【SUPER GT 2020 新規参戦チームインタビュー】Max Racing「悔しさをバネに、アツい気持ちの伝わるレースを魅せたい!」

コラム Clicccar

国内屈指の人気を誇り、年間40万人もの観客動員数を誇るスーパーGT。昨シーズンには長年の苦労の末、欧州自動車大国ドイツが誇るハコ車レースDTMとの特別交流戦も実現し、その人気は若者の自動車離れと言われる中でも衰えるどころか、年々その盛り上がりを増しています。

そのスーパーGT、GT300クラスに今シーズンからフル参戦を開始する事になった「Max Racing」。新規参戦チームとしての意気込みを、田中哲也監督と久保凜太郎、三宅淳詞の2名の若手ドライバーに伺いました。

Max Racingの田中哲也監督(中央)と久保凜太郎(右)三宅淳詞(左)の若手ドライバーコンビ  ──まず、スーパーGT参戦に至った経緯を教えていただけますか?

田中哲也監督(以下:田中)

「よろしくおねがいします。このMax Racingというチームは、レーシングドライバーであるGo Maxがオーナーなのですが、そのGo Maxがオーナーとして、そしてやはり一人のレーシングドライバーとしてもスーパーGTというものに参戦したいという夢を持たれていたというのがそもそもの始まりです。

私はオーナーとは10年以上前に初めてお会いして、それ以来ドライビングのコーチをしています。これまでロータスカップにはじまりPCCJやフェラーリチャレンジ、そしてスーパー耐久のドライバーとしてステップアップされてきましたが、いつかはスーパーGTに出てみたいというのはお会いした当初からずっと言われていました。」

244号車「たかのこの湯 RC-F GT3」  ──長年の夢を叶えたということですね

「(スーパーGT参戦チームの)オーナーになるっていう夢でもあり、ドライバーとしても参戦してみたい、という気持ちがあっての事だと思います。」

──そしてコーチングの流れで監督にということですか?

新規チームの監督を任された田中監督  「そうですね。昨年僕はGTAの仕事をやらせてもらったんですけど、オーナーの方からチームを立ち上げるので監督をやってもらえませんか?とオファーをいただきました。」

──いよいよ開幕まであと1ヶ月(注:インタビューは開幕戦延期の発表前に行いました)ということですけれど、チームの準備や雰囲気はいかがでしょうか?

「メンテナンスをしてくれているメカニックたちはベテランばかりなので、そういう意味では新チームと言えるのかはわかりませんが、ドライバーやスタッフも含めて徐々にしっかりとしたチームになっていってくれたらいいなと思っています。なので焦って開幕から優勝します!とかそういう感じではないですね。」

たかのこの湯 RC-F GT3 244号車  「それから仕事をする以上はプロフェッショナルらしい、誰に見られても恥ずかしくないキレイな仕事を心がけ、なおかつレースでも着実に上がっていくような、そんな感じのチームになってくれれば良いなと思っています。ドライバーは若手なので、開幕からすぐ結果を、と言うよりも、まずはシーズンが進むにつれて確実に、そして次のシーズンに期待が持てるような感じに育っていってくれればと思っています。」

──今、お話も出ましたが、ドライバーに若手2名を起用した理由を教えていただけますか?

「まず(久保)凜太郎については、GTの経験はありますけど、去年はシートを失って悔しい想いもしていたと思います。ですが僕は可能性のあるドライバーだと思っていますし、なんとかこの新しいチームで花を咲かせてくれたらというのが起用の理由です。本人もかなりヤル気というか決意も持っているようなので、それに応えられたら良いなと思っています。

走行が終わってからも綿密な打ち合わせをする久保、三宅両選手  三宅(淳詞)については昨年FIA-F4でランキング2位という成績を残したのですが、今シーズンはHONDAのスカラシップの枠から少し外れたということで、非常に有望でこれからもっともっと先に行ける実力のあるドライバーだと思っています。なので今回の起用をチャンスと思って、なんとか本来の実力と言うか、ナニクソ!っていう気持ちで自分自身をアピールしてくれたらと思い、起用しました。

(監督としても)レーシングドライバーの先輩としても思うのは、2人とも正直、順風満帆にぱんぱんぱんっと上がってきてるドライバーではないので、とにかくがむしゃらにやって結果をもぎ取ってもらいたいと思っています。

僕自身もドライバーとしてうまくいった時もあればそうじゃない時もありました。それでも(プロドライバーとして)長年続けていくには、ものすごく気持ちの強さだったり、レースにどれだけ自分を捧げることができるのかっていうのが凄く大事だと思っています。特にスカラシップのようなサポート無しでやっていくのはそう簡単なことではないです。実力はあるけどひとつ間違えたら埋もれてしまう。だからそこにチャンスがあったなら、なんとかそれを掴んでほしいという気持ちが僕自身ものすごくあります。」

愛媛のゆるきゃら「みきゃん」が描かれたマシンはサーキットでも目立った存在  「そしてオーナーもどちらかと言うとそういう、力はあるけどきっかけが必要な、波に乗れていないのをなんとかしたいっていうのが好きなんですよね。だから今回起用した2人のドライバーにも『あ、コイツやるな』っていうのをみんなに見せてもらいたいし、そういう事ができるチームにもしたいと思っています。」

──なるほど。監督やオーナーの熱意が凄く伝わってきます。久保選手は昨シーズン1年のブランクからのスーパーGT復帰ですが、今の心境はいかがですか?

久保凜太郎選手(以下:久保)

「今、監督が仰ったように、僕はメーカー育成の枠に一度も乗らずにレースを続けてきました。もちろんスポンサーさんたちのおかげもあってスーパーGTまでたどり着く事ができました。GT300の中でも競争力のあるチームに所属した事もありますが、正直周りからはプロ(ドライバー)とは言われるけど、自分の中では決してプロだとは思っていませんでした。」

1年のブランクからスーパーGTに復帰を果たした久保選手  「ただ、そんな自分にもスーパー耐久のチームを任せてくださる方がいて、そのチームを成功させるために昨シーズンは自分からスーパーGTを休んでスーパー耐久のチームに専念しました。そこでは(参戦1年目でクラス)優勝もできましたが、もちろん大変さも学びました。それが今の僕の自信というか、覚悟っていうものになっています。そして今年こうしてご縁があってMax Racingさんからお話を頂いた時に、去年頑張ってきて本当に良かったと思うのと同時に、半端ないヤル気に満ちています。そんな自分が今年どれだけイケるのか、自分自身今から楽しみでしょうがないです。

あと、4シーズン目になって今回初めて年下と組むんです。(石川京侍選手とは1才違いなのでほぼ同い年)それもハコ車も初めてということで、僕自身経験はそんなに多くはないですけど伝えていけることは伝えていきたいし、新規チームということでは、いつもながらのムードメーカーもやりつつ、うまくチームを回していける歯車になれたらな、とも思っています。」

──昨年ご結婚もして、今年は気合十分な感じですね!そして三宅選手はFIA-F4からの抜擢になりました

スーパーGTルーキーとなる三宅選手  三宅淳詞選手(以下:三宅)

「そうですね。昨年まではHONDAさんの育成枠でFIA-F4に出させていただいていたのですが、今年その枠から外れたということで正直ショックだったんですけど、今回こうしてオーナーや田中監督からチャンスをいただいて、自分をアピールするきっかけをいただけました。チームの皆さんもプロフェッショナルですし、哲也さんも凜太郎さんもスーパーGTの経験があるので、いろんなことを教えていただいて、速さだけでなく結果を出せるようにしたいと思っています。そして(自分を見限った)関係者の方々を見返せるような気持ちで頑張っていけたら良いなぁというのが今の気持ちです。」

──ドライバーとしてどういう走りをファンの皆さんに見てもらいたいですか?

久保「僕らのアツい走りを観て、その汗をぜひたかのこの湯で流してもらいたいです(笑)」

岡山から愛媛までぜひ足を伸ばしてみてください  ──四国でスーパーGTが開催されないのが残念ですね。それでは最後にファンの方々にメッセージをお願いします

田中「僕も監督になるまではドライバーをやっていましたけど(注:スーパー耐久では現在でもドライバーとして参戦中)レースっていうのは基本的にドライバーが主役というか、結局走り出したらドライバーにしかなんともならないので、例えば車が良ければ速く走ってくれればいいし、悪ければ悪いなりに頑張って、とにかく2人が思い切っていい走りをしてほしい。ドライバーが頑張っている姿を見れば、当然ピット作業をするメカニックやスタッフも頑張れると思いますし、僕は監督として正しい判断をすると言うか、間違った判断をしないようにする。」

若手ドライバーの諦めない走りにも注目  「僕自身の願いはこの2人のドライバーがとにかくしつこいレースを、良いときでも悪いときでも粘りがあって絶対に諦めない、最後までなんとかしてくれたと思えるようなレースをしてもらいたい。正直結果が優勝でも中身は大したことのないレースもありますし、例え10位でも内容のあるレースもありますので、絶えずそういう盛り上がるレースを、そしてそのドライバーの気持ちが伝わるようなレースをシーズン通してやって、それをファンの方々には観てもらいたいと思います。

2人ともそれぞれ悔しさもあるだろうし、その気持ちがとても大切で、自分が負けない!っていう気持ちが持てればそれは走りにも絶対出ますし、その気持ちの部分で負けたら終わりなので、トップを走っていようが最後尾だろうが、決して最後まで諦めないドライバーの走りをファンの方々に観にきてもらいたいですね。それができれば、あとは良いマシンさえ与えられたら優勝はできます。」

毎戦泣くところを見にきてください  久保「テンション高ぶりすぎて毎レース泣きたいと思います(笑)でも本当にそれぐらいの気持ちで臨みます。車種によってコースの得意不得意もあると思うし、使っているタイヤによっても得意なコンディション、苦手なタイミングもあると思います。でも今監督が言ったように、たとえ11位でラスト3周だったとしても最後まで何があるかわからないのがレースだし、特にGTなんて去年の最終戦のようにトップがガス欠したりとかもあるわけで、何が起こるか終わってみなければわからない。

その何かが起きたときにその場所にいられるかどうかが絶対大事だと思うので、最後3周で前は10秒先だよって言われても諦めるわけでもないし、そこでコンマ1秒詰めたそのコンマ1秒差でなにが起きるかもわからない。それは去年のスーパー耐久とかでも強く感じたところでもあるので、チェッカー受けたら毎レース泣いちゃうくらいのフルテンションでいきたいと思っています。あと僕は感情が走りで見えるタイプだと思うので、凜太郎あいつイッてんなーみたいなのは実際サーキットに来て観てもらえると良いなと思います。」

新規参戦チームの熱い戦いに今シーズン注目しましょう  オーナーをはじめ、監督や選手も自らの努力で這い上がってきたその雑草魂でトップカテゴリであるスーパーGTをかき回し、さらにレース界全体を盛り上げてくれるんじゃないかという期待感溢れるインタビューになりました。

残念ながら開幕戦「たかのこのホテルOKAYAMA GT 300km RACE」は延期となってしまいましたが、愛媛のゆるキャラ「みきゃん」の描かれたマシンと、ドライバーの感情が溢れ出るアツい走りを、多くのファンの方々にサーキットで観てもらえる日が1日も早く戻ってくる事を、チームの全ての方も願っていると思います。

(H@ty)

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