高齢者の「免許返納義務化」を考える。賛成派が76.1%で多数だが、公共交通機関が少ない地方の対策を重視する声も

コラム Clicccar

2019年4月に発生した、いわゆる「池袋暴走事故」をはじめ、高齢ドライバーの相次ぐ重大事故により「運転免許証の返納義務化」について議論されています。

高齢ドライバーの運転免許制度については、2022年5月から免許更新時に運転技能検査(実車試験)がスタート。免許の更新を希望する75歳以上の高齢者ドライバーで、一定の違反歴がある人には受検が義務付けられます。

また、衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)などを装着した安全運転サポート車限定免許も新設され、申請者には交付されることになっています。

高齢者の運転免許証を返納義務化することは必要かどうかの意識調査を紹介

このように、高齢ドライバー対策については、現在でも、色々と対策がとられていますが、果たしてこれで十分なのか? やはり運転免許証の返納を義務化すべきなのか? といったことについては、今でも意見が分かれるところです。

今回の調査では、高齢者の免許返納義務化に賛成な人が76.1%と多数

では、一般の人たちは、この件に関し、どう考えているのでしょうか?

WEBマーケティングなどを手掛けるNEXERが運営する「日本トレンドリサーチ」では、全国の男女計2700名を対象に「運転免許の返納」について調査を実施。

その結果、賛成派が76.1%と多数だったのに対し、反対派などの中には、公共交通機関が少ない地方では、「交通手段を確保してから義務化して欲しい」といった声もあったことが分かりました。

今回の調査は、2021年12月30日~2022年01月13日の期間、インターネットによるアンケートで行われたものです。

なお、今回の調査対象者2700名のうち、普通自動車運転免許証の所有者は84.2%、非保有者は11.1%、すでに返納した人は4.7%。また、普通自動車運転免許を持っている人で、日常的に運転する人は75.5%、運転しない人は24.5%だったそうです。

調査では、まず、「免許の返納義務化」について質問。その結果は以下の通りです。

・「賛成」 37%
・「どちらかといえば賛成」 39.1%
・「どちらかといえば反対」 15.8%
・「反対」 8.1%

運転免許の返納義務化について(出展:日本トレンドリサーチ)

「賛成」「どちらかといえば賛成」を合計した賛成派は76.1%で、「反対」「どちらかといえば反対」を合わせた反対派の23.9%を大きく上回っています。

なお、「賛成」と回答した人の中には、以下のような意見があったそうです。

・お年寄りドライバーよる逆走や、重大死亡事故が後を絶たないから。(40代・男性)
・高齢者の事故が頻発しているし、実際年を取ると反応が鈍くなるのも事実なので、早めの返納が好ましいと思う。(60代・女性)
・義務化しないと、判断力が鈍った高齢者が運転し続けることになるから。(20代・男性)

高齢者でも、運転に支障がない人も多い

一方、「反対」と答えた人の中には、次のような意見があったといいます。

・公共交通機関の発達していない地域もあるのに、返納を強制するのはよくないから。(30代・男性)
・全国一律と言う事は、おかしいと思います。地域によって交通量も違うし危険度も違うため、返納してしまうと生活に支障が出て困る人がいると思います。(40代・女性)
・高齢者を一括りにしてほしくない。それよりも1年に1回程度の運転技能検査を義務化すればよい。(60代・男性)

また、調査では、もし免許返納が義務化になった場合、「返納する年齢は何歳が妥当と思うか」についても聞いています。結果は次の通りです。

運転免許の返納義務を課すことが妥当だと思う年齢(出展:日本トレンドリサーチ)

・「81歳以上」 40.9%
・「76〜80歳」 27.7%
・「71〜75歳」 20.7%
・「66〜70歳」 7.9%
・「61〜65歳」 1.7%
・「〜60歳」 1.0%

選択肢の年齢が上がるとともに回答数が増えていき、「81歳以上」が40.9%と最も多い回答になっています。

さらに、調査では、普通自動車運転免許を持っている人に、「何歳になったら免許を返納するか」も質問しています。結果は以下の通りです。

・「81歳以上」 24.3%
・「76〜80歳」 23.3%
・「71〜75歳」 19.8%
・「66〜70歳」 6.6%
・「61〜65歳」 2.8%
・「〜60歳」 1.1%
・「返納するつもりはない」 22.3%

何歳になったら運転免許を返納しようと思うか(出展:日本トレンドリサーチ)

60歳以下の年齢で返納を考えている人は、わずか1.1%。24.3%の「81歳以上」が最も多い回答に。一方、「返納するつもりはない」人も22.3%いますから、返納が妥当な年齢については、意見がかなり分かれていることが分かります。

調査では、さらに、今回のアンケート対象者の中で、免許を返納したという127名に「何歳で返納したか」も質問したところ、次のような結果になりました。

・「81歳以上」 4.7%
・「76〜80歳」 11.0%
・「71〜75歳」 25.2%
・「66〜70歳」 21.3%
・「61〜65歳」 10.2%
・「〜60歳」 27.6%

実際に返納している人では、ほとんどが80歳までに返納しているようです。

今回の調査では、前述の通り、高齢者ドライバーによる事故減少のためには、運転免許証の返納を義務化することが必要と考える人が多数いることが分かりました。

高齢になれば、認知機能や判断能力の低下などにより、クルマを安全に運転することは徐々に難しくなることも多い

一方で、「住む地域によってはクルマが必須」「運転技能には個人差ある」など、「返納義務対象を年齢で決めるべきではない」という意見も。クルマがライフラインになっている地域の人に考慮する声も多く挙がっています。

また、もし返納が義務化される場合は、「81歳以上」が妥当だという意見が多い一方、実際に返納した人は80歳以下が多いなど、さまざまなことが浮き彫りになっています。

非常に難しい問題ではありますが、やはり高齢になると、個人差こそあれど、認知機能や判断能力の低下などにより、クルマを安全に運転することは徐々に難しくなってくることは確かでしょう。

そのため、今回多くの人が答えたように、運転免許の返納を義務すれば、高齢者ドライバーによる事故が減少することは間違いないと思われます。

ですが、やはり、公共交通機関などが少ない地方における高齢者の生活の足をどう確保するかも課題です。

クルマがライフラインである地域では、生活の足を確保することも重要

実際に、地域によっては、人口減少や同じく高齢化といった要因により、公共共通機関の運転手不足なども大きな課題です。そのため、現在、さまざまな地域で、自動運転バスなどによる巡回サービスなどの実証実験も行われています。

ともあれ、一律で規制などを行うのではなく、地域や住民の実状に応じた施策や公共サービスの充実も併せて整備することが、非常に重要でもあるでしょう。

なお、この調査に関するより詳細なレポートは、以下の「日本トレンドリサーチ」公式ホームページで読むことができます。

平塚直樹 *写真はすべてイメージです)

【関連リンク】

「日本トレンドリサーチ」公式ホームページ
https://trend-research.jp/11899/

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