タイヤにキャップをしなくても空気は抜けない。じゃあキャップは不要?【タイヤ豆知識・2022年版】

コラム Clicccar

タイヤのエアバルブは空気を入れるときだけ開いて、普段は空気が漏れない仕組みになっています

サーキット走行をする際には、頻繁にタイヤの空気圧をチェックするものですが、サーキットを走るクルマを見ていると、タイヤのエアバルブキャップを外したまま走っていることが多いことに気付きます。レースやスポーツ走行問わず、限られた走行時間、ピットでいちいちキャップを外していては時間のロスになるからでしょう。

この光景を見て「キャップがなくて空気が抜けないの?」という素朴な疑問を持つ人がいました。しかし、ご安心を。タイヤの空気は決してキャップでフタをしているわけではありません。最近のチューブレスタイヤで使われているエアバルブの多くは、スナップインバルブと呼ばれるもの。エアバルブの内部に設けられたバルブコアの、その弁によって密閉されているので、キャップの有無によって空気が漏れだすことはないでしょう。空気を注入する際は弁が開きますが、通常は弁が閉じられていて漏れない構造です。

ではなぜわざわざキャップを付けているのか。それは雨やほこりなどの外敵からバルブコアを守るため。サーキット走行時など短時間ならまだしも、24時間365日バルブキャップを外していると、錆が発生したりゴムが劣化しやすくなったり、またはほこりの侵入がバルブ開閉を妨げてしまう可能性もあります。

欧米や中国ではタイヤ空気圧モニターの搭載が義務化されています

それでも常時高い圧力を保持しているバルブなだけに、キャップを付けていたとしても徐々に性能は衰えてきます。バルブコアには金属製とゴム製がありますが、いずれもホイールとはゴムパッキンのような形状を持って固定されています。たとえバルブキャップを外すことがなくても、これらは時間と共に劣化していくことを忘れてはいけません。

クルマの使われる環境や走行距離などが千差万別であるがゆえ、その交換頻度を一概に括ることはできないものの、たいていは「タイヤ交換と同時にバルブも交換する」ことを推奨しているケースが多いようです。

タイヤは摩耗だけでなくバルブの劣化にも気を配りましょう

これには理由があります。エアバルブという部品自体は、そう高価なものではありません。が、交換の際にはホイールを脱着する必要があります。つまりその分工賃がかかってしまうわけで、タイヤ交換と同時に行えばその分効率的です。

もちろんサーキット走行などで頻繁に「バルブキャップなし走行」をしている場合は、その寿命は少なからず短くなると考えておいたほうがよさそうですね。ちなみに、レース用ホイールを筆頭とするハイエンドホイールで、1本のホイールにバルブがふたつ設けられているものがあります。これは主に窒素などを充填する際に、片方のバルブから窒素を注入しつつ、もう片方から速やかに空気を抜く役割を果たします。窒素を充填することを考えている方は、こうした側面からホイール選びをしてみるのもまたおもしろそうです。

(クリッカー編集部)

※この記事は2022年6月28日に再編集しました。

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