【東京モーターショー15】はたして自動運転は普及するのか、6名の専門家がディスカッション

コラム Clicccar

東京モーターショーの主催者事業として催されたSMART MOBILITY CITY 2015の一環として開催された自動運転に関するシンポジウム「自動運転は、クルマを、くらしを、社会をどう変えていくのか」。

その最後のプログラムは内外の関係者、有識者によるパネルディスカッションです。

モデレーターを務めたのは、ITS Japan専務理事の天野肇さん。

パネリストは、国土交通省 自動車局 国際業務室 室長・久保田 秀暢さん、本田技術研究所 第12技術開発室 上席研究員・横山 利夫さん、東京都 都市整備局 都市基盤部 交通計画調整担当課長・松本 祐一さん、ドイツ連邦道路交通研究所・Dr. Tom Michael Gasserさん、アクティブセーフティエンジニアリングLLC 代表・Dr. Joseph Kanianthraさん、そして先端技術に詳しい、元エンジニアのモータージャーナリスト・川端 由美さんの6名です。

自動運転については国際基準の改正や、世界的な基礎技術の標準化など、様々な課題がありますが、もっとも重要なのは、自動運転車をユーザー(社会)が望んでいるか、ということ。また普及のためには、それぞれの社会に合った、コストとベネフィットのバランスを見極める必要もあります。

そして、アンケートを取ると、若い層ほど自動運転(ドライビングアシスト機能)へのニーズは高いといいます。違うアンケートでは、プリクラッシュブレーキや追従クルーズコントロールなど先進安全技術を体感したユーザーほど自動運転への親和性が高いという結果もあるのだそうです。

自動化技術に触れたことがあり、技術への信頼度の高い層は、自動運転を受容しやすいといえそうです。

ちなみに、自動運転テクノロジーのために支払うコストに関していえば、日本市場というのは世界でもっとも渋いレベル(100万円近い国もある中で、日本は5万円程度)という結果もあるのだそうです。

さて、自動運転というと、車載のセンサーにより周辺状況を把握して安全に走るという自律走行の面に注目しがちですが、自律走行だけで自動運転社会を目指すのは現実的ではありません。

そこで注目を集めているのがV2V(車々間通信)やV2X(路車間通信ほか)です。

すでにアメリカでは将来的なV2Vの義務化が検討されているといいます。また、ドイツでは自動運転を「オートメイティッド・ドライブ」ではなく、「オートメイティッド・コネクティッド・ドライブ」と表現、”つながる”ことを前提とした自動運転を想定しているようです。

ただし、つながるとなれば、そこからの侵入を防ぐセキュリティの問題も出てきますし、つながらない他車・他者との関係も考慮する必要はあるといいます。二輪車において、ホンダ、BMW、ヤマハの3社による協調型高度道路交通システムといったコネクトする動きはありますが、そのシステムと四輪・自動運転の連携なども考慮されることも期待されます。

前述した先進安全技術でいえば、日本でもバス・トラックのプリクラッシュブレーキ(新車装着)は間もなく義務化となりますし、JNCAPではプリクラッシュブレーキやレーンキープアシストの評価も行なわれ、普及も進んでいます。

ある日突然、自動運転の交通社会になるのではなく、そうして先進安全技術が普及していく中で、その高機能バージョンとして自然と、自動運転へとシフトしていく社会も見えてきます。

2年前の東京モーターショーでは、まだまだ自動運転というのは夢の話でした。しかし、2015年には各社が公道走行のデモンストレーションをするまでに至っています。自動運転の技術進化のスピードは、まさに日進月歩。2年後の東京モーターショーでは、自動運転についての認識や社会的コンセンサスが、大きく変わっているのかもしれません。

そうした期待を感じさせるパネルディスカッション、あっという間の1時間で、自動運転に関するシンポジウムは幕を閉じたのです。

(撮影・文 山本晋也)

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