そんなことができるの?見えない先を事前に知って、ヒヤリハットを回避する4つの方法

コラム Clicccar

いつもの運転視界にはいろいろなヒントが隠されている。

ひとは先が見えないと、クルマも歩行者もいないと都合よく考えがちです。曲がり角や路肩に停まっているクルマの向こう側にその気配がないからといって、歩行者やクルマがないという保証はどこにもないのに「誰も何もないだろう」と解釈し、通過しようとしたらひとやクルマが飛び出してきて「ドカン!」と相成ります。

予知能力か透視能力でもあれば向こう側の様子を知ることはたやすいのですが、超能力者じゃあるまいし、残念ながら私たちの脳も目の玉も、それができる仕組みにはなっていません。

では、予知能力、透視能力は使えないまでも、見えない先を事前に知る方法はまったくないのでしょうか?
いやいや、観察眼の鋭さでカバーできなくはありません。

今回は、いっけんできなさそうな、運転予測のお話。

ここでは、見えない先にひとやクルマがいる・いないも含めた、「見えない先の様子をさぐる」という観点で解説していきます。

これは「できなさそうでできる」ではなく、交差点やT字路に立っているミラーさえ見落とさなければできるおなじみの予測です。だいたい、みなさん、運転年齢になるはるか前から目にしているでしょうからいまさらの話であり、予測のうちに入らないかも知れません。

これは見えない先をカーブミラーで映し出し、直接の目視では把握できない車両やひとの存在を間接的に得るためのものです。

実は左前方のミラーAはあなたから見て右折先、ミラーBは左折先を映している。

気をつけなければいけないのは、この写真のように、交差点に複数のミラーが立っている場合です。よく見てください。これは筆者がクルマの運転席から撮った写真ですが、運転席から見て左前方(A)のミラーが左折先を、右前方のミラー(B)が右折先を映しているわけではないことに注意してください。(A)は右折先、(B)は左折先を映し出しています。急いでいるときや、何となくぼんやり気味のとき、見た目の先入観でこのような錯覚に陥ることがないとはいえません。カーブミラーの設置位置と映し出している先は左右が逆になるため、曲がった途端、いないと決めつけていたクルマやひとに出くわして「ギョッ!」とすることもありうるわけです。

ところがこのタイプは・・・

1本のポールに2つのミラーが設けられているタイプは、前述の場合とは逆になります。同じ地域で複数のタイプが混在する道を走る場合は気をつけなければなりません。実際、これらの写真は、ある住宅街の隣り合う交差点で撮ったものです。

要は、ミラーの設置位置とミラーの向きに惑わされないようにということです。カーブミラーを確認するときは、そのあたりの認識も忘れることなく、しっかりミラーの向きとミラー内の状況を正しく把握してください。

同じく映っているものを利用するというもので、建物のガラスを使ってしまいましょう。したがって、パターン2とはいいながらもパターン1の親戚のような手法です。

みなさん、クルマは渋滞でちっとも動かない、目の前には大きなコンテナトラックがあって、「先の信号は赤なのか、青なのか?」、または「トラックの向こう側にもクルマが続いているのか、ガラ空きなのか?」となり、イライラするときがあるでしょ? そのようなときは、いまいる道路に面した建物のガラスを眺めてみてください。クルマの販売店など、幹線路に対して大きなガラスが面しているようなショールーム形態の建物であればなお好都合です。

自動車ディーラー店舗のガラスに映る、自分の車線の前方が渋滞であるようす(赤丸部)。

写真は環状8号線を南下し、第三京浜入口を少し過ぎたあたりの左にある、とあるクルマディーラーの建物です。よく混雑する場所なのですが、大きなガラス面に、自車線、その隣の車線が渋滞でクルマがずらりと並んでいる様子がわかります。生け垣がいくらか邪魔していますが、自車の前のさらに先の様子が、このガラスの反射像からつかめることは事実で、見えない先の様子をいくらかでも把握することでいくらかでもイライラが解消できるなら大きな収穫といえましょう。「先が見えない」という心理は、渋滞に於けるイライラの原因のひとつなのです。

カーブ先にある信号のようすは、建物のガラスで事前に知ることができる(赤丸部)。

次の写真は、運転者の目の前にある信号の、カーブの先にある次の信号をガラスの反射で見ているところです。目の前の信号の青で進む時点でその次の信号が赤だと事前にわかっていれば、あらかじめアクセルをゆるめ気味に発進すればいいことがわかるわけです。

パターン2と似ているので、パターン2-2としました。自動車専用道などで目にする防音壁を鏡の代わりにし、カーブの先の様子を少しでも知ろうというもの。当然、鏡やガラスほど明確に何かを映してくれるわけではありません。夜またはトンネルの中などの暗がりの中で、壁や防音壁に映った光を予測の助けに使ってしまおうという作戦です。

次の動画は首都高環状線C1の左回りの走行シーンを撮影したものです(カメラのセット位置が悪く、正面にルームミラーが映り、見にくくなってしまってすみません)。

カーブの手前にいる段階で、赤くて早い点滅のチカチカと青い光が左側の壁に反射しているのがわかります(00:09)。カーブ向こうに何か不測の事態が起きて先のクルマがポンピングブレーキを踏んでいるのか、工事現場があるのか? とにかくこの時点で何かしらの警戒心を抱かなければなりません。

カーブを抜けたら工事現場のランプと青信号が見えてきました(00:14)。これはこの記事のために夜間の首都高を走行したものであり、何事もないのはわかった上での動画ですが、これがもし事故渋滞最後列車のテール&ストップランプだとしたら? 事前に把握&警戒すれば、追突事故を防ぐことができるかも知れないわけです。

もうひとつ。

右側の防音壁に映るストップランプの赤い光(00:08)から、ここからは見えないカーブ向こうの先行車が何かの理由でブレーキを踏んだことがわかります。同じくこれも、何も起きていないことがわかっている動画ですが、ブレーキの光から、見えない先で事故渋滞が起きているのかどうかが、事前に予測することができるということです。

これは夜間に撮った動画ですが、トンネル内はともかく、暗がりの場合ほどではありませんが、昼間でも赤い光をある程度認識することができます。防音壁に限らず、道路サイドにあるガードレールなどにも着目してみてください。意外と予測のヒントになるものです。

さて、ここまではカーブミラーないし壁への反射を利用した予測について述べてきました。

次はもうひとつ、反射とは異なる方法でひとやクルマの存在を掴む方法をお教えしましょう。

トラックの前のクルマが直接見えなくても、路面の影の存在(赤丸部)で、トラックの前にクルマがあることがわかる。

パターン2の項で、建物のガラスの反射を利用する話をしました。ただし、そうそう都合のいい建物があるわけではありません。だからといってあきらめるのはまだ早い! 先の先のクルマの存在有無をつかむ別の手がかりとして、影を利用するというものがあります。前にいる大型トラックの前にクルマがあるのか、ないのか。このようなときは自分が右か左にちょいとずれてみましょう。写真のように、アスファルト面に影が見えれば、トラックのすぐ前にクルマがあると判断できます。

これは路肩に停まって荷降ろしをするトラックなどの脇をすり抜けるときにも有効です。

この写真はくもりの日に撮ったものなのでちょいと説得力に欠けるが、路肩で荷降ろしをしているトラックの横を通り抜ける際は・・・

写真はくもり続きの日に撮ったため、影がないのですが、このようなシチュエーションのとき、晴れの日であれば、トラックの先から人影が路面に映るので、その向こう側にひとがいることがわかります。ときおり客降ろしをしているバスの横を抜けようとしたら、バスの影から出てきた客を轢いたという事故を聞きますが、これも人影を見落とさなければ回避できる事故かもしれません。

影を使えるのは、主に晴れた日の正午からはずれた時間帯に限られる。

ただし、この方法がいつでも使えるわけではありません。影がはっきり現れる晴れの日の昼間に限られること、細かくいうなら、太陽と自車の位置関係によりけりで影の向きが変わること、特に影がいちばん短くなるのは正午ですから、影をいつでもあてにできるわけではできません。もちろんこの手法は夜には通用しません。

 

路肩に停車中のトラックが見えてきたら・・・

最後にもうひとつ。
幸いにというべきでしょう、トラックは地上高(路面と車両下面との距離)が大きく、割と後ろの方からでもトラック下を通して向こう側の空間を見ることができます。左路肩にトラックが停まっているのが見えたら、トラックの下を見てください。人がいればそのひとの足が見えるはずです。ひと全体の姿が見えなくても、また、それがくもりの日で影が現れなくとも、足が見えるだけでひとがいることがわかり、アクセルを緩めるなど、事前に警戒することができるわけです。

ここまで書いてきたことは、ベテランドライバーには「そんなの先刻承知ヨォ」なことかも知れませんが、運転が苦手な人や、日ごろ「ハッ!」とすることが多い人は、これらの点を意識してみてはいかがでしょうか。

見えない先を把握するヒントはそこらじゅうに転がっています。手がかりは「見えている」のに「見ていない」だけなのです。見えた=認識できたからといって、必ずしも事故を確実に回避できることにはならないのですが、時間帯ほか、その場その場の状況に応じて何かしらの手がかりを常につかむように心がけ、事故を起こしたり起こされたりがないようにしてください。

(文・写真:山口尚志

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