燃焼速度と熱効率とは?燃焼速度は混合気の燃焼する速さ、熱効率は燃焼による発熱量が仕事に変換される割合【自動車用語辞典:エンジン燃焼編】

コラム Clicccar

ガソリンエンジンでは、シリンダー内に投入した燃料を上死点付近でできるだけ速く燃焼させることが、熱効率の向上につながります。上死点で瞬時に燃焼すると仮定した理想的なサイクルが、オットーサイクルです。

燃焼速度と熱効率の関わり、オットーサイクルについて、解説していきます。

エンジンは、燃料の持つ熱エネルギーをピストン運動に変換する熱機関です。

エンジンの仕事量は、燃料が燃焼して発生する熱量から、各種の損失(冷却損失、機械損失、ポンプ損失、排気損失、燃料の未燃損失)を差し引いた残りの熱量から引き出されます。これらの損失の合計は、一般には燃焼による発生熱量の60%以上に相当し、これらすべてが廃棄されます。

・冷却損失

燃焼室やシリンダーなどの壁面から、冷却水に捨てられる熱損失

・機械損失

クランクシャフトやピストンなど回転運動時や往復運動時に発生する摩擦損失(フリクション)

・ポンプ損失

ガソリンエンジンで、空気量をスロットル弁で絞るときの通路抵抗による損失

・排気損失

排出ガスとして捨てられる熱や圧力の損失

・燃料の未燃損失

シリンダー内に投入された燃料の一部が、燃焼せずに捨てられる損失

熱効率とは、燃焼させ発生した熱量から上記の損失を差し引いて、エンジンの動力としてどれだけ取り出せているかの割合を示す指標です。ガソリンエンジンの最高熱効率は現在40〜42%、一般走行時の熱効率は運転条件によりますが、25〜35%程度です。

ガソリンエンジンの熱収支と熱効率

熱効率を向上させるには、上記の5項目の損失を減らすことが重要であり、それぞれの項目について改善が進んでいます。

一方、サイクル論的には圧縮比を上げることと、燃焼速度を速めることが有効です。

ガソリンエンジンは、上死点(ピストンがシリンダーの最上位置)で瞬時に燃焼することが理想です。瞬時に燃焼を終えることは現実的ではありませんが、できるだけ燃焼速度を速くして燃焼期間を短くすることが、熱効率向上につながります。

燃焼速度の影響

オットーサイクルは、等容燃焼サイクルとも呼ばれ、2つの断熱変化と2つの等容変化で構成されるガソリンエンジンの理想サイクルです。断熱とは外部との熱の授受がない変化、等容とは体積が一定のままの状態の変化のことです。

ガソリンエンジンのシリンダーの中で起こる一連の現象の理解を深めるのに役立ちます。

・シリンダー内で混合気を<断熱圧縮>し、火花点火によって瞬時に燃焼<等容受熱Q1>します。

・高温高圧の燃焼ガスは<断熱膨張>することでピストンを押し下げ仕事をします。

・仕事をした燃焼ガスは排気<等容放熱Q2>されます。

熱効率は、燃焼させ発生した熱量のうち、エンジンの動力としてどれだけ取り出せているかの割合なので、オットーサイクルの熱効率は次のように示されます。

熱効率 = 1 ― Q2/Q1

実際のエンジンでは、圧縮行程と膨張行程では熱損失(熱の授受)があり、また点火後の燃焼も瞬時でなくある程度の時間を要するので、熱効率はオットーサイクルよりも大きく低下します。

オットーサイクルのPV線図

エンジンは、燃料の持つ化学的エネルギーを機械的エネルギーに変換する熱機関です。したがって変換効率すなわち熱効率が、エンジンの性能の優劣を表す指標です。

エンジンには多くの損失がありますが、高圧縮比で急速燃焼できれば、高い熱効率が実現できます。

(Mr.ソラン)

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