とにかく速いゴルフ GTIとR。それでいて乗り心地も十分【VWゴルフ・GTI/R試乗】
マイナーチェンジされたゴルフのスポーツモデルGTIとRはどちらも楽しいドライビングを楽しめるモデルですが、その性格はかなり異なっていました。

まず、GTIですが、こちらはゴルフのフィーリングの延長線上にあるクルマだという印象があります。
230馬力というエンジンのパワーは十分過ぎるものですが、エンジン回転がスッキリと上がっていって、自然吸気エンジンのような加速感を示します。GTIには走行モードを変更するDCCという機構が付き、「ノーマル」、「コンフォート」、「エコ」、「スポーツ」の4モードが選べます。
このうち「スポーツ」で走るとアクセルレスポンスが向上するのでよりビシッとした走りになります。

試乗したRはハッチバックではなくワゴンのヴァリアントでした。エンジンの出力は310馬力とかなり強力です。ヴァリアントはFFではなくフルタイム4WDとなります。
停止状態からスタートすると、まさにロケットスタートといった印象のスタートをします。アクセルを踏みきっているとシフトアップのたびに「バフン」と大きな排気音を響かせながら加速します。
トルクの塊のような加速感は、直4ターボというよりもV6ターボのようなフィーリングでゴルフとは別次元のクルマという印象です。

RのDCCはGTIの4モードに加えて「レース」が加わります。RではGTIでは可変されなかったダンパーの減衰力も可変されます。このため「コンフォート」で走ると、びっくりするくらいに快適なのです。
GTIはよく動くサスペンションによって、スポーツモデルとは思えない快適的を持っていますが、Rの「コンフォート」モードはGTIのノーマルをしのぐ快適さとなります。

ところがこれを「レース」にすると、足まわりはまさにレーシングカーのようなガチガチのフィールになります。近頃のロードカーでは出会うことがなかった、激しいバウンシング(上下動)を伴う乗り心地にはちょっと驚かされますが、高速コーナリングでの安定感は抜群でまさにレーシングカーフィール。公道で走っていてはもったいない印象となります。


スポーツドライブを楽しめるだけでなく、ロングドライブやデートドライブ、さらに普段使いでも十分に使えるマルチパーパスな面を持っているのがGTIとRです。
(諸星陽一)
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