【ダイハツ・ミラトコット試乗】「エフォートレス」というコンセプトは良くても、ハンドリングの「ルーズ感」は?

コラム Clicccar

ミラトコットはミラココアの後継モデルとして誕生した新型軽自動車です。開発にはダイハツの女性社員の意見を多く取り入れ、本当に女性が欲しいクルマを目指して作ったと言われています。

搭載されるエンジンは52馬力の3気筒のみ、ミッションもCVTのみですが、駆動方式はFFと4WDが用意されていて降雪地にも対応しています。

従来、ミラココアが担当していた未婚の働いている女性ユーザーなどをメインターゲットとしてクルマですが、ココアのコンセプトをもう一度見直すということで、新入社員を含む女性社員の意見をヒヤリング、それを生かしたモデル作りを行ったモデルです。

肩ひじ張らずに自然体で乗れる「エフォートレス」なクルマとして生まれたミラココットは、安心安全でシンプルなデザイン、買いやすい価格を実現したクルマとなっています。前方視界、後方視界はよく、ボディの見切りもはっきりとしていて、取り回しはよくなっています。

エンジンは必要にして十分なパワーで、とくに不満は感じません。ただ、踏み込んでいったときのノイズは大きめで、アイドリングストップからの再始動もセルモーター式なので「キュルキュル」といった大きめの音がします。

走り出すとゆったりとした乗り心地になんだか懐かしさを感じます。ふた昔くらい前のフランス車のようなダラッとした乗り味がなかなかで、これはこれでいいなあと思わせてくれます。ですが、試乗会場を出て最初の右折でちょっと考えが変わりました。

ステアリングを右に切ってもクルマが曲がってくれないのです。明らかな反応遅れで、転舵後に待つ、もしくは多めに切らないと思ったようにクルマが曲がりません。

ミラココットは女性でも扱いやすいようにパワステのアシスト量を増やしてステアリングを軽く回せるようにしました。その上でフロントスタビライザーも取り外し、ゆったりとした乗り心地を実現したというのです。でもこのスタビのレス化が操作遅れを招いています。

ドライビングインストラクターをやってきた経験だと、女性はステアリングを細かく切る傾向にあって、大きな舵角を得るのに時間がかかります。コーナリングに関して反応遅れがあるセッティングだと、コーナーリングでステアリング操作が間に合わない可能性が大。これはダメです。

女性でも操作遅れが起きないように、ステアリングギヤ比をアップしたというのならわかりますが、スタビのレス化は逆効果です。

ミラトコットは通勤などに使われることが多いクルマでしょう。そうしたなかで大切なのは、女性らしさやモテファッションよりも「ちゃんとしていること」だと思うのです。

(文・写真:諸星陽一)

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