2017年1月20日 更新

トランプ大統領誕生で日本の自動車業界はどうなる?

2016年11月8日、アメリカでは大統領選挙が行われ、ついに共和党のドナルド・トランプ氏が勝利を収めました。「強いアメリカを取り戻す」をキャッチフレーズに内向き志向の高まりが懸念されていますが、日本の自動車業界にはどのような影響を及ぼすのでしょうか?

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日本車はトランプ氏に敵視されている?

父の経営する不動産会社でビジネスを学び、自身も不動産開発に携わり、大成功を収めたドナルド・トランプ氏。”不動産王”の名を意のままに、2016年にアメリカ大統領選に共和党から出馬しました。ヒラリー・クリントン氏優勢と言われるなか、政治経験のないトランプ氏が当選を果たし、未だにその言動は注目を集めています。大統領選出馬会見では、「日本は数百万台の車を送ってくる。東京でシボレーを最後に見たのはいつだ?」と発言しました。
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トランプ氏は”ジャパンバッシング”世代

第二次世界大戦後、日本の経済発展は進み、世界でも経済大国として名を挙げる一方、日米間の貿易摩擦は大きくなりました。70年代後半のオイルショックの影響で、大排気量の車より小型で燃費のいい日本メーカーの車がシェアを伸ばし始めます。80年代前半、アメリカ自動車業界の”ビッグ・スリー”と言われるゼネラルモーターズが大幅な生産規模縮小・リストラを開始。人々の車に対するニーズの移り変わりは、GMのみならず多くの自動車メーカーが打撃を受けました。車業界だけでなく、さまざまな業界に日本企業がシェアを拡大すればするほどアメリカ国民の反日感情は高まり、”ジャパンバッシング”が始まりました。そして、トランプ氏はまさに”ジャパンバッシング”世代にあたるのです。
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自動車業界も日本の快進撃により、アメリカの繁栄も崩壊

2008年の自動車生産販売数は日本のトヨタ自動車が世界一となり、77年間世界一を守り抜いたゼネラルモーターズはついに破れます。リーマンショックが起こると2009年にはクライスラーに次いでゼネラルモーターズも破産を申請。クライスラーはフィアットが買収、ゼネラルモーターズは国有化されました。現在、ゼネラルモーターズの国有化は終了しましたが、依然トヨタ自動車の快進撃はアメリカ国民にとって「市場を奪われた」と感じているかもしれません。自動車産業は現在もアメリカにとって最大の製造業。ゼネラルモーターズはアメリカ繁栄の象徴的存在です。もちろん企業としての資質もありますが、”ジャパンバッシング”世代のネガティブな感情をトランプ氏は政策に盛り込む可能性が考えられています。
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メキシコとの関係性変化による影響とは?

NAFTA(北米自由貿易協定)を活用し、アメリカの自動車部品やメーカーの多くはメキシコに工場を持っています。また、日本の日産やトヨタ、ドイツのフォルクスワーゲンなども生産工場を進出しており、メキシコでの自動車製造業は好調です。しかし、トランプ氏は、メキシコに工場を作ってアメリカに輸出することがアメリカ人の雇用を圧迫していると主張。大統領選前の演説の中でフォードのメキシコ新工場建設予定を批判、メキシコで生産された自動車には関税をかけると表明しました。日本はNAFTA(北米自由貿易協定)ありきの、自動車生産の見直しをする必要性が考えられます。
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日本車への関税引き上げの懸念も

トランプ氏は、メキシコだけでなく日本車への関税引き上げも主張していました。日本がアメリカ牛肉の輸入に対して38.5%の関税をかけているのに対し、アメリカの日本車輸入時にかかる関税は2.5%。ほとんど関税がかかっていないと批判し、日本が牛肉への関税をかけ続けるのなら、日本車への関税も38%に引き上げるとしました。
この対策として、日本の自動車メーカーはアメリカに多くの工場を持っており、現地生産を増やしていくという選択肢が考えられます。アメリカ人の雇用にも積極的であるため、実現可能な対策です。近年の現地実績としては、日本の自動車メーカーは2015年、約385万台を生産。さらに、日本の自動車メーカーは約657万台もの新車をアメリカで販売しており、アメリカにおける新車販売台数の6割を占める人気を誇っています。現地生産数を確実に伸ばしていくことで、関税が引き上げられたとしても大きな痛手となるリスクを避けることが可能でしょう。
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トランプ氏の発言の数々で「パンドラの箱が開いた」と言われました。ギリシア神話の中では、多くの災厄を撒き散らし、最後には希望が手元に残ります。日本とアメリカの関係には希望が訪れるのか。トランプ大統領としての手腕に今後も注目が必要です。

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