自動運転や電気自動車に関わるクルマ業界の最新キーワード! 5分で分かる「CASE」や「MaaS」の意味

コラム Clicccar

2016年のパリ・オートショーで行われたダイムラーのプレゼンテーション

最近話題の自動運転やEV(電気自動車)などの新しいテクノロジー。それらに呼応するかのように、ここ数年、聞き慣れない言葉も次々と生まれています。テレビやニュースで聞いたことはあるけれど、今ひとつ意味が分からない……そんなワードの中でも、ここでは近年の自動車業界の動向を最も象徴するキーワード「CASE」と「MaaS」について紹介します。

CASE(ケース)とは、元々は2016年のパリ・オートショーで、メルセデス・ベンツなどを傘下に収めるダイムラーAGのCEO、ディエター・チェッチェ氏が発表した経営戦略の中で用いた言葉。以下の4つの言葉から、それぞれの頭文字をとった造語です。

C=Connected(コネクテッド)
A=Autonomous(自動運転)
S=Shared&Service(シェアリング)
E=Electric(電動化)

それぞれの意味を簡単に紹介しましよう。「コネクテッド」は、クルマにICT端末としての機能を持たせることで、車両の状態や位置、周囲の道路状況など様々な情報をセンサーによって取得し、ネットワークを通じて集積や分析することで、多種多様の価値を生み出すことを意味します。

分かりやすい例が、車内のエンタテイメント関連。タブレットやスマートフォンの端末を使いYouTubeの動画や音楽を楽しんだり、目的地付近でユーザーの好みに合ったレストランなどをお薦めしてくれるといったことが可能になります。

また、災害時に通行可能な道路へのルートを知らせるなど、インターネットを駆使した様々なサービスが期待できます。さらに、次世代通信規格5Gの普及により、機能はさらに拡大していくといわれています。

トヨタのアルファード/ヴェルファイアは、スマートフォンと連携ができる9インチのディスプレイオーディオを標準装備する

「自動運転」は、文字通り、ドライバーの代わりにクルマが自律走行するという意味。最近、日本でも日産スカイラインやBMWの8シリーズなど一部モデルに、高速道路のハンズ・オフ(手放し運転)機能が搭載されて話題になりました。

高速道路でのハンズ・オフ走行が可能となった日産スカイライン

ところが、現状のこれら機能では、ドライバーは不測の事態に備えて常に前方や周囲を確認しつつ、いつでも手動運転に切り替える必要があり、また走行エリアも高速道路に限られています(BMWは高速道路の渋滞時のみ作動)。

現状のシステムでは、手放し運転中もドライバーは前方や周囲の安全を確認する必要がある

自動運転には、実現の度合いによって、レベル0〜5までがありますが、前述の日産やBMWの機能はレベル2。一般道も含め、ドライバーが全ての運転操作をクルマに任せる「完全自動運転」はレベル4〜5で、現在はまだ法規制や技術的な問題などにより、実用化された市販車は存在しません。

BMWのハンズ・オフ機能は、渋滞時など速度が時速60キロ以下に限定されている

「シェアリング」とは、クルマを「共有する」ということ。ライドシェアとも言われます。代表例は最近増えてきたカーシェア・サービス。従来クルマは、個々のユーザーがそれぞれ所有するものでしたが、渋滞が激しく、駐車場代や維持費が高い都市部などでは、共有することで総量を減らしたり、「持たない」ことによる低コスト化といったメリットがあります。

また、タクシーのスマートフォン配車アプリなども、タクシーを利用したい乗客と付近にいるドライバーをマッチングさせるという意味で、シェアリング関連の新たなサービスといえるでしょう。

カーシェリング・サービスは、都市部を中心に急速な広がりをみせている

クルマの「電動化」とは、いわゆるEV(電気自動車)を示します。地球温暖化に対する対策として、ガソリン車やディーゼル車を規制する動きは、欧米など世界的に広がっており、特に自動車販売台数が世界一の中国が近年急速に電動化へ舵を切ったことから、世界の自動車メーカーはこぞってEVの開発競争を繰り広げています。

また、EVや自動運転の開発は、Googleやテスラなど、従来からある自動車メーカーではないIT系などの企業も数多く新規参入しており、まさに「戦国時代」の様相を呈しています。

日産リーフをはじめ、現在は多くのメーカーがEVを開発し市販化している

MaaS(マース)とは、「Mobility as a Service(モビリティ・アズ・サービス)」の略。直訳すれば「サービスとしてのモビリティ」となり、様々な移動手段をサービス化することを示します。

よって、対象となるのは一般の乗用車だけでなく、バスや電車などの公共交通機関も含まれ、それらをひとつのサービスとしてとらえて、シームレスに繋げていこうという動きです。

MaaSの定義には、まだ諸説ありますが、分かりやすい例としては、スマートフォンなどの通信端末を活用し、自宅から目的地までのバスやタクシー、鉄道などの一連の交通機関の使用について、座席予約や運行状況の確認などを行うことを可能とするサービスなどが考えられています。

また、バスの場合は、運転手不足などの課題解決のために、自動運転とMaaSを連動させた動きも出てきています。

小田急電鉄が江ノ島で行った自動運転バスの実証実験。2018年の実験では、スマートフォンで予約や時刻表のチェックなどができるサービスも実験

日本では、トヨタ自動車とソフトバンクが設立した「MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)」が、積極的にMaaSの事業化を推進中。地方自治体などと連携しつつ、通信を活用したオンデマンドなどの新サービスに関する実証実験を行っています。

2018年に行われたモネ・テクノロジーズ発表会で、固い握手を交わすトヨタ自動車の豊田代表(右)とソフトバンクの孫代表(左)

ちなみに、トヨタは移動、物流、物販など多目的に活用できる自動運転EV(電気自動車)「e-Palette(イーパレット)」を開発。東京オリンピック/パラリンピックで選手や大会関係者の移動用バスに使うほか、モネ・テクノロジーズが推進するMaaS分野でも様々な用途に活用することを目指しています。

トヨタがMaaS関連事業に向けて開発したe-Palette

モネ・テクノロジーズには、ホンダ・日野自動車・いすゞ・スズキ・SUBARU・ダイハツ・マツダといった他の自動車メーカーも参画。一方、ルノー・日産連合は、Google系でAlphabet(アルファベット)傘下のWaymo(ウェイモ)と手を組んでいます。つまり、国内自動車メーカーは、MaaSや自動運転分野において、事実上二分化されているのです。

こういった動向は、新しい分野の技術や車両の研究開発には莫大な費用がかかるため。各社がそれぞれ単独で研究開発するよりも、数社が共同で進めることで、1社あたりの開発コストなどを低く抑えるといった狙いがあります。

複数の企業が「アライアンス(同盟)を組む」といった流れも、近年における自動車業界のトレンドといえるでしょう。

(文:平塚直樹/写真:ダイムラーAG、トヨタ自動車、日産自動車、ビー・エム・ダブリュー、平塚直樹)

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