多分世界初!商用ハイエースで全日本ラリーに参戦してみたら、意外と普通に走って安定感もありby国沢光宏

コラム Clicccar

全日本ラリー唐津(ツール・ド・九州2021 in 唐津/2021年4月9日〜11日)でデビューしたハイエース、事前のテスト走行を行う時間を取れないほどギリギリの完成だった。果たしてどんな乗り味なんだろうか? コケる不安ないか? 試乗レポートをお届けしたいと思う。

まずドライビングポジション。競技車両のためギリギリまで着座位置を低くしたものの、お尻の下にエンジン様があるため落とせない。したがって着座高も標準車と同等レベル。

サイドバー付きのロールケージも組んであるため、よじ登る感じ。とうていラリー車とは思えないです(笑)。エンジン始動すると、けっこうな振動! エンジンマウントをガチガチに固めてあるから、アイドリングだと脳天まで響く振動だったりする。クラッチは標準。ハイエースのクラッチ、1250kgの荷物を運ぶために容量デカい! 空荷状態だと強化する必要は無いという。

ギアを1速に送り込んでスタート。商用車のため1速のギアレシオが低く、すぐ2速へ。2速もギアレシオが低い。ラリーで判明したのだけれど、SSではすぐ吹けきってしまうほど。普通のラリー車の1速ギアとハイエースの2速が同じくらいです。そして3速に入れると、今度は高い。2速6000回転でシフトアップしたら、3500回転に落っこちちゃう。しかも2速から3速へのシフト、けっこう操作力重い!

ラリーのSSを走ると、2速はすぐ吹ききる。3速に入れるとイッキに回転数が落ちて加速しない。そいつの繰り返しになってしまった。今のところギアレシオが大きな弱点になってます。ちなみにエンジンは全開すると、音も振動も案外気持ち良い。考えてみたらかつてのスポーツエンジン『3S-GE』と同じボア×ストローク。アルテッツァ用は210馬力あった。136馬力からもう少し引き上げたいところ。

皆さん「転ぶんじゃないか?」と言われるハンドリングやいかに? 何を隠そう私もコケることを一番危惧していた。けれど走ってみたら、さらなる強敵がいましたね! 前後の重量配分です。基本的に空荷なので前輪70%の後輪30%くらいの荷重配分なのだけれど、車体の前方がロールケージでノーマルより重くなっている。下り坂でフルブレーキングしてみたら、後輪が浮かび上がった!

こうなったらお手上げ! 横にコケるだけじゃなく、前方回転までありうる(笑)。

ということでビビりながらペースアップしていくと、あらま! けっこう普通に走ってしまう。下り坂で攻めすぎるとビミョウな雰囲気になるものの、登り坂のコーナーならフルに攻めたって問題無し! コーナー内側の後輪はワンちゃんがおしっこするように離陸するものの、アクセルを踏むと外輪が滑って曲がる。

ちなみに、ラリー車には機械式LSDが組んである(トルセン式のLSDは一般走行用にラインアップしている)。前輪荷重が大きく登り坂でもフロントタイヤの設地圧があるためか、アンダーが出ない。皆さんラリー・ハイエースで登り坂を攻めたら「こんな曲がるのね!」と驚くだろう。適切なギア比のミッションとエンジンパワーあれば、もっともっと良いタイムが出るようになると思う。

下り坂コーナーは限界の見極めが重要になってくる。オーバースピードでコーナーに入っちゃうと、ブレーキのコントロールに苦労することになります。強過ぎるブレーキだと後輪荷重が抜けてしまい、後輪ロック。こうなると「運転の引き出し」をたくさん持っていないと対応に苦労する。とはいえ「そろそろヤバイぞ!」という予兆があるため、一度も恐ろしい状況にはならなかった。

総合的に評価するなら「予想と全く違いけっこう普通に走りますね!」と、「煮詰めていけばもっと速くなりそう」の2点。そして意外だったのが乗り心地の良さと安定性だった。今回使った『CAST』製のダンパー、よ〜く動く! リーフスプリングのサスペンションと思えないほど。足回りに使われているパーツも良い仕事をしている感じ。いやいや皆さんにハンドル握って欲しい。驚くと思う。

国沢 光宏

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