ディーゼルとガソリンの「いいとこ取り」。次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」搭載車に試乗【SKYACTIV-X試乗会】

コラム Clicccar

マツダが満を持して発表した次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)」は、ガソリンエンジンでは難しいとされていた自己着火方式を取り入れたエンジンです。今回、完成して間もない試作エンジンを搭載した試作車で、マツダのテストコースを試乗する機会が与えられました。

この試作車には新しいシャシー技術も盛り込まれていたのですが、まずはエンジンに特化したレポートをお届けします。

エンジンの仕様は2リットルで、比較のために従来型2リットルエンジンも用意されました。ATとMTの2種のミッションが用意されましたが、MTのほうが特性は探りやすかったです。

「SKYACTIV-X」は通常の火炎伝播燃焼と自己着火燃焼を切り替えしながら動いています。その様子は助手席に配置された液晶画面に示されますが、切り替わりタイミングはほとんどわかりません。モニターを横目でちらちらを見ながら運転してみましたが、明確に切り替わる感覚はなく、一連のシームレスな動きが伝わります。

発進時にアクセルを踏み込むと、低速からググッと力強い加速感が得られます。通常のガソリンエンジンとは異なったディーゼルエンジンのような力強さを持っています。多くのガソリンエンジンはある程度回転を上げないとトルクが盛り上がる感じがしませんが、この「SKYACTIV-X」はアイドリングレベルの低回転から高トルクを発生します。

MT車で、どんどんシフトアップしていっても全然平気で、ギクシャクしません。そんな使い方はしないものですが、そんなことをしても気にならないというレベルを実現しています。

さきほど、「燃焼の切り替えがほとんどわからない」と表現しましたが、わかるタイミングもあります。それはもっとも効率よく自己着火燃焼している状態への切り替わりです。

運転しているとたまに“タッタッタッタッタ”という打音が伝わってくることがあります。聞けばこの音はもっとも効率よく自己着火燃焼している状態のときに発生する音だということでした。つまりノッキングに近い状態での起きている燃焼時の音なのですが、ガソリンエンジンの“カリカリカリ”というような不快さはありませんでした。

一定の速度で走ってるときのトルクの安定感は高いものでした。トルクが高めでフラットなので高めのギヤが使えます。ですから、アクセルペダルの微妙な踏み込み加減に対するクルマの挙動変化が少なく、快適なクルージングが可能になります。そうした高めのギヤで走っている状態からアクセルペダルを踏み込んだときも、トルクバンドが広いので力強い加速が得られます。

さらにシフトダウンしてからアクセルを踏み込めば、6000回転付近まで一気に吹け上げるいかにもガソリンエンジンらしい抜けのいい加速感を楽しむことができます。この低速トルクの厚さと、抜けのいい吹け上がり感が共存するところが、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンのいいとこ取りという印象を強めているわけです。

高圧縮のセッティングとなっている「SKYACTIV-X」ですが、アクセルペダルを戻した際のエンジンブレーキの効きはあまり強さを感じませんでした。聞けば、減速系はまだチューニングが行われていないということでした。この減速系については、回生エネルギーを利用するi-ELOOPやマイルドハイブリッドとの組み合わせも考えられていて、今後マッチングが図られていくとのことでした。

画期的な発想によって生まれた「SKYACTIV-X」は、実用化間近まで来ています。おそらく、このエンジンは次期アクセラあたりに搭載されることになり、そのときにはさらに洗練されたものとなっているでしょう。まだまだ内燃機関には未来があると感じられる試乗となりました。

(諸星陽一)

【関連記事】

マツダが開発した圧縮点火式ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」。そのメカニズムとは?【SKYACTIV-X試乗会】
https://clicccar.com/2017/10/17/521177/

次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」のメリットとは?【SKYACTIV-X試乗会】
https://clicccar.com/2017/10/17/521179/

goo 自動車&バイク:
トップ
中古車
中古車販売店
車買取
車検・整備
自動車保険
自動車カタログ
バイク
バイク買取
ニュース
試乗レポート
特集
まとめ
サイトマップ