水素ステーション運用コスト低減がFCV普及加速の鍵に?

コラム Clicccar

自動車3社とエネルギー会社10社が4年前に「2015年度に水素ステーションを100ヵ所整備する」と共同声明を発表。

 (出展 岩谷産業)

昨年12月にはトヨタ自動車が先陣を切ってFCV(燃料電池車)を発売しました。

2015年度内にはホンダもFCV発売を予定しており、2017年には日産を始め、同社とFCVの共同開発を表明したメルセデスベンツも日本導入を予定しています。

そうしたなか、現在水素ステーション開設に名乗りをあげているのは目標の半分弱となる45ヵ所で、今後ステーション整備拡充のペースアップが求められている状況。

事業者ではJX日鉱日石エネルギーと岩谷産業が8割近くを占めており、他の事業者は先行する2社の動きを窺っている状況。

その背景にはステーション設置コストに対する投資回収の不透明さが有るようです。

自動車メーカー全体のFCV販売計画台数や販売地域が明確でない事、ガソリンスタンドの数倍とされる設置費用、高額な運用費(5,000万円/年)などが足踏みを招いている主な原因と言います。

FCVに供給する70MPa(約700気圧)の水素を貯蔵するための圧縮機や蓄圧器、充填時の安全性確保で発熱を抑えるためのプレクーラーなどの機器だけでも2億円以上かかるようで、水素ステーションの設置費用を押し上げる要因になっています。

 (出展 JX日鉱日石エネルギー)

しかも政府の意向でガソリンよりも水素価格を割高にできないため、販価に上乗せできず、当面は設備費をペイできない状況。

ちなみに水素ステーション100ヵ所の黒字化には約20万台のFCV普及が必要と言われているようです。

そこで水素社会の早期実現を目指す政府は事業者の参入を即すべく、初期投資を軽減するための補助金枠を拡大、2015年度は昨年を大幅に上回る110億円まで引き上げる方針といいます。

また補助対象を定置式の水素ステーションだけでなく、移動式の水素トレーラーも補助の対象にすることで拠点数を増やす考え。

これにより定置式の約半分まで、設備費を圧縮できるそうです。

またステーション設置後、FCVの販売台数が増えるまでの間は事業者の採算がとれない事を踏まえ、昨年11月に政府はステーションの運用費にも助成金を付ける方針(約2,000万円/年)を固めており、まさに至れり尽くせりの条件で水素ステーションの運用事業者を募っています。

一方、事業者側のコスト削減に向けた動きでは岩谷産業が持ち前の水素の液化技術を活かして圧縮機、プレクーラーを不要とすると共に、運送コストの抑制にも繋がるため、来年にも実用化する模様。

FCVへの水素供給時には再び気化させる手法で、今後車両側でも液化水素が使えるようになればさらに気化行程も不要になるメリットが有ります。

水素コストの約6割をステーション導入・運用費が占めている現状を考えるとステーションのコスト抑制が効果的なことは明らかで、政府の補助金による後押しに加えて、事業者のコスト低減に向けた技術開発が今後のFCV普及加速に向けた鍵になりそうです。

■岩谷産業 水素関連資料(PDF)
http://www.iwatani.co.jp/jpn/h2/pdf/hydrogen_handbook.pdf

■JX日鉱日石エネルギー Webサイト
http://www.noe.jx-group.co.jp/company/rd/h_station/index.html

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