【ココがおかしい日本のクルマ&交通事情】第1回・サンキューハザードが危険を招く!?

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携帯電話の「ガラパゴス化」とか言われることも多いけど、じつは日本の自動車社会もかなりのガラパゴス。おかしなことが当たり前に扱われている日本の自動車社会のアレコレを、自動車ジャーナリストの諸星陽一がぶった切ります。

今、日本では変な習慣が横行しています。その代表とも言えるのが車線変更をしたり合流したりしたあとに行うハザードランプの点滅、いわゆる「サンキューハザード」です。もともとはトラックドライバー同士が進路を譲ってもらった際に使っていた合図が一般ドライバーにまで浸透。今や車線変更や合流の一つの手段とも思われています。

しかし、ハザードランプは緊急時に停車したときなどに使う合図であって、けっしてお礼の挨拶に使うものではありません。ハザードランプは「非常点滅表示灯」というのが正式名称で、道路交通法でも挨拶に使用していいとは書かれていません。そもそもその名のとおり非常事態や夜間の路上駐車時に使うものです。最低限の基本としても停止行動が伴うことに使うべきものです。たとえば高速道路の渋滞末尾は停止行動ですし、最低速度50km/hの高速道路で停止してしまうのは非常事態とも言えます。

サンキューハザードが持つ危険性は合図の意味が曖昧になってしまうことです。例えば走行中にハザードランプを点滅させるというのは、突然の体調不良に見舞われたときなどに限定すべきです。トヨタのヘルプネットはそうした思想で構築されています。そうすれば、ハザードランプを点滅したクルマには非常事態が起きていることがわかり、救助もスムーズに行われるでしょう。しかし今の日本は、非常であるべきハザードランプが日常と化しています。

サンキューハザードを行う人になぜ行うのか?を聞くと「あとから煽られることを防ぐため」とか「やっておけば問題が起きづらい」といった話をよく聞きます。もはやそこには「サンキュー」つまり感謝の気持ちはなく、面倒を避けるための行動になっています。それって、繁華街の飲食店などが地回りのヤクザに払う「みかじめ料」と同じです。感謝の気持ちを伝えるなら手を上げましょう、窓を開けて手を出して挨拶したっていいでしょう。「みかじめハザード」なんてやめて、ハザードランプに本来の意味を取り戻しましょう。

もし、どうしてもサンキューハザードを行いたいという人は、まずは法律を改正する運動からするべきです。それが手順ってもんです。

(文・諸星陽一)

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