さらに記者会見では将来の資本提携についても否定はしていないので、独立性は保つものの経営の安定を目指してトヨタ資本の導入などにも発展する可能性もあります。
ファイル:Suzuki Hustler Coupe front-left 2013 Tokyo Motor Show.jpg - Wikipedia (58961)

トヨタの課題と提携のねらい

トヨタは言わずと知れた世界トップの自動車メーカーであり、ハイブリッド車やFCVなど環境技術でも世界のトップを走っています。しかし、欧米企業はトヨタの技術を取り入れることなく、EVに舵を切っており、ドイツでは政府も加わってメーカー間やメガサプライヤの協調をすすめています。先端技術としては環境技術だけでなく、安全技術やコネクテッド技術などがあります。
トヨタにとっては、これらを自社で技術開発するだけでなく、多くの企業と協力して技術を共用化することを標準化して、主導的な立場に立ちたいというねらいがあります。トヨタはこれまでもダイハツを子会社化しスバルとは資本提携まで踏み込み、またBMWやマツダとも提携の輪を広げています。今回の提携によってスズキもその輪に加わることになります。
File:Osaka Motor Show 2015 (42) - Toyota PRIUS A Premium "Touring Edition" E-Four (DAA-ZVW55).JPG - Wikimedia Commons (58966)

提携を進めるうえでの課題

今回の発表は、提携の検討を開始するということですから、提携の具体的な内容はこれから協議を進めることになります。その過程で課題となりそうな点がいくつか予想されます。最大の問題は、トヨタはダイハツを子会社化しているので、スズキにとって国内での最大のライバルが提携の相手方にいることになります。会見ではスズキの独立性を尊重するとしていますが、その上でどのような協調をするのかは難しい問題です。特に国内の軽自動車市場でつばぜり合いを演じているスズキとダイハツが協調するとなると法的な問題が生じる可能性もあります。
またスズキはインド市場では強いブランド力があるため、トヨタはインド市場への進出ではスズキの力を活用したいはずです。そこでどのような協力関係が構築できるのかも大きな問題です。インド市場でトヨタと協調することはスズキにとってはシェアをそがれる可能性が高くなります。
インド - Wikipedia (58972)

日本の自動車メーカーは3つのグループになる

日本では軽自動車税が増税となり、軽自動車のコストアドバンテージが縮小される傾向にあります。軽自動車でトップを行くスズキも今後の市場に向けて危機を感じており、さらにグローバル市場でも新興国メーカーの台頭や欧米メーカーの小型車投入によって競争の激化が予想されます。スズキがグローバル競争の中で生き残るためにはやがてトヨタとの提携をすすめて資本提携まで踏み込むことが必要になるかもしれません。
現在、ダイハツと日野がトヨタの連結対象子会社であり、スバルといすゞが資本提携関係にあり、マツダが包括提携関係となってトヨタグループを形成しています。そして三菱は日産の傘下に入り日産グループを形成しています。スズキがトヨタと提携することによって日本の自動車メーカーは、トヨタグループ、日産グループそして独立のホンダの3つのグループに再編がすすむことになります。
電気自動車 - Wikipedia (58978)

自動車産業は、EV化や情報技術、自動運転技術によって新しい時代を迎えようとしています。これまでと全く違う技術開発が必要であるとともに、グローバル市場での規格化や標準化が必要となります。技術の標準化で主導的な立場に立つためにこれからも弾力的な提携関係が進むことになりそうです。

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