世界のVWゴルフ8は普通が一番! 高速での高い安定性はさすがの一言

コラム Clicccar

1.5リットルのベーシックモデルとなるスタイルのフロント

フォルクスワーゲンは第二次世界大戦直前のドイツにおいて、ヒトラーが提唱した国民車計画を実現するために設立された会社です。

戦前に「KbFワーゲン」というモデルを製造、戦時中は軍用車生産を行いました。そして戦後に登場したのが、いずれ「ビートル」の名で親しまれることになるタイプ1です。

タイプ1は長きにわたり製造されましたが、次第に古さも目立つようになり、1974年に後継モデルにあたるゴルフが登場します。ゴルフはその後、モデルチェンジを繰り返しながら2019年のフルモデルチェンジで8代目に進化。2021年6月になり、ようやく日本への導入が開始されました。

ゴルフはグローバル累計で3500万台を販売、日本でも累計90万台を販売しているベストセラーで、計算上は今も45秒に1台どこかの国で売れているとのこと。また、新型ゴルフは2月からプレオーダーのキャンペーンが始まっていて、1ヵ月で1000台以上の注文を受けているとのことです。

1.5リットルスポーティモデルのRラインフロントスタイル

新型ゴルフは、先代ゴルフで初採用されたMQBと呼ばれるプラットフォームを踏襲しました。しかし、ボディサイズは変更を受け、ホイールベースを15mm短縮、対して全長は30mm伸ばされています。

この数値が表すものは前後のオーバーハング合計が45mm増えたということです。オーバーハングは悪である…という風潮に少し違う風が吹き始めたのかもしれません。

また、全幅も10mm狭められました。モデルチェンジのたびに全幅を広げてきたという傾向にも、ひとつ歯止めが掛かった感があります。

Cセグメントのお手本と言われるゴルフでこのようなパッケージング変更が行われたとなると、今後ほかのクルマにも影響が出てくる可能性も考えられます。

1.5リットルスポーティモデルのRラインリヤエクステリア

今回、日本に導入開始されるゴルフは1リットル3気筒ターボと1.5リットル4気筒ターボの2種。エンジンスペックは1リットルが110ps/200Nm、1.5リットルが150ps/250Nmとなります。

いずれのエンジンにも13ps/62NmのBSG(ベルトスタータージェネレーター)が組み合わされ、マイルドハイブリッドシステムを構成しています。

1リットルエンジンは3気筒。単体で110ps/200Nmのスペックに、13ps/62Nmのモーターが組み合わされる

まずは1.5リットルモデルの印象です。発進からモーターアシストが入るので力強く、グイッと押し出されるような感覚でのスタートが味わえます。

とくに際立った高性能さを感じさせるわけではないのですが、そこがゴルフのいいところです。いずれGTIなどのスポーティなモデルが登場し普通以上の感覚を味わわせてくれるのでしょうが、普通のゴルフに求められるのはごくごく普通の性能なのです。

ミッションはデュアルクラッチ方式のDSGですが、発進時のショックや低速走行時の扱いにくさはありませんでした。このゴルフの試乗後にアウディのA3とS3にも試乗したのですが、アウディは若干細かい動きが苦手で味付けがちょっと異なるのかな? と感じました。

1リットル・アクティブのリヤシート。グレードによってマテリアルやテキスタイルは異なるが形状などは同一のリヤシート。広さも十分で、フロントシート下へのつま先の入りもまずまず

高速道路に入ると、さすがアウトバーンのある国で作られたクルマだなと感じます。日本で普通のクルマに求められる性能は、一部の高速道路の最高速度である120km/hまでで十分、プラスαしたとしても150km/hまでの性能があればいいでしょう。

しかし、アウトバーンの国ではゴルフのような普通のクルマが200km/hで巡航していたりするものです。高い最高速度でも安定した走りを得られるセッティングを施されているゴルフは、高速道路ではビシッと安定した走りとなります。

レーンチェンジの際の挙動もしっかりしていて、不安感はありません。100km/hで高速道路を試乗中、路上の落下物をそこそこの急ハンドルで回避しましたが、挙動はつねに安定していました。

1.5リットルスポーティモデルのRラインのインパネ。Rラインは専用の革巻きステアリングが採用される

このゴルフに装着されているトラベルアシスト(ACC)は、30〜210km/hの範囲で設定できる仕様です。

トラベルアシストは正確に車間を維持しながら走れるだけでなく、車線中央部を走るように働きます。

ナビゲーションは19万8000円のオプション。タッチスライダー式の操作系を採用。1本指と2本指で操作系統を使い分ける

新しいゴルフはドライバーの正面に配置されるメインのメーターが10.25インチ、センターのモニター(インフォテーメントシステム)が12インチで、これらが「デジタルコクピットプロ」と呼ばれます。この表示をトラベルアシストモードにすると、メインのメーター内に前走車両だけでなく、左右に位置するクルマや迫ってくるクルマが表示されます。

おもしろいのは迫ってくるときには乗用車だったものが、サイドまで近づくと急にトラックに変化すること。これは後方から迫る際にはカメラで確認しておらず、サイドまでくるとカメラが画像認識してトラックとして表示するからなのです。

トラベルアシスト(ACC)使用中。インフォテーメントシステム(メーター内ディスプレイ)には、周囲のクルマを映像化して表示する

一般道をエコモードで走ると、クルマが止まる前にエンジンが停止してコースティング状態になりますが、高速道路では必要に応じて4気筒中2気筒が停止する2シリンダーモードにも入って燃料を節約します。

1.5リットルモデルのWLTCモード燃費は18.6km/Lで、市街地モードでは14.7km/Lとなります。ドイツ本国にはマイルドハイブリッドではないピュアエンジン車があるとのこと。ピュアエンジンMTの場合はマイルドハイブリッドに比べて、WLTCモードで5%、市街地燃費で10%ほど低下するということです。

1.5リットルスポーティモデルのRラインのタイヤ&ホイール。タイヤサイズは225/45R17でスタイルと同一だが、タイヤブランドはグッドイヤーのイーグルF1であった

1リットル3気筒モデルも必要にして十分な動力性能を持っています。マイルドハイブリッドといっても日本の12V仕様ではなく、48Vシステムなので力感も大きく異なります。1リットルモデルは1.5リットルモデルにくらべてエンジンの出力が低いため、よりモーターの恩恵を感じられます。モーターでしっかりとアシストされた発進のあとは、110psのターボエンジンが加速を担うので、普通に走るぶんには十分な動力性能です。

3気筒というと振動や騒音が気になる部分ですが、この3気筒エンジンはよくできていて振動面もほとんど気になりません。1リットルモデルには気筒休止はありませんが、エンジンが停止するコースティングモードは設定されています。

左右のリヤシートバックを前倒しとしたフルラゲッジ状態での容量は1237リットル

ハンドリングは軽快です。フロントサスペンションは1.5リットルも1リットルもストラットで共通ですが、リヤサスペンションは1.5リットルが4リンクの名で呼ばれるダブルウィッシュボーンベースのマルチリンク、1リットルはトーションビームとなります。

コーナーでは1.5リットルはロールしつつも、タイヤを垂直に保とうとする懐の深い乗り心地。1リットルはリヤがしっかりと踏ん張るタイプです。

1リットルのアクティブフロントエクステリア

リヤサスペンションがよく動く1.5リットルのほうが乗り心地がよさそうに感じますが、これが1リットルのほうが快適なのです。1.5リットルはタイヤが225/45R17、1リットルは205/55R16とタイヤの扁平率の差もあるのですが、システム全体として軽いトーションビームは常用域での乗り心地がいい傾向にあります。

試乗時は同業者の運転するリヤシートにも乗りましたが、リヤシートでの乗り心地も1リットルモデルのほうがいい印象でした。

(文・写真:諸星 陽一

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