【WRC ラリーグレート・ブリテン】タナク4連勝ならず。TOYOTAはタイトル獲得に前進!

コラム Clicccar

2018年WRCは全13戦で争われる。残り3戦となったラリーGB(グレート・ブリテン)は開幕直前に大きなニュースが飛び込んだ。5連覇中の現王者セバスチャン・オジェが今年限りでM-SPORTSフォードを離れ、シトロエンへの移籍が発表された。シトロエンはオジェがWRC参戦を参戦を開始した古巣。2011年以来の復帰を果たす事となった。

ラリーGBのSS数は23(318.13km)、全走行距離は1,419.06km。ウエールズの森林を中心に開催され、路面はグラベル(未舗装路)がメイン。うねりの多い路面に対応する為、各車柔らかい脚回りを仕立てる中、10/11(木)のシェイクダウンで1つの波乱がおきる。タナク車がT字路を右折するジャンクションで曲がり切れず、後輪が浮く程のクラッシュ。ランキング2位ながら現在3連勝と絶好調のタナク組のアクシデントはこれから始まるイベントの波乱を予感させた。

ラリーは夜7時よりウェールズ北部、海岸近くの競馬場を舞台に全長1.7kmのSS1「ティル・プリンス」で開幕した。オープニングステージは、ヤリスWRCのエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組がトップタイムを記録、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組が2位、オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組が5位につけた。セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組(フォード・フィエスタWRC)3位、ティエリー・ヌービル/ニコラ・ジルソー(ヒュンダイi20クーペWRC)組が4位につけ、1位から5位迄が1秒以内にひしめいた。

10/12(金)、鉛色の空、ぬれた路面。典型的なラリーGBの景色の中で競技が開始された。

SS2 クロカイノグ1(Clocaenog1 7.67km)では3連勝中のタナク組がステージウィン。総合でもトップに立つ。オジェ組・ヌービル組がそれぞれ2,3位に、ラトバラ組が4位につけた。4台が2秒以内の超接近戦だが、続くSS3 ブレニグ1(Brenig1 29.13km)・SS4 ペンマハノ1(Penmachno1 16.95km)もタナク組が制し、3連続ステージウインを飾る。2位に上がったエルフィン・エバンス/ダニエル・バリット組(フォード・フィエスタWRC)は9秒差、3位のラトバラ組は18.4秒差と、タナク組のペースについて行く事が出来ない。

SS5 スレートマウンテン1(Slate Mountain1 1.63km)では、ヌービル組がステージウインを飾るが、タナク組はラトバラ組と同タイム0.3秒遅れの3位。差を詰めるには至らない。繰り返しのSS6 スレートマウンテン2(Slate Mountain 2 1.63km)では、ラトバラ組がトップ。ラッピ組が2位を奪う一方で、オジェ組はSS4以降は10番手前後のタイムに終始し、総合8番手に後退する。一方のチャンピオン候補ヌービル組は5位に踏み止まっている。

SS7 クロカイノグ2(Clocaenog 2 7.67km),SS8 ブレニグ2(Brenig2 29.13km)ではタナク組が再びトップタイムを奪う。また、ここ迄総合2位を守っていたエバンス組がSS7でエンジントラブルでストップ、デイリタイアを喫する。SS8ではヌービル組が2番手タイムを記録し、ラトバラ組をかわして総合2番手に躍り出ると、続くSS9 ペンマハノ2(Penmachno 2 16.95km)ではヌービル組がトップタイムを記録し、3位ラトバラとの差を僅かに広げた。タナク組はヌービル組の28.8秒先、一人旅モードに入っている。また、トップ争いに加わっていたスニネン組がSS9でタイヤを切株にヒットさせ、サスペンションを破損してリタイアとなった。

10/6(土) 序盤はよどんだ雲の下、路面は濡れている。ステージ中にサービスが無い一日で、リグループの際のタイヤ交換が認められている。選択と予備の本数が悩ましい1日だ。

SS10 ミヘリン1(Myherin1 20.28km) オジェ組がトップタイムを奪い、順位を総合3位迄挽回する。ヘイデン・パッドン/セバスチャン・マーシャル組(ヒュンダイi20クーペWRC)が2位。タナク組は3.1秒遅れの3位だが総合首位は安泰。また、ラッピ組がラトバラ組を逆転、4位浮上と順位がめまぐるしく入れ替わる。

SS11 スイートラムハフレン1(Sweet Lamb Hafren1 19.95km) ヌービルがSS内でオーバーラン・路肩にスタック。観客の手を借りて復帰するも50秒以上遅れ、総合2位から8位迄後退する。トップはマッズ・オストベルグ/トルステイン・エリクセン(シトロエンC3 WRC)組だが1.7秒落ちのタナク組が後続を更に引き離し、オジェ組との差は43.2秒迄広がった。

SS12 ディフィー1(Dyfi1 10:28km) トップタイムはタナク組。オジェ組との差は45.7秒に広がる。
SS13 ガルデイノーグ1(Gartheiniog1 11.26km) アンドレアス・ミケルセン/アンデルス・ヤーゲル組(ヒュンダイi20クーペWRC)がトップ。だが、タナク組はオジェ組を更に2秒引き離す。

SS14 ディブナント(Dyfnant 8.3km) 総合3位に浮上したラトバラ組がトップタイムで、オジェ組との差を1.7秒迄詰める。次のSSの前にタイヤ交換を各選手自身が行い、窓や車体の泥を落として午後に挑むが、この頃から天候が回復し、路面が乾いて行く。
SS15 ミヘリン2(Myherin2 20.28km) オジェ組がトップタイム、同ステージ8位に終わったタナク組との差を6.1秒詰める。
SS16 スイートラムハフレン2(Sweet Lamb Hafren 2km) SS2からここ迄総合首位を守り続けたタナク組だがジャンプ後、着地の衝撃でラジエーターを破損する。そしてそのままエンジンを壊さない為にデイリタイアを選択するという大波乱が起きた。これにより総合首位はオジェ組。以下ラトバラ組、ラッピ組、ブリーン組と続く。5位以下は30秒以上後方に離れ、表彰台を争えるメンバーも絞られつつある。

SS17 ディフィー2(Dyfi 2 19.48km) 「タナクの速さは別次元だった」と望外のトップに立ったオジェは語った。しかし乾いた路面を攻めるもトップタイムはラトバラ組が奪う。
SS18 ガルデイノーグ2(Gartheiniog 2 11.26km) 1位オジェ組と2位ラトバラ組の差は4.4秒。SSの残りは4つ。未だ諦めるタイム差ではない。

10/7(日)晴天の元で最終日の競技が始まる。タナク組は既定のペナルティを受け、トップから20分07.7秒遅れ総合22位で復帰した。ヌービル組は7位だが、5位オストベルグ組,6位ミケルセン組はヒュンダイ勢。選手権終盤・ポイントリーダーだけにチームオーダーで順位を入れ替える可能性が高い。

SS19 エルシー(Elsi 10.06km) トップはラッピ組、2位のラトバラ組がオジェ組との差を1.7秒に迫る。
SS20 グウィディール1(Gwydir1 14.76km(Power Stage)) ボーナスポイントの掛かるパワーステージ(今回は最終SSではない)。トップはラトバラ組、2位のタナク組。ラトバラ組は3位に終わったオジェ組を5.2秒引き離し、首位に浮上。オジェ組が3.6秒追う側に替わる。4位にはヌービル組が、5位にはラッピ組が入り、それぞれボーナスポイント(2,1)を獲得した。

SS21 グレート・オーム・ランディドノー1(Great Orme Llandudno1 8.03km) オジェ組がトップタイムを奪い、ラトバラ組が3.4秒差の2位。その差は0.2秒に詰まる。
SS22 グウィディール2(Gwydir2 14.76km) トップはまたもオジェ組!ラトバラ組は3.3秒遅れの2位。再び首位が入れ替わり、ラトバラ組は3.1秒差で追う側となる。3位ラッピは25.8秒後方、4位ブリーン組は1分以上離れており、1,2位以外の順位はほぼ決した。
SS23 グレート・オーム・ランディドノー2(Great Orme Llandudno2 8.03km) オジェ組は3分59.3秒で駆け抜けたが、ラトバラ組は2km地点で縁石をヒット、ここからフィニッシュを優先して7.5秒遅れの7番手タイムで総合2位を確定させ、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(フォード・フィエスタWRC)組が第4戦ツール・ド・コルス以来の4勝目を挙げた。

ラリーGB 最終成績
順位No.ドライバー/コドライバー(車名)タイムタイム差
1.1セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(フォード・フィエスタWRC)3:06:12.5
2.7ヤリ‐マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ(トヨタ・ヤリスWRC)3:06:23.1+10.6
3.9エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(トヨタ・ヤリスWRC)3:06:47.6+35.1
4.11クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン(シトロエンC3 WRC)3:07:22.9+1:10.4
5.5ティエリー・ヌービル/ニコラ・ジルソー(ヒュンダイi20クーペWRC)3:07:26.9+1:14.4
6.4アンドレアス・ミケルセン/アンデルス・ヤーゲル(ヒュンダイi20クーペWRC)3:07:28.4+1:15.9
7.6ヘイデン・パッドン/セバスチャン・マーシャル組(ヒュンダイi20クーペWRC)3:07:30.9+1:18.4
8.10マッズ・オストベルグ/トルステイン・エリクセン(シトロエンC3 WRC)3:07:34.1+1:21.6
19.8オット・タナク/マルティン・ヤルベオヤ(トヨタ・ヤリスWRC)3:26:51.4+20:38.9
20.2エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット(フォード・フィエスタWRC)3:27:40.5+21:28.0

今回の結果、ドライバーズランキング首位のティエリー・ヌービルは5位+パワーステージ4位(10+2)12pt加算で189ポイントとなった。2位だったオット・タナクはパワーステージ2位の4ptのみ加算され、168ポイント。3位のセバスチャン・オジェは優勝+パワーステージ3位で(25+3)で28ptを獲得、合計182ポイントでタナクを逆転し2位に浮上した。

タナク選手のタイトル獲得の条件が絞られてきた。残り2戦を優勝し、パワーステ―ジが満点(10pt)で60pt加算するとポイントを228迄伸ばす事が可能だ。ヌービル選手は2戦2位なら36pt加算して225ポイント。2戦合せてパワーステージで4pt獲得されると、229ポイントとなり追いつけない。オジェ選手にも2戦2位だとパワーステージで合計9ポイント獲得されると自力優勝の芽が無くなる。タナクのタイトル獲得には残り2戦、2連勝が最低条件となった。

一方、マニュファクチャラーズランキングではトヨタは2位,3位を獲得した事から33pt加算し317ポイント、2位ヒュンダイ(297ポイント)を20ポイント引き離す事に成功した。次戦のタイトル確定は無いが、表彰台を獲得出来るとトヨタのマニュファクチャラーズタイトル獲得の可能性が濃厚になる。

WRC次戦は第12戦ラリー・デ・エスパーニャ(カタルーニャ)。スペイン東部、カタルーニャ州の観光都市サロウを中心に10月25日から28日にかけて開催される。エスパーニャはグラベルとターマックの両路面を走行する、シーズン唯一のミックスサーフェス・ラリーとなる。競技の途中でクルマをグラベルからターマック仕様に変更する必要がある。メカニックは夜のサービスで仕様変更を75分間で行なわなければならないメカニックにとってもチャレンジングなラリーだ。

(川崎BASE/写真:TOYOTA GAZOO RACING/Jaanus Ree/RedBull ContentPool)

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