N国党・立花党首のスピード違反で話題の「追尾式取り締まり」、そのやり方を警察官が法廷で証言!

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 N国党の党首で元国会議員・立花孝志氏が「追尾式」の取り締まりを受けた。追尾式はどのように取り締まるのか、その話をしよう。

 立花氏が取り締まりを受けたのは高速道路で、制限速度は80キロ。追尾式による測定値は109キロ。29キロ超過だ。立花氏は高速道路に入ってから加速し続けており、後方でパトカーのサイレンが鳴ったとき自分の速度は120キロぐらいだった、だから109キロという測定値はおかしいと述べている。加速中の速度を追尾式で測定できるのか。

 私は過去に、追尾式取り締まりの測定値を否認する裁判を傍聴したことがある。被告人は、深夜に制限40キロの一般道路を、事情があって(そこは省略)80キロを超えるぐらいの速度で走っていた。後方で突然、パトカーの赤色灯がまぶしく光った。「しまった!」。その被告人は後悔し反省した。ところがなんと測定値は114キロ。74キロ超過だった。そんな速度は絶対に出していない!」。そういう裁判だ。

 パトカーの助手席にいた警察官が証人として出廷し、証人尋問が行われた。警察官の証言は要するにこうだった。

「制限速度(40キロ)で走行中、横の車線を追い抜いていく車両があった。その速度は目測で80キロ以上だった。他に車両はいなかった。追い抜かれた時点で、屋根の回転赤色灯とフロントグリルの点滅赤色灯を点灯し、加速した。違反車両の後方20メートルに追いつき、等間隔を保った」

 等間隔を保ち、パトカーの速度=違反車両の速度、として取り締まるのが追尾式だ。

「追尾測定用のストップメーターのデジタル数字が落ち着き、そこから追尾測定を開始した(=そのまま等速度・等間隔を保ち続けた)。おおむね200メートルを追尾測定するよう指導を受けている。通常は150メートルから200メートルはするようにしている。その間にストップメーターの数字が変わると、追尾測定は中止し、再び等速度・等間隔の位置関係を取り直す。そうでないと適正な取り締まりができない。約200メートルを追尾したのでもういいだろうと、ストップメーターの数字を固定した。114キロだった。実際の追尾距離をのちに見分したところ約240メートルだった」

 ストップメーターは、通常の速度計とは別にパトカー(または白バイ)の速度をデジタル表示する。警察官が「この速度を測定値にしよう」と思ったときスイッチを押し、デジタル数字を固定する。それが追尾式の測定値となる。隣のボタンを押せば測定値をプリントアウトできる。

ストップメーターのアップ。「STOP」を押して速度のデジタル表示を固定。「PRINT」を押すとその速度が測定値としてプリントアウトされる。

「測定を終えたあと、驚いた違反車両が急ブレーキをかけると危険なので後方40メートルにまで離れ、サイレンを吹鳴させ車載マイクでナンバーを呼び『左に寄って止まりなさい』と広報した」

 多くの方は「なんだそれ!」と呆れるのではないか。
・他に車両のない深夜に
・屋根の回転赤色灯もフロントグリルの点滅赤色灯も点灯させ
・後方20メートルにぴったり張りつき
・240メートルもの距離を走行

 どんなに不注意な者でも気づくでしょ!

 警察官は偽証をしたのか。その問いはあまり意味をなさない。警察官のこういう証言は、現場で何があったのか真実を述べるものではない。裁判官が有罪にしやすい「ストーリー」を述べるのだ。ストーリーが真実と同じこともあれば、同じでないこともある。結果、悪い犯罪者が有罪になったり、無実の者が有罪になったり。どっちにしても有罪、それが裁判の基本なのだと、事件数で8600件ほど傍聴してきて私は思う。「有罪率99.9%」とかいわれる理由が垣間見える。この被告人は、スムーズに有罪、罰金10万円とされた。

 そんな追尾式の取り締まりを、N国党の党首の立花氏が受けた。立花氏は一筋縄ではいかない人物とお見受けする。警察、検察、裁判所はどう処理するのか、私としては大注目だ!

助手席同乗者が白いヘルメットを装着しているのがちらっと見える。覆面パトカーだ。

(今井亮一)

今井亮一【いまい・りょういち】
交通違反・取り締まりを取材、研究し続けて約40年、行政文書の開示請求に熱中して約20年。裁判傍聴マニアになって17年目。『なんでこれが交通違反なの!』(草思社)など著書多数。雑誌やテレビ等々での肩書きは「交通ジャーナリスト」。2020年の目標は東京航空計器の新型オービス(レーザー式)の裁判を傍聴すること!

【関連リンク】
今井亮一の交通違反バカ一代!
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