ヤリスvsフィット、ガソリンvsハイブリッド…自動車評論家が選ぶベストバイはどれだ!?

コラム Clicccar

今回の試乗の主役は、トヨタ・ヤリスとホンダ・フィットという2台の新型コンパクトカーです。

ホンダ・フィット e:HEV とトヨタ・ヤリス Z

トヨタ・ヤリスは2020年2月10日に発売され、発売から約1ヶ月後の3月9日時点で約3万7000台の受注を集めました。これは月販目標(7800台)の約5倍に当たる数で、好調なスタートを切ったと言えるでしょう。

一方のホンダ・フィットの発売日は、2020年2月13日。こちらも発売から約1ヶ月後の3月16日時点で受注台数は3万1000台を超えました(月販目標は1万台)。新型コロナウイルスの影響がなければ、両車の受注台数はもっと伸びたはずなのは残念なところです。

そのように、コンパクトカーのカテゴリーで双璧を成す2台を自動車メディアの聖地(?)、箱根ターンパイクに連れ出しました。試乗してくれたのは3人のモータージャーナリストです。ヤリスとフィット、それぞれの純エンジンモデルとハイブリッドモデルの合計4台の中で、自分が一ユーザーとして買うとしたら…という目線から、お気に入りのモデルを選んでいただきました。(clicccar編集部 ※取材は3月19日に行いました)

トヨタ ヤリス HYBRID G
[価格:213万円、燃費:35.9km/L(WLTCモード)]

トヨタ・ヤリス HYBRID G

トヨタ ヤリス Z
[価格:192万6000円、21.6km/L(WLTCモード)]

トヨタ・ヤリス Z

ホンダ フィット e:HEV LUXE
[価格:245万9600円、27.4km/L(WLTCモード)]

ホンダ・フィット e:HEV LUXE

ホンダ フィット NESS
[価格:196万5700円、19.6km/L(WLTCモード)]

ホンダ・フィット NESS

ヤリスとフィットという今どき旬なコンパクトモデル2種、それぞれのピュアエンジンとハイブリッドという区分けを加えると4種のモデルを試乗した今回の企画。それぞれの得意分野と、オススメしたいユーザー像をお伝えします。

まず、実用性を重視したいという人はヤリスよりもフィットがおすすめ。フィットはセンタータンクレイアウトを採用したことによって、リヤシートのチップアップなども可能にしています。ユーティリティの拡張性や使い勝手の面では、圧倒的にフィットが優れています。たとえば、背が高く横にできないようなもの(植木など)を安心して運べるフィットはユーティリティ面で優位です。フィットのハイブリッドシステムは床下にはどのパーツも配置されないので、ハイブリッドであってもチップアップ時のユーティリティ性には違いはありません。細かい収納ポケットなどについては、アフターマーケットパーツでもある程度補完できますが、基本的な部分の容量やバリエーションは変更が不可能。となると、フィットのユーティリティ性は見逃せません。

トヨタ・ヤリス HYBRID Gのリヤシート

一方、楽しい走りという面ではヤリスが上です。かつてホンダはスポーティな走りがウリだったのですが、新型ヤリスはかなりの走りのよさを手に入れました。ヤリスはいわゆる固めたサスペンションを持っています。対してフィットはけっこうやんわりとした足です。どっちがいいか? は趣味の問題ですが、日本人で走り好きの多くの人はヤリスの足回りに「引き締まっていていいねー」と感じるでしょう。

トヨタ・ヤリス Zの走り

それはステアリング径とデザインの差にも表れています。あくまで筆者がメジャーを使って計った結果ですが、ヤリスのステアリング径はφ365、フィットはφ375です。直径でたった1cmの差ですから大した差ではないのですが操作してみると大きな違いを感じます。またデザインもヤリスは3本スポーク、フィットは2本スポークです。3本スポークステアリングは、舵角を把握しやすくスポーツドライビング向きでもあります。パワーユニット単体で見ると、ヤリスHV、フィットHV、ヤリス・ピュアエンジン、フィット・ピュアエンジンという順になります。

ホンダ・フィット e:HEV LUXEのインパネ

一般的な使用面を考えてみましょう。まず、ナビですがナビはヤリスのほうが賢いイメージを感じました。直感的に操作できるという点でもヤリスのほうが使いやすいものといえます。対してACCは圧倒的にフィットの勝ちです。ヤリスのACCは30km/h以上での作動となっていますが、フィットは停止までACCが作動します。つまり渋滞路で使えるのはフィットです。ACCの最大の恩恵を受けるのは渋滞といえます。その渋滞のときには使えないヤリスのACCはちょっと物足りません。一方でヤリスには自動駐車システムが組み込まれました。従来の自動駐車よりもずっと速いスピードで作動する自動駐車はかなり実用性が高いように感じます。

ホンダ・フィット NESSの走り

最後に快適性ですが、これはフィットの勝ちです。ヤリスはピュアエンジン、ハイブリッドともに3気筒で、振動が消しきれていないなどちょっと不満が残ります。一方のフィットは4気筒エンジンで振動も上手に消されていて、快適性は優れています。

諸星陽一さん

(写真:奥隅圭之、文:諸星陽一)

奇しくも、ほぼ同じタイミングでトヨタ・ヤリスとホンダ・フィットが発売されました。いずれも、Bセグメントに属するコンパクトカーで同価格帯のガチライバル。ちなみに、Bセグメントは普通車のシェア40%を占めるビッグマーケット。激選区です。

もっとも、売り手としては熱いバトルでしょうが、実際にこの両車を乗り比べてみるとかなりキャラクターが異なるので、選ぶ側のユーザーとしては、自分のライフスタイルや好みと照らし合わせれば、それほど悩まずとも欲しいモデルを見つけやすいのではないでしょうか。

ホンダ・フィット NESSとトヨタ・ヤリス HYBRID G

極端な話、フィットは中性的でホンワカキャラ、ヤリスはキリッとシャープな感じ。その見た目の印象で好きな方を選んでも、期待を裏切られることはないでしょう。走り味もその印象どおりだから。ここでは細かいインプレッションは割愛しますが、ヤリスの最大の特徴は、気持ちよく走れるグッドハンドリング。一方、フィットは静かで優しい乗り心地の快適性。選択の判断基準はもはや優劣ではなく、好みの問題です。

ホンダ・フィット e:HEV LUXEの走り

いずれもパワートレーンは、ガソリンとハイブリッドがラインナップされます。もちろんこれもライフスタイルに応じてのチョイスとはなりますが、ドライバビリティとしてはハイブリッドの進化が著しい! 実は私、個人的には断然、エンジン派だったんです。そんな私でさえ、どちらにしても買うならハイブリッド、と思うほど、滑らかでパワフルな走りと燃費が魅力的。

ホンダ・フィット e:HEV LUXEのエンジン

では、それぞれのライバルにない魅力、特徴は何か フィットは室内空間ですね。初代から採用しているので、今更声高なアピールはしていないのですが、センタータンク方式によって低床にできるので室内空間が広く、リヤシートは倒すだけでなくチップアップもできるため、自転車まで積めるなど使い勝手にも優れる。これは他の追随を許さないホンダの独壇場です。

トヨタ・ヤリス HYBRID Gの荷室

一方、その点、ヤリスは割り切っています。ハンドリングを優先したということと、ラインナップの多さが強み故、広い室内空間が欲しければコンパクトSUVをどうぞ、と言うことでしょう。では、ヤリスの強みはといえば、燃費。従来の、走りを犠牲にして稼いだ燃費ではなく、気持ちよく走っても燃費が良いというのがポイントです。試乗モデル「HYBRID G」のWLTCモード燃費35.8Km/Lは、世界トップレベル。ハイブリッドのパイオニアとしての意地、いや、技術のなせる技でしょう。もう一つ、区画線のないパーキングスペースでも駐車をアシストしてくれる新機能は、車庫入れが苦手な方にとってかなり魅力的でしょう。設定の操作スピードも実用的です。

トヨタ・ヤリス HYBRID Gの走り

悩まないと言いながら、いざ1台を選ぶとなるとやっぱり悩ましいけれど、私が自分で買うとすれば、やっぱり機動性の高いコンパクトカーならではのハンドリングを楽しみたいので、ヤリスのハイブリッドかなー。

佐藤久実さん

(写真:奥隅圭之、文:佐藤久実)

今回試乗させていただいた、フィット・ハイブリッドLUXE、フィットNESS(CVT)、ヤリスHIBRID G、ヤリスZ(CVT)の4台は、それぞれコンセプトが異なるため、使い方によっておススメの一台は違ってきます。そこで、筆者が自腹を切って買うならばどのモデルがいいのか、という視点で、筆者の普段のクルマの使い方を踏まえて「推しの一台」を考えてみました。

トヨタ・ヤリスとホンダ・フィットの4台集合

大き目のワゴン車を仕事で使っている筆者の場合、フィット・ヤリスのようなコンパクトカーを買うとしたら、買い物や送り迎えなどに使いやすい、セカンドカーになるクルマです。また、内装が汚れても気にならないことも重要。豪華なインテリアは不要で、経済的でよく走るクルマがいいかな、と思います。

となると、本革シートや本革巻ステアリング、シートヒーター、LEDフォグライト、ドアロアガーニッシュなど、豪華装備のフィットLUXEは、残念ながら候補からは外れます。

ホンダ・フィット e:HEV LUXEのフロントシート

長距離移動はファーストカーでこなすため、セカンドカーには、信号の多い街中や、狭い一般道で扱いやすい、といった性能を求めます。そのため、高速燃費が優れていることよりも、エコノミーな価格のクルマがほしいところ。

となると、ヤリス HIBRID Gも候補から外れます。WLTC燃費35.4km/Lは大変魅力的であるものの車両価格が高く、その価値を味わうほど、セカンドカーに乗る機会はないと考えられるからです。ガソリンエンジンのモデルであっても、20km/L前後の燃費を誇るクルマであれば十分です。

トヨタ・ヤリス HYBRID G

残る候補は、フィット・ガソリンNESSと、ヤリス・ガソリンZの2台です。

フィット・ガソリンNESSは、撥水ファブリックシート、LEDフォグライト、16インチアルミホイール、フルオートエアコン、そしてホンダセンシングなどが標準装備されています。運転席からの広大な視界のおかげで死角が少なく、さらにはロードノイズが静かで乗り心地も良くて、快適な乗り味を持つクルマです。ボディやインテリアに入れられている、ライムグリーンのアクセントが特徴的。

ホンダ・フィット NESSの走り

ヤリス・ガソリンZは、15インチスチールホイール、大型リアルーフスポイラー、3灯式フルLEDヘッドランプ、フルLEDリアコンビランプ、本革巻3本スポークステアリングホイール、8インチディスプレイオーディオ、そしてトヨタセーフティセンス(レーダークルーズコントロールやレーントレースアシスト等)などが標準装備されています。乗り心地はやや硬めですが、しっかりとした足回りに仕上がっており、まるで欧州のコンパクトカーのような質の高い走りをします。登り坂でもへこたれないパワフルなエンジンも魅力です。

トヨタ・ヤリス Zの走り

贅沢装備はいらない、燃費よりも車両価格を優先したい、という筆者が選んだのは、「ヤリス・ガソリンZ」です。
決め手は「しっかりとした足回り」。フィットがもつ、静かで快適な乗り味も大変魅力的ですが、筆者が所有するファーストカーでは味わえない、コンパクトなボディならではのきびきびした走りが味わえるクルマを選びました。

トヨタ・ヤリス Z

こうしてシミュレーションしてみると、頭の中が整理され、無駄な出費をせずに済むかもしれません。皆さんのクルマ選びの参考になれば、幸いです。

吉川賢一さん

(写真:奥隅圭之、文:吉川賢一)

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