【東京モーターショー15】トヨタの「S-FR」コンセプトは平成の「ヨタハチ」か?

コラム Clicccar

1965年当時、トヨタの傑作モデル「パブリカ」の部品を使って「若者が手軽に楽しめるスポーツカーを」とのコンセプトで開発されたのが「ヨタハチ」こと、「トヨタ・スポーツ800」でした。

今回トヨタが東京モーターショー15に出展するエントリースポーツ「S-FR」にもそうしたコンセプトが息づいているようです。

と言うのも、トヨタが2012年に発売した「トヨタ86」は「若者向けのFRスポーツ」がコンセプトだったものの、結果的には250万円クラスの高額車となり、顧客層も40歳代が中心となっていることから、必ずしも当初の狙いどおりとは言い難いようです。

そこで「今度こそ若者をターゲットに」との思いでトヨタが再び挑戦することにしたのが「自分の意のままにクルマが反応し、日常使いの中でもクルマとの対話ができる楽しさを追い求めたエントリーモデル」をコンセプトにした「S-FR」というワケです。

<S-FR開発コンセプト(要約)>

・「丸みを帯びたデザイン」と「走りの予感」を両立
・フロントミッドシップの本格FRレイアウト
・最適重量配分と独立懸架サスペンションによる高いコーナリング性能
・6速マニュアル ミッション仕様で走る楽しさと操る楽しさを追求
・ユーザー同士で気軽にカスタマイズを楽しめるクルマ

ちなみに「ヨタハチ」は、パブリカの開発主査で初代カローラ開発も務めた長谷川主査と関東自動車工業(現在のトヨタ自動車東日本)とのコラボ開発で誕生。

(撮影 Avanti Yasunori)               

当時のライトウエイト・スポーツカー時代の幕開けにトヨタが名乗りをあげたクルマで、空気抵抗が少ない流線型の画期的なボディデザインを採用、パブリカ用の空冷エンジン(水平対向2気筒OHV)をパワーアップ、FR駆動方式で、フロントがダブルウイッシュンボーン with トーションバー、リヤがリーフスプリング式のサスペンションという構成でした。

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車両重量は現代の軽自動車をも凌ぐ、「580kg」という驚異的な軽さを誇り、最高出力/最大トルクが45ps/6.8kgmながらも、0-400m加速が18秒台、最高速度は155km/hをマークするほどの高性能を発揮するなど、侮れない走行性能を発揮。

燃費も10・15モードで23〜25km/Lまで伸びる実力を持っていました。


(出展 GAZOO)

こうした経緯から「S-FR」が「平成のヨタハチ」となり得るには、まず「軽量で燃費が良いこと」、そして「車両価格が150万円から200万円未満の価格帯に収まっていること、さらに何よりも「カッコイイこと」の3要件をクリアする必要がありそうです。

「S-FR」の外観が「丸み」を帯びており、駆動方式が「FR」であることや、排気量が1.5L程度で「燃費」が良さそうなこと、そしてターゲット層が「若者狙い」という点では「ヨタハチ」との類似点が見られますが、デザインの方向性については4名が乗れる2+2のレイアウトで実用性を追求しているところが相違点と言えそうです。

いずれにしても実車を目の当たりにした「現代の若者」の反応が気になるところ。

「蚊取り豚」を連想させる愛嬌たっぷりのフロントマスクや「トヨタ86ジュニア」的なリヤ廻りが印象的な「S-FR」ですが、欧米勢のクルマを見慣れた現代の若者の購買意欲を刺激する「平成のヨタハチ」を狙うには、やはり現代流の研ぎ澄まされた感性が求められるに違いありません。

<S-FR 概要>
全長:3,990mm、全幅:1,695mm、全高:1,320mm、
ホイールベース:2,480mm、乗車定員:4名

Avanti Yasunori

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