補充の目安は1.5万km。国内・国産クリーンディーゼルとして初採用の尿素水システム

コラム Clicccar

2015年6月のマイナーチェンジにおいて、トヨタの乗用モデルとしては久しぶりのディーゼルエンジンを搭載したランドクルーザー・プラドが登場しました。

また、日本のディーゼル排ガス規制(ポスト新長期)をクリアするために、排ガス処理として尿素SCRシステムを採用したのは、トヨタ初なのだそうです。

AdBlue(アドブルー)という名前で規格化されている尿素水を利用する排ガス処理。その役割であるNOx(窒素酸化物)を低減する仕組みは、化学反応によってNOxを窒素と水に還元するというものです。

いまや乗用車のクリーンディーゼルもかなり増えています。輸入車はもちろん、国産においてもマツダや三菱が乗用車にディーゼルエンジンを設定しています。

しかし、これまで国産メーカーは乗用車において、クリーンディーゼルの排ガス処理にAdBlueを使うことはありませんでした(海外向けでは設定あり)。その理由は様々ですが、尿素SCRを使った後処理では、定期的なAdBlueの補充が必要となり、その補充にかかるコストと手間をきらって採用していないといわれています。

一方で、尿素SCRはトラックや一部の輸入ディーゼル乗用車でも採用されています。そのため、AdBlueはディーラーはもちろん、トラックの利用が多いガスステーション、さらには通信販売などでも販売されており、インフラとして見れば、十分に整備されている状況であると判断できる面もあります。

さて、トヨタがランドクルーザー・プラドのクリーンディーゼルに尿素SCRを使ってきたのには、大きく2つの理由があります。

ひとつは、グローバル対応です。

ランドクルーザー・プラド(日本仕様)だけでなく、タイで売られるハイラックスにも搭載(2.4リッター版)するなど、将来的には世界150か国で販売するモデルに搭載する予定の新世代エンジン。その基本は世界共通とするため、各国で異なる排ガス規制については後処理の部分で対応するという方針で開発されているのです。

ふたつ目は、熱効率の追求です。

後処理を最小限としてポスト新長期のような厳しい規制をクリアするには、エンジンから出てくる段階で排ガスのクリーン度を上げる必要が出てきます。現状、NOxを減らすためには燃焼温度を下げるという手法が主流となっています。しかし、トヨタの新世代クリーンディーゼルは、排ガスを後処理とすることで、エンジン側では燃焼の理想を追求しやすくなったといいます。

そして、それが最大熱効率44%という乗用車用ディーゼルエンジンとして世界トップの効率につながったのです。

マイナーチェンジによって尿素SCRを使うクリーンディーゼルエンジンを搭載したランドクルーザー・プラドは、AdBlue(尿素水)の補充口がエンジンルーム内にあります。高熱にも低温にも弱いAdBlueですから、タンク自体は床下に置かれています。

そのタンク容量は約12リッター。走り方にもよりますが、およその参考値として1.5万kmごとの補充を想定しているといいます。保存時に温度管理をしても有効期限のある(30度以下で12か月)AdBlueですから、タンク容量を大きくしすぎるのも問題です。ちょうど、AdBlueが有効な間に使い切れ、なおかつ補充のスパンが気にならないバランスを考慮した結果が、このタンク容量になったということです。

なお、AdBlueの噴射モジュールは、デンソーと共同開発したもの。欧州メーカー、欧州系サプライヤーが強みを発揮している尿素SCRですが、そうした先行メーカーをキャッチアップすべく、極寒のフィンランドでもテストを行なった、力の入ったシステムということです。

■関連記事

トヨタ・ランドクルーザーにクリーンディーゼル登場! 価格は約396万円から
http://clicccar.com/2015/06/17/312348/

新型ランクル200をランドクルーザービーチハウスで発表!
http://clicccar.com/2015/08/17/322111/

マツダCX-3 SKYACTIVディーゼルの燃費は? 北海道→東京1270kmの燃料代はいくら!
http://clicccar.com/2015/08/19/322116/

(撮影・文 山本晋也)

goo 自動車&バイク
トップ
中古車
車買取・査定
車検・整備
自動車保険
バイク
バイク買取・査定
ランキング
ニュース
特集
Q&A
サイトマップ