1日たった2台!トヨタ「86GRMN」は豊田章男社長が主導する「もっといいクルマ」だった

コラム Clicccar

今年1月、Web上から100台限定で受注が開始された「86GRMN」ですが、今回トヨタ自動車殿のご厚意により、同車の製造現場である愛知県豊田市の元町工場で100台目の生産完了を目前に控えた車両組立現場の様子を見せて頂ける機会を得ました。

このクルマはベース車とさほど変わらない風貌をしていますが、ニュルブルクリンク耐久レースで得たノウハウがそのまま移植されており、エンジンひとつとっても各パーツの低フリクション化や吸排気系の変更により、応答性の向上を図るなど、中身は全く別物になっています。

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ベース車は富士重工業(スバル)の工場で生産されていますが、86GRMNの場合、スバルで生産されたホワイトボディをトヨタの元町工場に持ち込み、各種パーツの組み込みや専用色であるホワイトパールクリスタルシャインの塗装を行なっています。

これは軽量化を目的にフード、ルーフ、ラッゲージドアの素材を鉄板からCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製に変更するなど、ベース車からの変更部位が多いためです。

GRMNの開発全般を担当するスポーツ車両統括部 野々村主管によると、今回の生産方式を採用したことで分解作業や無駄な部品購入を抑制、約37万円のコスト低減を実現しているとのことでした。

元町工場全体の責任者である二之夕(にのゆう)工場長のお話では、これまでのクラウンなどに加えて、以前にレクサス「LFA」、そしてFCVの「MIRAI」(ミライ)、さらに今回の「86GRMN」と、難しいクルマの組立てにチャレンジしており、「匠」の技術伝承の意味でも、引き続き難易度の高いクルマの生産についてもチャレンジしていきたいとのことでした。

いよいよ、86GRMNの組立て現場であるLFA工房へ。

ロボットを使わず、ハンドワークの要素が多いため、以前にレクサスLFAが生産されていた専用ライン“LFA工房”において、特別な訓練を受けた10名強の専任者により、2台/日(4時間で1台車完)のペースで丁寧に組立てられていました。

最初にCFRPパーツ(フードインナー)の成形工程から視察していきます。

80〜90℃に熱したアルミ金型の上にカーボンシートを乗せ、しっかり金型に密着させた後、浸透性の高い熱硬化性エポキシ樹脂を注入、真空引きによりカーボンシートに樹脂を含浸させて成形します。

この工法は比較的新しい「VaRTM」(バキューム・レジン・トランスファー・モールディング)と呼ばれているもので、金型が片面で済むことや、大掛かりな圧力釜を必要としないことから、コストを抑制できるメリットがあります。

そして製品となったフードASSYがこちら。

アウターとインナーを接着・合体させた後、アウターの表面を仕上げ、クリア塗装を吹いて完成です。

濡れているかのようなツヤや奥行き感が品質の高さを感じさせます。

ラッゲージドアは形状が立体的で複雑なことから、カーボンシートにあらかじめエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシートを型に貼付けた後、圧力釜で焼きあげる従来工法が使われています。

続いて視察したのが組立工程におけるCFRP製ルーフのボディへの接着工程。

あらかじめボディ側に2液タイプの接着剤をシーラーガンで塗布、その後ルーフを2名で素早くボディに接着します。

シャシー工程ではリヤアクスルの組付け作業を視察。

足廻りの締め付け作業では通常、設計公差範囲内に収まるトルクで締付けられていますが、LFA工房ではデジタルトルクレンチにより一台一台、設計が求める「狙い値」にズバリ合せて締付けているそうです。

ファイナル工程ではガラスの接着工程を視察。

86GRMNでは軽量化を目的にクォーターウィンドウとバックウィンドウが樹脂化(ポリカーボネート製)されています。

ガラスもボディ剛性に寄与するパーツのため、同車では樹脂化に併せて高剛性接着剤(ハマタイト)を使用しているそうです。

完成車のエンジンルームに目を移すと、シリアルプレートに「Morizo(モリゾー)」のサインが入っており、フレームナンバーにも「86」の数値を入れるなどのコダワリがみられます。

開発責任者の多田哲哉チーフエンジニアにお伺いしたところ、100台限定車両価格648万円の「86GRMN」に対して、3,000件を超える問い合わせが殺到したそうで、現在では既にほぼ全ての購入者が確定しているそうです。

チューンショップ関係はもちろん、一般客からのオーダーも多かったようで、中には「価格は問わないので、とにかく購入したい」との問い合わせもあったとか。

このようにニュルブルクリンクで鍛えられた“メイドインジャパン”の「86GRMN」は豊田章男社長が主導する「もっといいクルマづくり」を具現化すべく、開発と製造部門が一丸となって生み出された手作り感満載の一台になっていました。

このクルマを手に入れた方の満足そうな笑顔が思わず浮かんで来そうです。

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Avanti Yasunori

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