【インプレ'06】伏木悦郎 ホンダ『ゼスト』 まんま登録車感覚

シートに腰を下ろし、ステアリングを握った瞬間「まるで登録車に乗っているような」思いもよらない気分を味わうことになった。『ゼスト』は、『ライフ』をベースに流行りのハイトワゴンルックで“軽自動車のピン”を目指そうとしたクルマ。
ステアリングホイールは、一連の『シビック』や『ストリーム』に採用された3スポークと基本デザインを同じくするもの。それを中心としたインターフェイスの仕立てが巧妙だ。
まず、ボディサイド面を垂直に近づけたスクエアデザインとしてショルダールームを確保したうえで、3/2分割の大型ベンチシートを用意。カップルディスタンスを詰めることで、見かけ上の一人乗り時の空間デザインを上級車並みとすることに成功している。
その際のドライブフィールはほとんど白ナンバー。52psのNAエンジン車でもタウンユースなら不足はない。これ本当に軽自動車かいな? という気分をもっと実感したいなら64psのターボを選ぼう。チョイ高だけどより痛快だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★★
伏木悦郎| 自動車評論家
70年代にレースを志し富士スピードウェイで参戦。その間偶然知り合った自動車雑誌編集者にスカウトされる形で業界入り。78年から一貫してフリーランス。FRの魅力に傾倒し国産車によるコンパクトFRの再生が宿願。