2017年2月9日 更新

スバル「AWD」と「4WD」の違いは?

スバルのアイコンであるAWD。これは「All Wheels Drive」の省略で、日本語にすれば総輪駆動です。では、4WDとの違いはなんでしょうか?仕組みと合わせて掘り下げてみます。

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AWDと4WDはどんな意味?

AWDは「All Wheels Drive」、4WDは「Four Wheels Drive」。一般的な車のタイヤの合計は4つですので、全てのタイヤ=4つのタイヤを動かすのであれば、総輪駆動でも4WDでも意味するところは同じに思えます。実は、かつてアメリカには「Four Wheels Drive社」というメーカーがあったため、「AWD」や「4×4(4by4)」というような表記をすることが多かったようです。
また、普通車ではなく、トラックのような3軸、4軸あるような車が、全輪を駆動するのであれば「AWD」という表記が自然になります。3軸の場合、6×6というような表記をすることもありますが、この場合「4WD」ではなくなります。
四輪駆動 - Wikipedia (61156)

スバルの四輪駆動はFF車の4DW化から始まった

かつてスバルは、大口顧客であった東北電力から雪深い山奥などの設備の点検などに4WDのバンをオーダーされました。そのオーダーに答え、宮城スバルは、パートタイム4WDのライトバンとして「スバル 1000 バンの4WD」を納品したのです。
そもそもスバル 1000は、水平対向エンジンを積んだFF車。当時はまだ等速ジョイントなどが開発されておらず、トヨタなど大メーカーが効率の良さは認めながらも、FF化をあきらめる中、いち早くFF車を実現させたことで、国内外のメーカーに多大な影響を与えたモデルでした。モデル末期であったスバル 1000は、そのまま後継車だったレオーネに引き継がれ、レガシィへと発展していきました。

スバル 1000

スバル・1000 - Wikipedia (61157)

水平対向エンジンとFF・4WDの組み合わせでトラクションを重視

スバル 1000から採用されていた、水平対向エンジン。これは、キャビンスペースを最大限とるために採用されていました。もともとフォルクスワーゲンがビートルでRRという駆動方式を採用したのも、当時の貧弱なグリップのタイヤに最大限のトラクションをかけるため。駆動輪の上にエンジンをもってきて、その重みで押さえつけようという試みでした。その思想自体はスバル 360も受け継いでおり、ビートルとはドライブトレーンを前後逆にしたスバル1000では、FFという駆動方式に発展したのです。
また、スバルはFRというレイアウトに懐疑的だったことも、FFを採用したことの理由の1つでした。FRの構造ではエンジンからの動力伝達にはロスが生じ、駆動輪にはボディの重み以外の荷重もかからないためトラクション性能に長けているとはいいがたいためです。こう考えると、RRからFFへ、FFから4WDへというのは、トラクションを得るために最適な方法を考えた結果の自然な流れなのかもしれませんね。
スバルはスバル 1000で採用していた水平対向エンジンを、インプレッサ、レガシィ、フォレスターに採用しています。このスバルのAWDは「シンメトリカルAWD」といわれています。他社の4WDと何が違うのでしょうか。

スバル 360

スバル - Wikipedia (61160)

理想的なエンジンレイアウトで重量も動力配分もバッチリ

通常の直列エンジンを縦に置いたとしても、どちらかに吸気系、排気系が偏ります。特に最近の過給機つきエンジンであれば、メカニズムとしてはなおさら排気系に重量は偏るでしょう。また、V型エンジンでは吸排気はバランスがよくなるのですが、エンジン自体に高さが出てしまうため、フロント側のプロペラシャフトはエンジンを避けるように左右いずれかにオフセットしなければならなくなります。
ただエンジンを横置きにし、トランスミッションを隣に置いたジアコーサ式FFをベースにしたのであれば、見た目からも左右対称とは言えないレイアウトになってしまいます。しかし、もともとが左右対称のレイアウトであるスバル水平対向の場合、エンジンから出た出力は同じく縦に置かれたトランスミッションへと伝えられますので、重量はもちろん動力配分もバランスがよくなるというわけです。
また、エンジン縦置きの4WD車の場合、フロントに荷重が十分にのらない場合もあります。しかし、縦置きながらFFをベースとしているスバル車の場合は、エンジンの後端のあたりにフロントのディファレンシャルがあります。フロントのホイール軸よりも前にエンジンの大部分が乗っていますので、十分な荷重がかかり、トラクションを確保できるというわけです。

スバル アルシオーネSVX用3.3L水平対向6気筒エンジン

水平対向エンジン - Wikipedia (61162)

シンメトリーのドライブシャフトで高い走行安定性を実現

スバルのシンメトリカルAWDは、車体中央のエンジンのクランクシャフトから、まっすぐ前後へ駆動力が振り分けることができる強みがあります。同じく、左右へも同じ長さ(シンメトリー)のドライブシャフトでタイヤに伝えることができます。これにより、高い走行安定性と癖のないハンドリングを手に入れているのです。
最近は、サスペンションのセッティングや等速ジョイントなどの発達により少なくなってはいますが、やはりドライブシャフトの長短で、駆動力が片側に寄ってしまうこともあります。アイスバーンなど低ミュー路などでは、そのような傾向が顕著に表れてしまうため、雪国などで重宝されがちな四駆車においては、ドライブシャフトの長さをそろえることは重要といえるでしょう。その点において、スバルのシンメトリカルAWDは理想的な四輪駆動のモデルです。

スバルの水平対向6気筒エンジン

水平対向エンジン - Wikipedia (61159)

このシンメトリカルAWDが、スバルの強みでアイコンとなっています。エンジンヘッドは二つ、カムシャフトは4つになり、コスト的には余計にかかってしまう水平対向エンジンですが、左右対称に対してのこだわりがスバルの強さだといえるでしょう。

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