【高齢者向けのクルマ選び】運転する親には安全装備が充実した小型車、親の送迎などには福祉車両がいい理由

コラム Clicccar

近年、高齢者によるペダル踏み間違いなどが原因の重大事故が社会問題になっています。今でも運転されている高齢のご両親を持つ方の中には「できれば免許を返納して欲しい」と思っている方も多いことでしょう。

でも、一方でご両親の方は「元気なうちは自分で運転したい」という人や、住んでいる地域によっては「クルマがないと生活できない」といった方もいらっしゃいます。

現役ドライバーのご両親が、もし新しいクルマを購入するとしたら?

おすすめは、自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)やペダルを踏み間違えた時の誤発進防止機能など、最新の安全装備が付いたクルマです。

そういったクルマなら、もし運転ミスをしてしまってもクルマが自動でブレーキをかけてくれるなど、安全運転に関する様々なサポートをしてくれます。

日産の新型ルークスにも多くの先進安全装備が備わり、サポカーSワイド対象車になっている

ただし注意したいのは、例えば自動ブレーキでも、安い車種やグレードによっては速度が「30km/h以下」などでないと作動しないものもあること。

そのため、自動ブレーキ付きなら「どんな速度でも自動で止まる」といった過信は禁物なのです。購入時は、必ず作動する速度などを確認することをおすすめします。

ダイハツのロッキーには、独自の安全運転支援システム「スマートアシスト」の最新型を搭載

また、最近は他の車両だけでなく歩行者も検知するものや、車線を逸脱した時に警告を出し、元の車線に戻るようステアリングをサポートする機能、対向車が来るとヘッドライトが自動でハイからローに切り替わったり減光する先進ライトなど、様々な安全装備があります。

日産・ルークスに採用された車線逸脱防止支援システムのイメージ

もちろん、多くの機能が備わるほど価格も高くなりますので、自分のご両親にはどんな機能が必要なのかを見極め、予算に合わせて選ぶ方がいいでしょう。さらに、3月9日から申請受付が開始された「サポカー補助金」制度の対象車かどうかも選択のポイントです(サポカーについては後述)。

そのほか、注意したいのは、先進安全装備付きのクルマを選ぶ時は、新しく発売されたモデルの方が装備の充実度や機能がアップしていることが多い点です。

しかも、最近ではかなりの安全装備がついているのに、100万円台で買えるモデルも増えています。

技術が進歩していることと、先進安全装備付きの車種が増えたおかげでコストが抑えられているからですね。

加えて、コンパクトカーや軽自動車なら、細かい路地などでの取り回しも楽ですから、長距離ドライブなどはあまりせず、病院や買い物などへの日常の足が中心の使い方という高齢者には最適です。

最近の新型モデルには、「サポカー補助金」制度の対象車が増えているという傾向もあります。これはコンパクトカーや軽自動車も同様で、比較的リーズナブルな価格ながら、安全装備が充実している車種が増えているのです。

「サポカー補助金」制度は、2020年度中に満65歳以上になるドライバーで、自動ブレーキなど安全をサポートする機能を持つセーフティサポートカー(サポカー)を購入する際に、最大10万円の補助金が出るというものです。

サポカー補助金制度も利用すると新型車も買いやすくなる

対象車は大きく分けて、

・自動(衝突被害軽減)ブレーキ搭載車の「サポカー」

・自動ブレーキに加えてペダル踏み間違い時の加速抑制装置などが付いた「サポカーS」

の2つがあります。

「サポカーS」にはさらに、

・「サポカーSベーシック」=自動ブレーキ(対車両)が30km/hで作動

・「サポカーSベーシック+」=自動ブレーキ(対車両)が30km/h以上でも作動+ペダル踏み間違い時加速抑制装置付き

・「サポカーSワイド」=自動ブレーキが歩行者にも対応+ペダル踏み間違い時加速抑制装置+車線逸脱警報+先進ライト付き

と分かれています。

サポカーSワイド対象車の新型車は増加傾向だ

そして補助金はこれら区分によって金額が異なり、最大で登録車の場合で10万円、軽自動車の場合は7万円となっています。それぞれの区分に当てはまるクルマなら、中古車でも補助金の申請は可能ですが、前述の通り、新しいモデルほど安全装備が充実している傾向にあります。

クルマを選ぶ際は、ご両親の安全や事故のリスクを減らすことも考慮してモデルを選択したいものです。

一方、同居などをされているご両親が高齢で、病院などの送迎などが必要な方の場合は、福祉車両を選ぶという選択肢もあります。

福祉車両というと、障がい者向けといったイメージがありますが、最近のモデルでは高齢者の方の乗り降りを楽にするといった視点で開発されているものもあります。

障がい者だけでなく、高齢者の乗り降りをサポートする福祉車両も増えてきた

福祉車両には大きく分けて2タイプあり、助手席や後席のシートが回転して乗り降りをサポートするタイプと、足腰が弱く、車いすを使う方を乗せるためのスロープが付いているものもあります。

しかも最近は、コンパクトカーや軽自動車にも福祉車両の設定が増えて、リーズナブルな価格で購入できるモデルも増えています。

ダイハツ・タント ウェルカムターンシート

例えば、ダイハツの軽トールワゴンであるタントの場合、

・助手席が回転する「タント ウェルカムターンシート」(回転シート車)

・助手席が回転して電動で外にせり出す「タント ウェルカムシートリフト」(昇降シート車)

・車いすのまま車内後部に乗り降りできる専用スロープと電動ウインチ付きの「タント スローパー」(車いす移動車)

といった3タイプを用意しています。

 

ダイハツ・タント ウェルカムシートリフト

特に助手席が回転する仕様では、タントの特徴のひとつ、助手席側のセンターピラーをなくし、広い開口部を実現したミラクルオープンドアの相乗効果もあり、通常のスライドドア車以上に乗り降りが楽になります。

ダイハツ・タント スローパー

また、ダイハツでは、ノーマルのタントを購入する際にオプションで付けられる高齢者向けのパーツも開発しています。

まず、高齢者などが助手席に乗る場合にはAピラー、後席に乗る場合は前席に装備できる手すりのラクスマグリップを設定。

タントにオプション設定されているラクスマグリップ

また、助手席ドアと助手席側ドアに連動して電動で出し入れできるミラクルオートステップなども用意しています。

ドアの開閉に連動して電動で出し入れができるミラクルオートステップ

これらは「本格的な福祉車両までは不要だけど高齢の親などの乗り降りを楽にしたい」といったニーズに応えたオプション設定なのです。

ほかにも回転シート車には、トヨタや日産などがミニバンやコンパクトなどをベースに、ホンダやスズキなどでは軽自動車ベースなどで設定。比較的“ライトな福祉車両”といった需要は、高齢化が進む日本では今後も増えていきそうです。

日産・セレナのセカンドスライドアップシートは、2列目シートが電動で昇降する仕様。助手席が昇降するタイプもある

(文:平塚直樹/写真:トヨタ自動車、日産自動車、ダイハツ工業)

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