80年代の端正さと90年代の流麗さを兼ね備えたフレンチ・コンパクト。プジョー・306【ネオ・クラシックカー・グッドデザイン太鼓判:輸入車編】

コラム Clicccar

80〜90年代輸入車のグッドデザインを振り返る本シリーズ。第25回は、205のヒットで獲得した企業イメージと顧客を引き継ぐことを託された、新世代のフレンチ・コンパクトに太鼓判です。

主力の5ドアハッチバック。端正な中に優雅さを加えた佇まいが大きな特徴

80年代に205を大ヒットさせたプジョーは、次世代モデルとして6番台を設定。先んじて登場した106がその一部を引き継ぎつつ、309の後継も兼ねて半歩上を受け持ったのが、1993年発表の306です。

エントリーとなる106が極めてオーソドックスなハッチバックスタイルとなったのに対し、同じ6番台の新世代モデルながら、直線と曲線を融合させた繊細なラインや面を持たせたのが特徴です。

基本的には端正な表情ながら、いわゆるコークボトルシェイプを採り入れたことがその最たる例で、単に90年代的ラウンドフォルムではなく、落ち着きと動きの両面を持つ絶妙な佇まいを獲得しました。

サイド面では、緩やかな曲面にキリッとしたキャラクターラインが前後一直線に引かれることで適度な引き締めが感じられ、さらにプレスドアがボディ全体に上質なカタマリ感を生み出します。

端正な落ち着きを持つリアからの眺めではボディの抑揚がよくわかる

フロントは、2本の横桟グリルとシャープなランプが端正なプジョーらしさを示し、一方、106に似たリアパネルでは、左右ランプ下端をハッチの開口ラインと合わせることで安定感を持たせ、かつランプのグラフィックを2段構成として独自の表情を持たせます。

インテリアは逆U字型を基本にまとめられ、インパネ両端からドア内張りにつながる大きな流れが特徴的です。基本的には機能性を高く感じる構成ですが、明らかに80年代とは異なる流麗さが感じられます。

日本ではピニンファリーナによるカブリオレの人気が高かった

エクステリアはプジョーのスタイルセンターが、インテリアはピニンファリーナが中心となってまとめた306は、205や405が持っていた端正さに、いい意味での時代性が絶妙にブレンドされたように見えます。

同じ6番台世代では、406もまたピニンファリーナの仕事が光りました。いわゆるカロッツェリアの仕事が万全ということではありませんが、306はプジョーが「らしさ」を持っていた最後の世代の一台と言えそうです。

●主要諸元 プジョー 306XT 5ドア (5MT)
全長3950mm×全幅1690mm×全高1380mm
車両重量 1060kg
ホイールベース 2580mm
エンジン 1587cc 直列4気筒SOHC
出力 90ps/5600rpm 13.8kg-m/3000rpm

(すぎもと たかよし)

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