「2030年までに工場をカーボンニュートラルに」新生・日立アステモが掲げる生き残り戦略【週刊クルマのミライ】

コラム Clicccar

2030年までに工場でのカーボンニュートラルを達成することや、製品の使用によって発生するCO2の排出量を50%削減することを目標としている

ホンダ系のサプライヤーとして知られていた、ケーヒン、ショーワ、日信工業の3社と、日立グループにおいて自動車事業を集約した日立オートモティブシステムズが2021年1月1日に経営統合。日立Astemoという新会社が生まれました。

Astemo(アステモ)という名前は「Advanced Sustainable Technologies for Mobility」に由来するもので、『先進的かつ持続可能な社会に貢献する技術を通じて、安全・快適で持続可能なモビリティライフを提供する』との企業の意志を示しています。

そんな日立アステモのリーダーであるブリス・コッホ代表取締役プレジデント&CEOが、1月18日に事業戦略についてオンライン説明会を開きました。

あらためて日立アステモの規模をまとめれば、連結会社が123社、世界27カ国に141の拠点を持ち、従業員は約9万人、資本金は515億円(日立製作所66%・本田技研工業34%)というメガ・サプライヤーです。コッホ氏によれば、2021年度の売上目標は1.6兆円、2025年度に約2兆円を目指すといいます。

日立Astemoのブリス・コッホ代表取締役プレジデント&CEO

ご存知のように、日立オートモティブシステムズはパワートレイン・シャシー・先進運転支援の強みを持つ企業でした。たとえば、マツダ車に採用されている車両運動制御技術「G-ベクタリング コントロール プラス」は日立オートモティブシステムズと共同開発したものです。

一方、もともとホンダ系サプライヤーだったケーヒンはエンジン制御系などを得意とし、ショーワはサスペンションとパワーステアリングなどに強みを持っています。そして日信工業はNISSINロゴで知られるようにブレーキのスペシャリストです。

日立オートモティブシステムズも、日立グループに属していたサスペンションなどのノウハウを持つ企業を吸収してきたという経緯がありますが、今回のホンダ系サプライヤーとの経営統合により、二輪・四輪に対応した、より強力なサプライヤーとなることは間違いありません。

コッホ氏が発表した事業戦略は、まさに新生・日立アステモの強みを活かすというもので「世界中の自動車・二輪メーカーにとってベストパートナーとなる」、そして「社会的にも、環境的にも、経済的にも貢献できる」という自信に満ち溢れたものになっていました。

そうした日立アステモの戦略において注目したいのは、同社が2030年までに工場でのカーボンニュートラルを達成することや、製品の使用によって発生するCO2の排出量を50%削減することを目標としていること。

社名の由来にもあるようにサスティナブルな社会へ貢献するためには、世界的なトレンドであるCO2排出量を大幅減することは必須ですが、それでも2030年までに工場でのカーボンニュートラルを達成するというのは非常に高い目標といえます。

とはいえ、日本では2050年までにカーボンニュートラルを目指すことになっていますし、自動車メーカーにしてもLCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から製造時のCO2排出量を減らすことが社会的に求められる時代になっています。車両全体としてのカーボンニュートラル化を実現するにはサプライヤーもカーボンニュートラルを実現していることが必須となります。

むしろ、カーボンニュートラルを実現できていないサプライヤーと取引していることは自動車メーカーにとってあり得ないという時代が着々と近づいているといえます。

そう考えると、日立アステモが掲げる「2030年までのカーボンニュートラルを実現する」という目標は、社会のサスティナブル(持続可能性)に貢献することだけでなく、企業としての生き残りも賭けた戦略といえるのです。

(自動車コラムニスト・山本 晋也)

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